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北海道螺湾ブキ

ラワンブキとは?草丈3mほどある日本一大きい北海道産のフキを紹介

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

鉛筆アイコン 2022年10月25日

フキの中でも日本一大きいと言われている「ラワンブキ」。その草丈は2~3m程度になり、「オオブキ」と呼ばれるアキタブキよりも大きい。また、ラワンブキは繊維が少なく食べることもでき、天ぷらや肉詰めなどにすると非常に美味しいという。この記事ではそんなラワンブキの基礎知識、食材としての特徴・魅力、下ごしらえのやり方、おすすめの料理などについて詳しく解説する。

  

1. ラワンブキとは?

ラワンブキ
ラワンブキ(螺湾ブキ)とは、北海道の足寄(あしょろ)町螺湾地区に自生しているキク科フキ属のフキの一種のこと。フキは大きく「一般的なフキ」と「アキタブキ」に分けられるが、ラワンブキは後者の「アキタブキ」の仲間とされている。草丈2~3mほど、茎の直径は10cmほどであり日本で一番大きいフキといわれている。ラワンブキの観光名所には「ラワンぶき鑑賞ほ場」などがある。

ラワンブキの基本データ

・名称:ラワンブキ/螺湾ブキ
・分類:キク科フキ属のアキタブキの一種
・分布:北海道足寄町螺湾地区(螺湾川沿い)
・大きさ:草丈2~3m、茎の直径10cm
・見頃:6~7月頃
・収穫期:6月以降

ラワンブキが巨大になる理由

これまでラワンブキが巨大化する原因は不明だったが、2021年1月に九州大学農学部附属北海道演習林の研究グループがその要因を発表した。(※1)この発表によると「螺湾川の上流にある雌阿寒岳のふもとから流れる河川水に、窒素、リン、カリウム、マグネシウム、カルシウムといった栄養素が多く含まれていることがラワンブキの巨大化と関係していた」とのことである。

2001年に「北海道遺産」に認定

北海道遺産とは、北海道民全体の宝物として選ばれた次世代に引き継ぎたい有形・無形の財産のことである。過去4回の選定が行われており、現在は合計で74件が登録されている。ラワンブキが登録されたのは、2001年10月22日に行われた第1回選定のときだ。それ以降、足寄町、JAあしょろ、あしょろ観光協会などの申し合わせにより、種苗の町外への持ち出しが禁止されている。

2. ラワンブキの食材としての特徴・魅力

ラワンブキ
ラワンブキは農作物として栽培もされている。特に足寄町農業協同組合が取得した「ラワンぶき」という商標が使われていることが多い。食材としてのラワンブキはシャキシャキとして美味しく、ミネラルや食物繊維なども多く含むという。ここでは、ラワンブキの食材としての特徴を確認しよう。

1.シャキシャキとして美味しい

ラワンブキは、シャキシャキとした食感、繊細な味わい、山菜らしい風味が特徴的な食べ物となっている。特に、6~7月頃の旬に採れる生のラワンブキは風味が豊かで非常に美味しいという。また、アクが少ないため調理がしやすく、山ブキと繊維が同じくらいなので食べやすいことも特徴だ。

2.ミネラルや食物繊維などが多い

ラワンブキは、ミネラルが豊富な場所で育つことも関係して、カルシウムやマグネシウムなどのミネラル分を多く含んでいる。また、食物繊維も多く、その量は「一般的なフキの約3倍多い」といわれている。このほかにポリフェノールも含んでおり、健康食材としても注目を集めているそうだ。

3. ラワンブキの基本的な下ごしらえ

ラワンブキ
市販のラワンブキには、生、塩漬け、水煮などいくつか種類がある。このうち生ラワンブキやラワンブキの塩漬けを調理する際には、以下のような下ごしらえをしておこう。

生ラワンブキの下ごしらえ・手順

1.ラワンブキを鍋に入る大きさに切る
2.大きめの鍋にお湯を沸かし、塩をひとつまみ入れる
3.沸騰したらラワンブキを入れて10~15分ほど茹でる
4.茹で終わったら取り出し、すぐに冷水に浸けて冷やす
5.ラワンブキの皮を剥いて、新しい冷水に半日程度浸ける
6.アクが抜けてからラワンブキの水気を拭き取れば完了

ラワンブキの塩漬けの下ごしらえ・手順

1.大きめのボウルに水を張っておく
2.塩漬けされたラワンブキを水に入れる
3.そのまま一晩(8時間程度)水に入れておく
4.塩気が抜けてからラワンブキの水気を拭き取れば完了

4. ラワンブキを使ったおすすめ料理

ラワンブキ
ラワンブキは山菜の一種として、天ぷらや肉詰め、おでん、炊き込みご飯などさまざまな料理に使われている。ここでは、ラワンブキを使ったおすすめ料理について確認しよう。

1.ラワンブキの天ぷら

生ラワンブキの食べ方として特におすすめなのが「天ぷら」だ。旬の時期には絶対に食べたい一品として紹介されることもある。サクサクとした衣の食感とシャキシャキとしたラワンブキの食感が絶妙にマッチして美味しい。カラッと揚げたものを塩や天つゆなどでシンプルに食べてみよう。

