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炎を上げているガスコンロの写真

ガスコンロの寿命は何年?不調のサインや買い替えのタイミングを解説

投稿者:ライター 渡辺恵司(わたなべけいじ)

鉛筆アイコン 2021年12月20日

ガスコンロの寿命について、テーブルコンロとビルトインコンロに分け、不調のサインや対処方法なども交えながら解説する。ガスコンロの不具合や寿命といった兆候を見逃して使用し続けると、重大な事故につながることもあるため要注意だ。買い替える際のポイントや選び方、寿命を迎えたガスコンロの処分方法などとあわせて参考にしてほしい。

  

1. ガスコンロの寿命は何年?

テーブルコンロの写真
ガスコンロには大きく「テーブルコンロ」と「ビルトインコンロ」がある。まずは一般的にいわれている「寿命」について、さまざまな角度から見てみよう。

テーブルコンロの寿命は「5〜7年」程度

テーブルコンロは、引っ越しなどでも規格が合えば持ち運んで使い続けられるといったメリットがある。寿命は一般的に5〜7年が目安とされている。

ビルトインコンロの寿命は「10年」以上

システムキッチンに組み込まれているビルトインコンロは、テーブルコンロに比べると寿命がやや長めだ。一般的には10年がひとつの目安とされているが、20年以上使い続けられることも多い。

メーカーの部品保有期間終了にともなう寿命もある

各メーカーは故障などに備えて交換用のパーツを保有している。たとえばノーリツの場合、そのガスコンロの製造打ち切りから5年間といった具合だ(※1)。5年を超えても部品が残っていれば修理できるケースもあるが、なくなってしまえば修理できないため実質的に「寿命」を迎えてしまう。

使い方次第で寿命は長くも短くもなる

上記はあくまで目安である。使用頻度や使い方、お手入れの仕方などさまざまな条件によって寿命が変わってくる。丁寧に使用しお手入れもこまめにおこなっていれば寿命は延びるだろうし、そうでなければ縮むであろう。

乾電池やホースの寿命であれば交換するだけでOK

一般的にガスコンロは乾電池を使用するものが多い。電池の寿命であれば新品に交換するだけで復活する。またホースの劣化も同様に、新品に交換すればよい。本稿では「本体」の不調のサインや交換時期の目安をお伝えしていく。

2. テーブルコンロの不調のサインと買い替えの目安

白い背景と黒のテーブルコンロの写真
テーブルコンロに次のような症状が現れたときの対処方法や買い替えの目安について解説していこう。

点火しない/火の付きが悪い/火がすぐに消えてしまう

もっとも考えられるのが「電池切れ」だ。使用頻度などにもよるが、半年〜1年程度で電池が寿命を迎えることが多いため、ストックを用意しておくとよい。なお乾電池にはマンガンとアルカリがあるが、ガスコンロに使用するならアルカリがおすすめだ。マンガンは電力が弱いため、安全装置センサーへ十分な電流を送れず点火に失敗することがある。その点、アルカリはパワーがあり長持ちもする。
電池を交換しても解消されないのであれば、本体内部に何らかの異常が起こっていることも想定される。5〜7年など、長く使っているテーブルコンロであれば買い替えも検討しよう。

点火のとき「ボッ」という音がする

バーナーキャップが正しくはまっていなかったり、詰まっていたりすると、点火時に強い音が出ることがある。正しい位置にはまっているか確認しよう。汚れがあれば使い古しの歯ブラシなどを使って丁寧に掃除し、完全に乾かしてから再度、点火を試みてほしい。
いずれを試しても改善しなければバーナーキャップが腐食しているおそれもある。5〜7年使い続けている機種であれば、安全に使い続けるためにもメーカーや業者に点検を依頼するか、買い替えを検討しよう。

炎の色が安定しない/火力が思うように調節できない

同じくバーナーキャップがズレていたり詰まっていたりすると、炎の色がオレンジや黄など安定しなくなることがある。上述のとおり、正しくはめ直すか掃除をするなどして様子を見てみよう。

ガスのにおいがする

ソフトコード(ゴム管)の寿命は3〜4年ほどといわれている。正しくはまっているか確認するとともに、亀裂がないか、取り付け部に緩みがないかなどを確認しよう。亀裂が見られればガスコンロの使用を中止し、速やかに買い替えることだ。

3. ビルトインコンロの不調のサインと買い替えの目安

ビルトインコンロの写真
続いてビルトインコンロに起こる不調とその対処方法、買い替え時期の目安について解説する。とはいえ、基本的にはテーブルコンロと同じであると思ってよい。

点火しない/火の付きが悪い/火がすぐに消えてしまう

やはり電池切れを疑おう。こちらもアルカリがおすすめだ。電池交換しても不調が解消しなければ、点検・修理を依頼しよう。ビルトインコンロはシステムキッチンに組み込まれているため、容易に買い替えができないこともある。まずはメーカーに点検を依頼し、必要に応じて修理もしくは同サイズのビルトインコンロへの買い替えなどを検討するといった流れがよいだろう。

