目次
1. ガスコンロの耐用年数はどれくらい?

まずは、そもそもガスコンロを処分する必要があるのかどうか、その判断基準から確認していこう。まずは耐用年数から解説する。
ビルトインタイプは10年が目安
一般的なビルトインタイプのガスコンロだった場合、耐用年数は10年が目安とされている。たとえ問題なく使えていたとしても、10年も使っていればさすがに各部品が劣化しているため、安全性という点でリスクがある。それにメーカーによる保守部品の生産もほぼ終了しているはずなので、調子が悪くなったときなどに修理にも出せない。
テーブルタイプは6年が目安
一方、据え置き型のテーブルコンロの耐用年数は6年が目安といわれている。同じく長く使っていると部品が劣化したり、保守部品の生産が終了していたりして安全に使えないおそれがある。
ただしケースバイケースである
10年や6年というのはあくまで「目安」であり、実際には使い方やお手入れの頻度、そのほかさまざまな要因で変わってくる。そのため、故障や寿命が近づいているときの症状について理解しておくことも大切だ。
2. ガスコンロの故障や寿命が近づいたときに見られる症状とは

ガスコンロを処分すべきかどうか、どこで判断できるだろうか?耐用年数の目安に関わらず、次のような症状が見られる場合は寿命が近づいているかもしれない。
火がつかなくなった
電池交換のみで済むケースもあるが、そうでない場合はゴム管が折れ曲がっていることでガスが十分に供給されていないことも考えられる。いずれも確認して問題ないのに火がつかないというときは故障が疑われる。速やかに使用を中止して点検を依頼しよう。
炎が途中で消えるようになった
やはり電池交換やガス管の折れ曲がりを直すことで解消すれば故障ではない。ガスコンロを掃除しておらず、バーナーキャップが目詰まりを起こしていることもある。いずれも当てはまらないときは故障のおそれがあるため、使用を中止して点検に来てもらおう。
炎の色が以前と変わった
バーナーキャップが目詰まりを起こし、十分ガスが燃焼していないことが考えられる。バーナーキャップのお手入れをして様子を見よう。また近くで加湿器を使っている場合、炎がオレンジ色になることがある。とくに問題ないとされてはいるが、加湿器を離すかガスコンロの使用中は停止しておくなどするとよいだろう。いずれにも該当しない場合は故障かもしれない。取扱説明書を確認し、解決しなければ点検を依頼しよう。
ガス臭や異音がする
使用中にガス臭がしたり、点火しようとしたときにカチカチなど大きな音がしたりする場合、燃焼不良を起こしているおそれがある。取扱説明書を確認し、解消しなければ使用を中止して速やかに点検を依頼しよう。なおガス臭がしたときは即座に換気扇を回し、窓を開けるなどして換気することだ。もちろん火気厳禁なので、くれぐれもご注意いただきたい。
3. ガスコンロの正しい処分方法6選

故障や寿命、あるいは単純に引っ越しなどでガスコンロを処分する際、どういった方法があるのかを見ていこう。
自治体の粗大ごみに出す
家電リサイクル法で定められている品目ではないため、基本的には自治体の「粗大ごみ」として処分できる。たとえば東京都港区であれば「1辺がおおむね30cm以上のもの」は粗大ごみとなり、ガスコンロの場合は400円かかる(※1)。こうした条件や料金は自治体ごとに異なるため、まずはホームページなどで確認するとよいだろう。
リサイクルショップに買い取ってもらう
年式が新しくキレイなガスコンロであれば、処分どころか買い取ってもらえる可能性もある。持ち込みももちろんOKだが、出張査定に来てくれるリサイクルショップもあるので、忙しい方などはそちらを利用するのもおすすめだ。
フリマアプリなどで売却する
必ず処分できるとは限らないうえ、売却まで時間がかかることも考えられるが、フリマアプリなどで売却する方法もある。ただし個人間の取引になるため、商品の状態や不具合の有無などは正しく伝えるとともに、お手入れをしてキレイな状態で出品するなどしてトラブルを防ごう。
家族や知人に譲る
まだまだ使えるガスコンロだった場合は、処分せず家族や知人に譲るといった選択肢もある。フリマアプリなどを使った個人間の取引よりは安心できるが、お手入れをしたり故障や不具合箇所の有無を点検したりしたあとで渡してあげよう。
引っ越し業者に処分してもらう
引っ越しにともなってガスコンロを処分するのであれば、引っ越し業者に引き取ってもらう手もある。ただし対応しているかどうかは業者によって異なるほか、無料か有料かも業者で違う。まずは確認してみよう。
販売店に引き取ってもらう
ガスコンロの買い替えにともなう処分であれば、新しいガスコンロを購入する店舗に引き取ってもらうのがもっともスムーズだろう。無料か有料かは店舗によって異なるため、事前に確認しておこう。
4. ガスコンロを処分する際の注意点

