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えのき

えのきを生で食べてはいけない理由!起こりうるリスクや死亡例も紹介

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 渡邉里英(わたなべりえ)

鉛筆アイコン 2022年2月23日

きのこの一種であるえのきは、生食できない食品である。味の面だけでなく、安全性の面で、生食は厳禁なのだ。本記事では、えのきが生で食べられない理由を解説する。生食の危険性や正しい食べ方をおさえて、えのきを美味しく安全に食べよう。

  

1. えのきを生で食べてはいけない理由

えのき
えのきを生で食べることができないのは、危険な成分や菌の影響が懸念されるからである。詳しく見ていこう。

「フラムトキシン」と呼ばれる毒素が存在する

フラムトキシンとは、溶血活性をもつ毒素である。溶血とは赤血球が破壊されヘモグロビンが流出した状態のことで、貧血などを引き起こす場合がある。また、フラムトキシンは腸管上皮細胞層の物質透過性に影響を与えることも研究により示唆されている。
しかし、フラムトキシンはタンパク質であるため、加熱により活性を失う。したがって、生食しない限り健康への危険性はない。(※1、2、3)

「リステリア菌」が付着しているおそれがある

リステリア菌とは食中毒菌の一種で、4℃以下の低温でも増殖できるという特徴がある。少量のリステリア菌の摂取では症状が出るケースは少ないが、長期で冷蔵保存していた場合は菌の増殖が考えられるため、とくに危険といわれる。重篤化するとリステリア症(敗血症や髄膜炎、中枢神経系症状など)を引き起こすこともある。(※4)

2. えのきを生で食べたときに起こりうる症状とは?

まな板の上のえのき
フラムトキシンやリステリア菌により引き起こされる症状を含め、えのきを生で食べるとどのような症状が起こりうるのか、詳しく見ていこう。

腹痛や下痢、筋肉痛などを招くリスクがある

えのきを生で食べたときの症状としては、一般的な食中毒でもあるような腹痛や下痢などが代表的だ。そのほか、リステリア菌による症状の1つである筋肉痛が起こるケースもある。(※4)

嘔吐や発熱といった症状が出ることもある

腹痛や下痢を伴って、嘔吐する場合もある。また、リステリア菌による食中毒には、発熱や悪寒など、インフルエンザのような症状が見られることもある。(※4)

アメリカではえのきの生食による死亡例も報告されている

2020年3月10日に、アメリカの疾病管理予防センターよりリステリア集団感染が報告されている。情報が得られたのは32人で、2016年から2019年の約3年にわたり検体が収集された。韓国産えのき茸が原因と示唆される集団感染で、4人が死亡している。また、妊娠関連6症例のうち2症例が流産となっている。(※5)

3. えのきを生で食べてしまったときは?

えのき
えのきの生食は非常に危険である。しかし、知識がないとうっかり生で食べてしまうこともあるかもしれない。そのような場合はどうすればよいのだろうか。

心配なときはすぐに医療機関を受診しよう

えのきによる食中毒の症状の出方は人によって異なる。腹痛程度で済む場合もあるかもしれない。しかし、死亡例も報告されている(※5)。様子を見ているうちに悪化し、手遅れになってしまうこともないとは断言できないのだ。とくに、妊婦や高齢者、基礎疾患をもつ人など、免疫機能が低下している人の場合は重篤化するリスクが高い(※4)。自己判断するのではなく、心配な場合は速やかに医師の診断を受けよう。

4. サラダ用など生食できるえのきもある?

えのき
一般的なえのきは生食NGだが、商品によっては生食できるよう特殊な方法で栽培されたものもある。しかし、「生食可」と明記されているか必ず確認しよう。たとえば、「サラダえのき」という名称でも、熱湯をかけてから食べるよう記載されている商品もある。基本的にはえのきは加熱調理する必要があるため、サラダ用として販売されているものでも生食ができるとは限らないのだ。

5. 生のえのきはどれくらい加熱すればよい?

鍋とえのき
えのきを安全に食べるには、十分に加熱することが大切である。とくに電子レンジ加熱の場合、加熱ムラができやすく生の部分が残ってしまうことがある。えのき全体に火が通るように工夫しよう。

加熱方法と時間の目安

熱湯で湯通し:1~2分

最もおすすめなのは、熱湯で湯通しする方法だ。えのき全体にムラなく火が通り、短時間で加熱できる。食感を残したいなら熱湯で1~2分ほど茹でれば十分だ。

電子レンジ加熱:600Wで2~3分

電子レンジを使う場合は、株のままではムラができてしまうため、ほぐしてから加熱しよう。耐熱容器に入れてふんわりとラップをしたら、600Wで1株3分ほどを目安に加熱するとよい。

6. えのきの生食は控えよう

えのきの味噌汁
えのきは基本的に生食できないため、加熱調理してから食べよう。加熱時間の長さによって食感は変わる。たとえば、サラダやナムルなど食感を残したい場合は1~2分湯通し、味噌汁や鍋などに使うなら5~10分程度茹でるというように、好みで調整するとよいだろう。

結論

えのきはきのこのなかでも繊細な外観のため、生食できるように見える。しかし、えのきの生食には重篤な症状が引き起こされる場合や死亡例もあり、大変危険だ。火の通りやすい食材のため、面倒でも必ず加熱してから食べよう。
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  • 更新日:

    2022年2月23日

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