目次
- 1. 湯煎とはどのような調理方法なのか?
- 2. 湯煎をするのはどんな料理のとき?
- 3. 湯煎のやり方|チョコレートや全卵など食材別に解説
- 4. 「缶詰」も湯煎で美味しくなる
- 5. 缶詰を湯煎する際の正しいやり方と注意点
- 鍋に水を入れて沸騰させる
- 火を止めて缶詰を入れる
- ちょうどよい温度になるまで待つ
- 火傷に注意しながら取り出す
1. 湯煎とはどのような調理方法なのか?

まずは「湯煎」とはどのような調理方法で、どういった効果や目的でおこなうものなのか、また「湯煎焼き」とは何が違うのかなどを解説していこう。
材料を「間接的に加熱する方法」が湯煎
一般的に湯煎とは、鍋で熱したお湯の中に、材料を入れたひと回り小さなボウルなどを浸し「間接的に材料を加熱する方法」である。レトルトなどは小さなボウルを使用せず、パウチのまま温めることがあるが、それも湯煎のひとつだ。
湯煎にはどんな効果や目的がある?
間接的に加熱することで食材がゆっくり、かつ均等に温まるという効果がある。焦げやすいもの、加熱するとすぐに固まってしまうものなどを温めるのにも向いている。また加熱以外に、保温を目的として湯煎することもある。
「湯煎焼き」とは何が違う?
オーブンでお菓子の生地を焼く際、バットの天板などに水をはって蒸し焼きするのが湯煎焼きである。チーズケーキや蒸し焼きプリンを作る際などによく用いられる。湯煎とは異なるので違いをきちんと理解しておこう。
2. 湯煎をするのはどんな料理のとき?

では、どういった料理をするときに湯煎が使われるのだろうか?
チョコレートやバター、ゼラチンを溶かしたいとき
上述のように、湯煎は焦げやすいものや火を通すと固まりやすいものなどを温めるのに適している。代表的なものがチョコレートやバター、ゼラチンなどを溶かしたいときだ。
ソースに「とろみ」をつけたいとき
食材にかける手作りソースなどにとろみをつけたいときも湯煎をする場合がある。
全卵を泡立てたいとき
ジェノワーズあるいはロールケーキ作りなどで共立て生地を作る際も、全卵を泡立てるために湯煎をする。
レトルト食品を温めるとき
我々が普段何気なくおこなっている、レトルト食品をパウチごとお湯が沸騰した鍋で加熱するのも湯煎である。
3. 湯煎のやり方|チョコレートや全卵など食材別に解説

それでは湯煎のやり方を解説しよう。
湯煎するために必要なもの
鍋と、それよりもひと回り小さなボウルを用意しよう。ボウルが小さすぎると鍋の中で動いてしまうなど安定感がない。お湯がボウルに入ってしまうこともあるため、小さすぎるボウルは控えよう。
逆に大きすぎても熱が十分伝わらないことがある。湯煎の前に、鍋とボウルのサイズを確認しておくことが大切だ。適当な鍋が見当たらないときは、フライパンを使う手もあるので覚えておこう。
チョコレートを湯煎する方法
細かく刻んだチョコレートをボウルに入れ、お湯をはった鍋に浸してじっくり溶かしていくだけだ。ただしチョコレートは焦げたり風味が飛んだりするため、温度調節や加熱加減(しすぎを控える等)に気を配ろう。
バターを湯煎する方法
バターを入れたボウルを、お湯をはった鍋に入れて徐々に溶かしていく。バターは冷えると固まってしまうため、使うタイミングに合わせて湯煎することが大切だ。
全卵を湯煎で泡立てる方法
ボウルに卵を割り入れグラニュー糖を加えたら、泡立て器で十分に混ぜ合わせる。そのボウルを、お湯をはった鍋に浸して泡立て器でさらに混ぜる。卵の温度が35〜36℃ほどになったら鍋からあげ、ハンドミキサーで泡立てれば完成だ。
湯煎に適した温度は?
沸騰したお湯を使うと加熱されすぎてしまう一方、温度が低くても時間がかかるなど温度調節が難しいのが湯煎である。材料や量、ボウルの素材などによって変わるが、目安として50〜55℃、高くても60℃くらいがよいだろう。なおチョコレートは45〜50℃程度でも十分だ。
4. 「缶詰」も湯煎で美味しくなる

缶詰も湯煎することで美味しくなる。レンジで温める方法もあるが、せっかくなので湯煎で美味しく温める方法も覚えておこう。その前に、まずはレンジと湯煎それぞれのメリット・デメリットをお伝えしておく。
缶詰をレンジで温めるメリット・デメリット
レンジのメリットは手軽に温められることである。短時間で効率的に加熱できるので時間がないときにもおすすめだ。一方デメリットとして、容器を移さなくてはいけないので洗い物が増える。また缶詰をレンジで加熱すると味や食感が変わることもある。
缶詰のまま加熱したりラップをかけずに加熱したりすると、レンジの故障につながる場合があるなど、取り扱いにも注意が必要だ。魚を加熱すると庫内に飛び散ることがあり、失敗したときの掃除が大変というリスクもある。
缶詰を湯煎で温めるメリット・デメリット
湯煎は缶詰の味や食感を損なわずに温めることができる方法だ。温めたあと缶のまま食べることができるので洗い物が少なくて済むのもメリットだろう。缶詰自体が温まるため保温効果が高いのも特徴だ。
ただしデメリットとしてレンジに比べ手間がかかる。鍋にお湯を沸かすのが面倒に感じる方もいるだろう。たしかに湯煎は温まるまでに時間がかかるため、 急いで食べたい方には向いていないかもしれない。
5. 缶詰を湯煎する際の正しいやり方と注意点

缶詰を美味しく食べるには湯煎がおすすめだが、正しい方法で行わないとお湯が吹きこぼれるなど失敗するおそれがある。正しい湯煎の手順と注意点を知っておこう。
缶詰を湯煎する際の正しいやり方
まずは鍋に、缶詰が浸かる程度の水を入れて火にかけよう。しっかり沸騰させるのがポイントだ。沸騰したら火を止めて缶詰をそのまま投入し、お好みの温度になるまで湯煎する。5分程度が目安となるだろう。あとは火傷に十分注意して取り出せばOKだ。
缶詰を湯煎するときの注意点
缶詰を湯煎するときは必ず「火を止めてから」入れることだ。火をつけたままだと吹きこぼれるなどして危険なので控えよう。またお湯の量が多すぎると、缶詰を入れたときにこぼれてしまうが、少なすぎてもすぐに冷めて缶詰が温まりにくい。温めたあとの缶詰は熱くなっているので、取り出す際はトングなどを利用して火傷を防ごう。
結論
湯煎のやり方そのものは難しくない。だが鍋とボウルのサイズを確認しておくこと、材料に適した温度を把握しておくことなどが重要だ。ちょっとしたところで成功するかしないかが決まってしまうと覚えておこう。食卓にもう一品追加したいときや、簡単なおつまみを用意したいときなどに、缶詰の湯煎を試してみてはいかがだろうか?
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