- 1. 「油染み」とはどのような汚れなのか?
- 2. 服の油染みを落とす前の注意点
- 3. 服についたばかりの軽い油染みの落とし方|食器用洗剤を使う方法
- 4. 服について時間が経った頑固な油染みの落とし方|クレンジングオイルを使う方法
- 5. 白い綿の服についた油染みには「煮洗い」も有効
- 6. 作業着などについた機械油の落とし方
- 7. 外出先で服に油染みがついたときの応急処置
- 8. どうしても落ちない服の油染みはクリーニングへ
- 染みの上に水を数滴(2〜3滴)垂らす
- 染みがにじんで広がれば水溶性
- 変化がなければ脂溶性(油溶性)
- ティッシュまたは汚れてもよい白い布など
- 食器用中性洗剤
- 桶や洗面器(なければ洗面ボウルなどでもOK)
- 捨ててもよい歯ブラシ(なければ洗濯用のブラシなど)
- 染みの上に付着している汚れ(食べかすなど)をティッシュで取り除く
- 桶にぬるま湯(液温は洗濯表示に従う)をはり、染みを5分ほど浸けておく
- 桶から取り出して油染みに直接食器用中性洗剤を数滴垂らす
- 優しく押したり揉んだりしてから歯ブラシで軽くこすり洗いをする
- 桶のぬるま湯が濁らなくなるまで、何度か入れ替えながらすすぐ
- 洗濯機でいつもどおりに洗濯する(手洗い指定の場合は手洗い)
- ティッシュまたは汚れてもよい白い布など
- クレンジングオイル
- 桶や洗面器(なければ洗面ボウルなどでもOK)
- 捨ててもよい歯ブラシ(なければ洗濯用のブラシなど)
- 染みの上に付着している汚れ(食べかすなど)をティッシュで取り除く
- 油染みの裏(服の中や下)にタオルを当ててクレンジングオイルを垂らす
- 優しく押したり揉んだり(または歯ブラシで軽くこすり洗いを)する
- 10分ほど置いておく
- 桶にぬるま湯をはり、濁らなくなるまで何度か入れ替えながらすすぐ
- 洗濯機でいつもどおりに洗濯する(手洗い指定の場合は手洗い)
- ティッシュまたは汚れてもよい白い布など
- 鍋
- 粉石鹸
- 菜箸(トング、火ばさみなど)
- ザル(ボウル、バケツなど)
- 染みの上に付着している汚れ(食べかすなど)をティッシュで取り除く
- 鍋でお湯を沸かし、沸騰したら粉石鹸を入れる(お湯1Lにつき大さじ1程度)
- 油染みがついた服やタオルを入れ、弱火にして10〜15分ほど煮る
- 火を消してある程度冷めたら、菜箸などでザルにあげる
- 汚れが残っているようなら固形石鹸を使って軽くもみ洗いをする
- 泡立たなくなるまでよくすすぎ、洗濯機で脱水させて乾かせば完了
- 大きめの桶(洗面器、洗面ボウルなど)
- 油汚れ専用洗剤
- 捨ててもよい歯ブラシまたは洗濯ブラシ
- 大きめの桶に60℃ほどのお湯をはる(液温は洗剤や素材などにもよる)
- 油汚れ専用洗剤を適量溶かし所定の時間(最長2時間程度)浸け置きする
- 歯ブラシまたは洗濯ブラシなどで油染みをこすり洗いする
- そのまま洗濯機へ入れて普段どおりに洗濯する
- ティッシュまたはペーパーナプキンなど
- 石鹸(お手洗いのハンドソープなどでもOK)
- 食品などの固形物があればティッシュでそっとつまんで取り除く
- 別のティッシュを油染みに押し当てるようにして吸い込ませる(こすらない)
- 油染みの裏側から別のティッシュを当てる
- さらに別のティッシュに、石鹸(ハンドソープ等)を含ませて軽く叩く
- 別のティッシュを濡らして軽く叩き、石鹸を拭き取る
- 別の乾いたティッシュで水分を取り除く
- 帰宅次第、速やかにいずれかの方法で洗う
- ※1:消費者庁「洗濯表示(平成28年11月30日まで)」
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/household_goods/guide/wash.html - ※2:消費者庁「洗濯表示(平成28年12月1日以降)」
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/household_goods/guide/wash_01.html
1. 「油染み」とはどのような汚れなのか?
