目次
- ※1.厚生労働省「コラーゲン」 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-011.html
- ※2.小学館「日本大百科事典(コラーゲン)」
- ※3.平凡社「世界大百科事典(コラーゲン)」
- ※4.国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所「コラーゲンって本当に効果があるの? 」 https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail2204.html
1. コラーゲンはタンパク質の一種

コラーゲンという言葉は知っていても、実際にそれがどのようなものを指すのかわからない人も多い。まずはコラーゲンについて、効能も含めた概略を紹介する。
コラーゲンとは
コラーゲンとは、動物の骨、腱、皮膚を構成するタンパク質である。(※1)人間の身体に存在するタンパク質のうち、30%を占めるのがコラーゲンである。(※1)Ⅰ~ⅩⅨ型に分類される28種のコラーゲンが知られており(※2)、40%が皮膚、20%が骨や軟骨に存在している。(※1)コラーゲンは人体の結合組織を構築するために繊維状を呈しており、その張力によって腱や靭帯を支えている。(※3)
コラーゲンの構造
コラーゲンは、トロポコラーゲンという3本のペプチド鎖から構成される分子が基本となっている。(※3)3本の鎖が右巻き超らせんの構造をなし、コラーゲンを形成しているのである。(※3)コラーゲンを構成するために必須の要素がアミノ酸であり、アミノ酸を生成するにはビタミンCが不可欠である。(※1)ビタミンCの欠如はコラーゲン合成が不可能になるほか、ビタミンAもコラーゲンの再構築に重要な役割を果たしている。(※1)
2. コラーゲンを含む食材

タンパク質は靭帯を構成する最も重要な栄養素のひとつであり、コラーゲンはそのタンパク質の3分の1を占めている。そのコラーゲンを摂取するためには、どんな食品を食べればよいのだろうか。コラーゲンを効率的に摂取できる食材について紹介する。
多く含む食材
動物の骨や皮膚を形成するコラーゲンは、肉や魚に多く含まれている。肉類であれば鶏の手羽先、鶏皮、豚のモツ、牛すじ肉にとくに多い。また魚類では、皮付きの鮭、うなぎのかば焼き、ふかひれなどがコラーゲンを多く含む食材の代表である。コラーゲンを含むサプリもよく目にするが、厚生労働省では食べ物からタンパク質が摂取できていればとくにコラーゲン不足となるケースは少ないとしている。(※1)
3. コラーゲンやタンパク質の不足を防ぐには

皮膚や髪など目に見える場所だけではなく、骨や腱の健康にも重要な役割を果たすコラーゲン。コラーゲンやタンパク質をきちんと身体に取り込むためには、食事においてどんな注意が必要なのだろうか。そのいくつかを紹介する。
バランスのよい食事
前述したように、コラーゲンにはビタミンCやビタミンAの存在が必要である。そのため、タンパク質だけを含む食材を食べていても、コラーゲンの合成が不可能なことが多い。
またコラーゲンを合成するアミノ酸のうち、食物の摂取に頼らざるを得ない必須アミノ酸が存在する。(※4)必須アミノ酸の摂取には、バランスのよい食事をとるのが一番の近道である。(※4)肉や魚、豆類からタンパク質を摂取するだけではなく、ビタミン類を多く含む野菜もしっかりと食べて、バランスのよい食事を心がけよう。
コラーゲンペプチドについて
コラーゲンの分子量は約30万とされているが(※2)、これを分解して低分子にしたのがコラーゲンペプチドである。(※4)低分子であるために消化が比較的されやすいとして商品となっていることも多いコラーゲンペプチドであるが、吸収されてもそれがすなわちコラーゲンとなるわけではないことは頭に入れておく必要がある。(※4)
結論
健康や美容にとくに興味がなくても耳にすることが多い言葉のひとつ、コラーゲン。コラーゲンはタンパク質の一種である。人体におけるタンパク質のおよそ3分の1を占めるコラーゲンは、皮膚や骨の健康のために最も重要な栄養素とされている。肉や魚のさまざまな部位に多く含まれるコラーゲン、単体での摂取ではなくバランスのよい食事から身体に取り入れるのがベストである。美味しい食事とともにコラーゲンを正しく摂取してほしい。
(参考文献)
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