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天井から吊るされた、明るく光るたくさんのLED電球の写真

LED電球の寿命は何時間?何年?短命に終わる理由まで徹底解説!

投稿者:ライター 渡辺恵司(わたなべけいじ)

鉛筆アイコン 2021年12月 1日

いまや広く普及しているLED電球は省電力や長寿命が売りの製品だが、想定よりも早く寿命を迎えることもある。一般的にいわれているLED電球の寿命や、早々に使えなくなる理由とともに、眼精疲労を招くおそれがあるケースなども解説する。

  

1. LED電球の寿命は何時間?何年?

LED電球を交換しようとしている写真
照明器具に使用する電球にLEDを選ぶ方が増えている。白熱電球やハロゲン電球などと比べて高価ではあるものの、省電力・長寿命であることを考えるとコストパフォーマンスは高いと考えてのことだろう。実際のところ、どれくらい寿命があるのだろうか?

LED電球の寿命は時間にして約40,000〜50,000時間

  • LED電球:40,000〜50,000時間
  • 蛍光灯:6,000〜12,000時間
  • 白熱電球:1,000〜2,000時間
あくまで目安ではあるが、1日8時間使用した場合のLED電球の寿命は40,000〜50,000時間程度といわれている。ほかの電球と比べても長寿であることは一目瞭然だ。

LED電球の寿命を年数にすると10年超

1日あたり6時間点灯させた場合、LEDは6,666〜8,333日、年数に換算すると18年以上となる。8時間使用した場合でも5,000〜6,250日持つ計算になるので、10年は軽く超える。ちなみに蛍光灯は1,000〜2,000日なので2〜5年(1日6時間使用した場合)、白熱電球は166〜333日程度なので1年(同)持たずに寿命を迎えることになる。

2. 実際のLED電球の寿命は思いのほか短い?

明るく光るLED電球の写真
お伝えしたようにLED電球の寿命は40,000〜50,000時間とされており、年数にすると単純計算で10年を超える。だが実際に使ってみると思いのほか短いという話もある。これはどういうことなのだろうか?

LED電球の仕組みを理解しよう

LED電球には、電気を流すと発光する半導体が使用されている。簡単に説明するとP型・N型と呼ばれる2種類の半導体を結合させたものに電気を流すと、プラス・マイナスそれぞれの電気が衝突し発光する。白熱電球のようなフィラメントを使用しないため、劣化が起こりにくい。

40,000〜50,000時間はあくまで「理論上」

とはいえLED電球は劣化がなくても寿命を迎えることがある。上述した40,000〜50,000時間あるいは10年という数字はあくまで理論上のものであり、想定される時間を待たずして使えなくなることは大いにある。

光束維持率が70%を下回った時点で「寿命」という定義も

JIS C8157:2011によれば「既定の条件で電球形LEDランプを点灯したときの光束が初期光束の70 %以上を維持している期間」を寿命としている。すなわち最初の頃の明るさから70%未満に低下したLED電球は寿命を迎えたという考え方だ。同規格ではまた「寿命は、通常、製造業者等が、故障率と組み合わせて公表する」とも定義している。

3. LED電球が想定よりも早く寿命を迎えてしまう理由

いろいろな形状のLED電球の写真
LED電球が早々に寿命を迎えてしまう理由はさまざまあるが、もっとも大きな理由として考えられるのが「熱」である。

LED電球は熱に強くない

白熱電球などに比べて効率がよいLED電球だが、消費電力に対して光になるのはわずか30%だ。残り70%近くは熱になるのだが、実はLED電球は熱に強くない。明るい光が要求されればされるほど温度が上がり、とくに電源回路がダメージを受け不具合の原因となることがある。
とりわけ放熱しづらい密閉タイプの照明器具は、LED電球を使用すると電源回路が熱くなりやすいといわれている。こうしたことが原因で寿命を縮めてしまうことがある。

照明器具との相性が悪いことも要因のひとつになる

最近の照明器具は明るさを調節できるものも多いが、その場合は調光器対応タイプのLED電球を使う必要がある。逆もまたしかりで、明るさを調節できない照明器具に調光器対応タイプのLED電球を使うと、寿命が短くなることがあるといわれている。

湿度に弱いことも知っておこう

湿度が寿命に影響を与えることもわかっている。湿気が多い場所でLED電球を使用する場合は寿命が縮まることが考えられると思っておこう。

4. LED電球の寿命は白色とカラーで異なる?

白や青などいろいろな色のLED電球の写真
LED電球について色々と調べていくと、白色と有色(赤色や青色など)では寿命が異なると解釈されていることに気づくだろう。

白色LED電球の寿命とは?