2.ラワンブキの肉詰め

ラワンブキの空洞に肉ダネを入れて「肉詰め」を作るのもおすすめだ。豚ひき肉や鶏ひき肉をベースにして肉ダネを作り、下ごしらえしたラワンブキの中に詰め込む。あとは鍋に煮汁を作っておき、そこに入れて煮るだけで出来上がりだ。ラワンブキはクセが少ないため、肉との相性もバッチリだ。

そのほかのラワンブキを使った料理

・ラワンブキの煮物
・ラワンブキのツナ炒め
・ラワンブキのきんぴら
・ラワンブキの中華サラダ
・ラワンブキの炊き込みご飯
・ラワンブキ入りクラムチャウダー など

5. ラワンブキのおすすめの保存方法

ラワンブキ
下ごしらえした生ラワンブキは、冷蔵保存だけでなく、冷凍保存することも可能だ。ここでは、冷蔵保存と冷凍保存のそれぞれのメリットとやり方について確認しよう。

1.ラワンブキの冷蔵保存のやり方

シャキシャキとしたラワンブキの食感を楽しみたいなら冷蔵保存がおすすめだ。冷蔵保存する場合は下ごしらえしたラワンブキを5cm幅にカットし、水を張った保存容器に入れてから冷蔵庫で保存すれば良い。水を毎日張り替えるようにすれば、1週間程度は美味しく食べることができる。

2.ラワンブキの冷凍保存のやり方

ラワンブキを長期保存したいなら冷凍保存がおすすめだ。冷凍保存する場合は、下ごしらえしたしたラワンブキを5cm幅にカットし、1食分を食品用ラップでしっかりと包む。さらに冷凍用保存袋に入れてから、冷凍庫で保存すれば良い。食べるときは解凍せずにそのまま加熱調理して使おう。

6. ラワンブキの代表的な購入場所

ラワンブキ
ラワンブキは6~7月頃に収穫されて、その後1年間かけて出荷される。主な商品には旬の時期にしか楽しめない生ラワンブキや、1年中流通しているラワンブキの塩漬けや水煮などがある。これらは、ネット通販や専門の販売所などで購入できるので探してみると良いだろう。

1.ネット通販

ラワンブキは、以下のようなウェブサイトで購入することが可能だ。

・JAあしょろ
・JAタウン
・楽天市場 など

ネット通販であれば5月末から6月末頃にしか販売されていない生ラワンブキをはじめ、ラワンブキの塩漬けや水煮なども購入することができる。また、JAあしょろのオンラインショップにはラワンブキの漬物やのり佃煮などの取り扱いもある。まずはこれらのサイトを確認してみるのがおすすめだ。

2.ふるさと納税

ラワンブキは、ふるさと納税の返礼品としても用意されている。ラインアップはラワンブキの水煮、ラワンブキの水煮缶、ラワンブキの佃煮セット、ラワンブキの炊き込みご飯の素セットなどとなっている。ふるさと納税制度を利用して、ラワンブキを手に入れるのも良いだろう。

3.生ブキ販売所

ラワンブキの産地である足寄町には、Aコープあしょろ、寄って美菜、永井農場といった生ブキを販売している店舗がいくつかある。いずれの店舗も直売期間は6月中となっている。もしこの時期に北海道に行くなら、こうした生ブキ販売所に足を運んでみるのも良さそうだ。

7. ラワンブキに関するよくある質問

ラワンブキ
最後に、ラワンブキに関するよくある質問・疑問に回答する。

Q1.本物のラワンブキはどこで見られる?

自生しているラワンブキを見たいなら、足寄町螺湾本町にある「螺湾ブキ鑑賞圃(ほ)場」に行くのがおすすめだ。約30kmある圃場にはラワンブキが一面に自生しており、足寄町の観光スポットとして有名となっている。大人でも葉っぱまで届かないため、アイヌの伝承である「コロポックル」を体験できる。見頃は6~7月頃で、それを過ぎると虫食いが目立つようになるので注意しよう。

Q2.ラワンブキの生産はどう行われている?

ラワンブキは6~7月頃に収穫期を迎え、JAあしょろにあるラワンブキ施設で加工などが行われているという。収穫期には1日あたり10tのラワンブキが運ばれ、すぐに生のまま出荷するか、塩漬けにするかなどの選別がされる。塩漬けされるものは大量の塩と一緒に貯蔵庫に入れられるという。このほか、水煮や漬物などの加工もラワンぶき施設で行われている。

Q3.ラワンブキの歴史はどうなっている?

ラワンブキの栽培が始まったのは1989年(平成元年)であり、翌年の1990年には育苗栽培による畑栽培が行われている。そして、2009年(平成21年)からは道内のスーパーで生ブキの販売が開始された。また、ラワンブキが「6次産業化施策」に認定されてからは、ラワンブキ商品の開発やPRなどが活発になっている。これらの結果、現在では全国的にも知名度がアップしている。

結論

日本一大きいフキである「ラワンブキ」は観光資源としても有名だが、食べ物としても美味しく食べることができる。生のラワンブキは6~7月頃しか手に入らないが、塩漬けや水煮などであれば1年中ネット通販で販売されている。もし興味があったら、一度ネット通販で探してみると良いだろう。
(参考文献)
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  • 公開日:

    2022年3月24日

  • 更新日:

    2022年10月25日

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