据え置き型のガスコンロを処分する際は取り外すことになるが、いくつか注意点があるため覚えておこう。
最初に必ず元栓を閉める
ガスコンロを外す際、必ず最初にガスの元栓を閉めるようにしてほしい。元栓を閉めずにガスホースを抜いてしまうとガスが充満するなどして大変危険だ。
ガスホースは無理に引き抜かない
ガスホースは元栓にしっかり密着している。簡単に抜けるようでは危険だからだ。そのため元栓からガスホースを抜く際に少々力が必要になる。だが無理に抜いてしまうと抜けたときの反動でケガをするリスクがあるため、ハサミやカッターなどで切り込みを入れてから引き抜くようにしよう。
火気厳禁、換気をしながら作業する
ガスは目に見えない。ごく少量だけ漏れていた場合なども、もしかするとにおいで気づけないこともある。そのため火の気は絶対に起こさないようにしよう。換気扇を回して窓を開けるなどし、通気性も確保した状態で作業にあたってほしい。
汚れやケガにも注意する
油汚れなどが手に付着する場合があるため、ゴム手袋を着用するとよいだろう。滑りやすくて危ないというときは、薄手のビニール手袋の上に軍手をするといった方法がおすすめだ。
ビルトインタイプは必ず業者に依頼する
ビルトインタイプのガスコンロを外したり交換したりするのは、有資格者にしかできない作業だ。したがって素人は絶対に手を出してはいけない。販売店やガス業者などに連絡をして外してもらおう。
5. ガスコンロの処分を違法業者に依頼するのはNG

ガスコンロの処分を不用品回収業者に依頼するという方法もある。だが中には違法業者もいるため、十分に注意してほしい。
違法業者とは?
一般家庭から排出される廃棄物はすべて「一般廃棄物」である。自治体から「一般廃棄物処理業」の許可を受けている、あるいは自治体から委託されている業者しか回収できない。似ているが「産業廃棄物」や「古物商」といった許可や免許では回収できないため気をつけよう。環境省も注意喚起しているが、町内を大音量で巡回したりチラシを配布したり、ネット広告で客を集めたりしている業者は違法業者の場合がある。
違法業者に処分を依頼するリスク
法外な料金を請求されたり不法投棄されたりするなどトラブルの要因にもなる。ガスコンロに限らずモノを処分する際は十分注意しよう(※2)。
6. 安全センサー非搭載のガスコンロは早めに処分や買い替えを

現在販売されているガスコンロには全口に「安全センサー」が搭載されている。調理油の過加熱による発火を防いだり、立ち消え(炎が燃えあがらず途中で消えてしまうこと)を防いだりするための安全装置だ。
2008年10月以前のガスコンロは注意が必要
全口への安全センサーの搭載が義務付けられたのは2008年10月からのものであり、それ以前は1口にしか搭載されていなかったり、まったく搭載されていなかったりするものもある。リサイクルショップなどに買い取ってもらうこともできないうえ、そもそも10年以上経過しているガスコンロということになる。安全のためにも速やかに処分するか、買い替えを検討しよう。
結論
ガスコンロの処分方法としては、やはり自治体の粗大ごみに出すのがもっとも安心だ。元栓を必ず閉めてから取り外しにかかろう。またビルトインタイプは有資格者しか行えないため、必ず業者を呼ぼう。違法業者による不法投棄は大きな社会問題だ。くれぐれも処分を依頼しないように気をつけてほしい。
(参考文献)
- 1:港区ホームページ/家庭から出る粗大ごみの出し方(※事前に「粗大ごみ受付センター」へのお申し込みが必要です!)
https://www.city.minato.tokyo.jp/gomigenryou/kurashi/gomi/kate/k-wakekata/sodaigomi.html - 2:環境省_廃棄物の処分に「無許可」の回収業者を利用しないでください!
https://www.env.go.jp/recycle/kaden/tv-recycle/qa.html
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