詳しくは後述するが、LED電球には球切れがないため寿命がわかりにくい。では何をもって寿命と判断するのかというと、明るさである。つまり先ほど説明した「初期の明るさから70%に減少するまでの時間」が寿命ということになる。

有色LED電球の寿命とは?

一方、赤色や青色あるいは緑色といった有色LED電球においては「初期の明るさから50%に減少するまでの時間」を寿命とするよう定義されている。やや違いがあるので覚えておくとよいだろう。

5. LED電球は球切れによる寿命がない?点灯しなくなるのはなぜ?

点灯していないLED電球の写真
LED電球には球切れがないといわれているが、それは本当だろうか?本当だとすればなぜなのだろうか?

LED電球に「球切れ」はない

白熱電球のようなフィラメントを用いない。フィラメントとは細長い金属で白熱電球においては発光する部分だ。ここが焼ききれてしまうと球切れとなる。したがってフィラメントを用いないLED電球においては、球切れが存在しないことになる。

点灯しなくなった場合は故障の疑いがある

球切れがないはずのLED電球が突然点灯しなくなったという場合、劣化による寿命などではなく照明器具や回路の故障を疑ったほうがよいだろう。スイッチをオンにしてから点灯するまでに時間がかかるようになった、という場合は故障の前兆であることも考えられる。

6. LED電球が点滅するのは寿命のサイン?眼精疲労を招く前に買い替えを

コンクリートのような背景と、明るく光っているLED電球の写真
徐々に暗くなってきた頃がLED電球の寿命とお伝えしたが、暗くはないものの点滅してしまうといったケースもある。この場合の捉え方としては次の通りだ。

整流器の不具合である可能性が高い

LED電球には、電流を交流から直流へ変換するための整流器が用いられている。この整流器が不具合を起こすとLED電球が点滅することがある。

保証がなければ寿命と判断して買い替えを検討する

5年保証を導入している大手メーカーもあり、そうした商品でなおかつ保証期間内だった場合は無償で交換できる可能性が高い。だが保証がない(切れている)といった場合は有償による修理を選ぶよりも、寿命のサインとみなし速やかに買い替えるのが賢明だろう。

点滅するLED電球を使い続けると眼精疲労を招くリスクがある

点滅するLED電球の下で長時間過ごしていると、眼精疲労を招くおそれがある。人によっては頭痛や吐き気といった症状が見られることもあるという。修理できる場合もあるが、新たに購入するほうが安く済むケースも多い。
少しでも点滅が気になるときは、メーカー保証を確認するとともに、それでも解決しなければ買い替えを検討しよう。

7. LED電球の寿命を少しでも延ばすためにできることとは?

浴室の密閉型照明器具に取り付けられた、明るく光るLED電球のイメージ写真
すでにお分かりのように、LED電球は使い方などによって寿命が短くなることがある。少しでも長く使うためには「使用場所」や「使用している照明器具」に合うLED電球を選ぶことが大切だ。たとえば次のようなことを心がけよう。

密閉型の照明器具には「密閉器具対応」のLED電球を選ぶ

わざわざ「密閉器具対応」としているのには訳がある。放熱しづらい密閉型の器具で一般的なLED電球を使用してしまうと、熱がこもり寿命が短くなるといったトラブルを招くおそれがある。必ず使用する照明器具に合ったLED電球を選ぶようにしよう。

湿気の多い場所では「密閉器具対応」や「浴室用」のLED電球を選ぶ

直接水(お湯)がかかる可能性がある浴室はもちろんのこと、それ以外でも湿気が溜まりやすい場所などで使用する際は必ず密閉器具対応あるいは浴室用といったLED電球を選ぼう。水気によって基盤が不具合を起こせば、短命に終わってしまうことが考えられるので気をつけてほしい。

調光機能付きの照明器具には「調光器対応」のLED電球を選ぶ

調光機能が付いていない照明器具で使うのであれば「調光器非対応」、調光機能付きの照明器具で使うのであれば「調光器対応」といったように、必ずお使いの照明器具に適したLED電球を選ぶようにしよう。
調光機能付きの照明器具に、調光器非対応のLED電球を取り付けても点灯はするかもしれない。だが安全のため、少しでも寿命を延ばすため、万が一の際に補償をきちんと受けられるようにするためにも必ず適合するものを選んでほしい。

結論

長寿命が謳い文句のLED電球だが、使用する環境や照明器具次第では想定よりも早く寿命を迎えることがある。安くはないだけに、照明器具との適合性を見極めつつ、熱や湿気対策をしてできるだけ長く使おう。点滅が見られたら眼精疲労を招く前に買い替えをおすすめする。
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  • 公開日:

    2019年2月15日

  • 更新日:

    2021年12月 1日

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