洗剤に酸性・中性・アルカリ性といった液性があるように、汚れにもその性質によって種類がある。服についた油染みを効率よく落とすには、その性質を知ることが大切だ。
服につく染みは性質により3種類にわけられる
染み(シミ)は性質により、大きく「水溶性」「脂溶性(油溶性)」「不溶性」に分けられる。このうち油染みは、脂溶性(脂溶性)に含まれる。主な油染みとしてバターやチョコレート、油性ペンのインクや口紅、機械油による汚れなどが挙げられる。
油染みは脂溶性(油溶性)で水に溶けにくい
油染みは脂溶性(油溶性)の文字通り、油に溶ける性質がある一方で水には溶けにくい。水洗いだけで落ちにくいのにはこうした性質が関係している。なお水溶性の汚れはコーヒーやしょうゆ、果汁など、不溶性の汚れは泥やサビといった金属汚れのことである。
染みの種類を確認する方法
染みが水溶性だったときは、水を垂らすとにじむ。一方、脂溶性(油溶性)だったときは変化がない(水だけがにじんで広がっていく)。時間が経ってどの種類の染みかわからなくなったときは、こうした方法である程度判断できるので試してみよう。
ただし染みが乾いていると、たとえ水溶性であってもにじまないことがある。その場合は水を垂らして数分待ってから確認しよう。
2. 服の油染みを落とす前の注意点
服についた油染みをご家庭で処理する際、注意したいポイントがあるので先にお伝えしておこう。
洗濯表示は必ず確認すること
その服が水洗いOKの素材か、OKであれば液温の上限は何度かといった情報は必ず確認しておこう。色落ちやシワといった二次被害を防ぐためだ。
なお洗濯表示には平成28年11月30日までのものと、同12月1日からのものがある。まだまだ新旧混在している状態だ。アイコンや表記などが微妙に変化しているため、混乱してしまう方もいるだろう。消費者庁のホームページに詳しく書かれているので目を通しておこう。(※1)(※2)
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3. 服についたばかりの軽い油染みの落とし方|食器用洗剤を使う方法
洗濯表示を確認し、水洗いOKの服だった場合の落とし方について解説する。まずは、服についたばかりなどのごく軽い油染みだった場合の落とし方から見ていこう。
用意するもの
油染みの落とし方
ぬるま湯で油染みを緩ませてから食器用中性洗剤で落としていく。食器用中性洗剤には、本来混じり合うことのない「水」と「油」を結びつける界面活性剤が含まれている。この力を利用するというわけだ。
4. 服について時間が経った頑固な油染みの落とし方|クレンジングオイルを使う方法
続いて、時間が経った頑固な油染みの落とし方を解説する。やはり洗濯表示などは事前に確認しておこう。
用意するもの
油染みの落とし方
クレンジングオイルは軽い油染みにも有効だ。垂らして10分ほど待つことでしっかり浸透させる。服が濡れているとクレンジングオイルが弾かれるため、乾いた状態でやるのがポイントだ。
5. 白い綿の服についた油染みには「煮洗い」も有効
耐熱性がある素材でなおかつ白い綿の服、タオルなどは煮洗いで落とす手もある。ただしポリエステル(化学繊維)やウール(動物繊維)など、煮洗いに向かない素材もあるため色だけでは判断しないようにしよう。
用意するもの
煮洗いのやり方
煮洗いをしても油染みが残るようなら、洗濯用の酸素系漂白剤(原液)を数滴含ませて10〜30分ほど放置したのち、そのまま洗濯機へ入れて普段どおり洗濯してみよう。
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6. 作業着などについた機械油の落とし方
油染みの中でも厄介なのが、作業着などに付着する機械油だ。こちらは専用の洗剤を使うことで落としやすくなる。
用意するもの
機械油の落とし方
油染みを落とすための洗剤が販売されているので事前に用意しておこう。なお洗剤は商品ごとに使い方(適量や放置時間、適温など)が異なる場合があるため、パッケージに書かれている手順や注意点を優先していただきたい。
7. 外出先で服に油染みがついたときの応急処置
油染みは時間が経つと固着するため、迅速な対応がモノをいう。とはいえ外出先などですぐに対処できないこともあるだろう。服についた油染みに対する応急処置も紹介しておく。
用意するもの
油染みに対する応急処置のやり方
手順ごとに新しいティッシュを使うのがポイントだ。なければハンカチでも構わないが、その場合も手順ごとにキレイな部分を使おう。悪化を防ぐための応急処置であるため、これだけではキレイに落とせない。帰宅後は速やかに上述したいずれかの方法で落とそう。
8. どうしても落ちない服の油染みはクリーニングへ
時間が経ちすぎた油染みや、上述した方法で落ちない機械油などによる油染みは、それ以上セルフケアをしてもキレイにならないことが考えられる。何度も処理を繰り返すと素材を傷めるおそれもあるため、切り替えてクリーニングに出すことをおすすめしたい。
もちろんセルフケアをせず、最初からクリーニングに出してもよい。とくに大切な衣類に付いてしまった油染みは、早めにプロの手で処理をしてもらったほうが安心ということもあるだろう。
結論
服についた油染みは、落とし方さえ知っていればそれほど難しい汚れではない。だが応急処置をせずに時間が経ったり、誤った方法で汚れを広げてしまったりすると落ちにくくなるため注意しよう。正しい方法で迅速に対処できるように、基本的な知識は蓄えておきたいところだ。とにかく速やかに、かつキレイに落としたい方は最初からクリーニングに出そう。
(参考文献)
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