点火のとき「ボッ」という音がする

バーナーキャップを正しくはめ直しても解消しなければ、使い古しの歯ブラシなどで汚れを落とし、きちんと乾かしてから装着して試してみよう。バーナーキャップに腐食が見られれば、その部分のみ交換、もしくは10年以上使用している場合は点検・修理を依頼するか買い替えを検討しよう。

炎の色が安定しない/火力が思うように調節できない

同じくバーナーキャップがズレていたり詰まっていたりすると、炎の色がオレンジや黄など安定しなくなることがある。あるいは内部で何らかのトラブルが生じていることも考えられる。バーナーキャップをはめ直したり掃除をしたりしても解消しなければ、点検・修理を依頼しよう。

4. 寿命に関わらずガスコンロの不調は点検や買い替えを検討する

正常な炎のガスコンロの写真
おおまかな寿命としてテーブルコンロ5〜7年、ビルトインコンロ10年などとお伝えしてきた。だが冒頭でも触れたように、使用頻度や使い方、お手入れの仕方などさまざまな要因で寿命が変わる。年数に縛られず少しでも不調を感じたら点検や買い替えを検討してほしい。

一酸化炭素中毒や火災などのリスクが生じる

不完全燃焼によって一酸化炭素が発生すると、命に関わる重大な事故につながるおそれがある。無色・無臭の一酸化炭素は気づくのが遅れることも多く、大変危険だ。
またガス漏れが発生していることに気づかずにいた場合、部屋中にガスが充満し点火などのちょっとしたきっかけで爆発することも想定される。もちろん、その前にガスそのものを吸ってしまうリスクも大きい。

少しでも「不調」を感じたら使用を中止し点検を依頼しよう

目に見えないガスが相手だ。ガスコンロは必ず換気しながら使用するとともに、炎の色が安定しない、ガスのにおいがするといった異変があれば使用を中止し、窓を開けるなど換気を十分おこなったうえで速やかに点検を依頼してほしい。

5. ガスコンロの寿命を少しでも延ばすには?掃除のポイントも解説

掃除が行き届いているガスコンロの写真
ガスコンロは、使い方によって寿命を延ばせる(不用意に縮めずに済む)こともある。たとえば次のようなポイントに気をつけておこう。

吹きこぼしに注意する

鍋などを吹きこぼしてしまうと、バーナーキャップに汚れがこびり付いたり電気系統に影響を及ぼしたりすることがある。汚れてたらすぐに掃除して汚れを取り除こう(やけどにはくれぐれもご注意を)。

ガス台に重いものをのせないようにする

ガラス製の天板は掃除が楽といったメリットもあるが、鍋やフライパンを落とした衝撃などで割れてしまうことがある。天板だけの交換も可能だが数万円レベルの費用がかかるため、取り扱いには注意しよう。

こまめに掃除をする

【その日の汚れはその日のうちに落とす】

安全に使い続けるためにも、ガスコンロはこまめに掃除をしておくことが望ましい。調理をしたあとは毎回、天板などについた汚れを拭き取るといった日常的なお手入れをしておこう。

【2〜3カ月に1回は入念に汚れを落とす】

とくに意識したいのはバーナーキャップと排気口、点火プラグの掃除だ。日々のお手入れで落としきれなかった汚れがこびりついているため、使い古しの歯ブラシや重曹といったアイテムを駆使して頑固な汚れを落としておこう。定期的に入念な掃除をしておけば、ガスコンロにかかる負担は相当軽減するはずだ。

【掃除したあとはきちんと乾かすこと】

バーナーキャップや点火プラグが濡れていると着火しなくなる。水を使った掃除のあとは水分が残らないよう、完全に乾燥させることも忘れないようにしよう。

6. 寿命で交換する場合のガスコンロ(テーブルコンロ)の選び方

プロパンガスの写真
寿命を迎えてしまったテーブルコンロを自分で買い替える場合、どういったポイントに注意すべきかをお伝えしておこう。

「都市ガス用」と「LPガス用」がある

テーブルコンロやソフトコードには「都市ガス用」と「LPガス(プロパンガス)用」の2種類がある。さらに都市ガス用は「A12」「A13」に分かれている。お住まいの住宅がいずれのガスを使用しているのか事前に確認し、適合する機種およびソフトコードに買い換えよう。

安全機能が搭載されているものを選ぶ

「調理油加熱防止装置」「立ち消え安全装置」といった安全機能が搭載されている機種を選ぼう。これらは2008年から搭載が義務付けられたものなので、基本的に新品を購入すれば付帯しているはずだ。だがフリマアプリなどで中古のテーブルコンロを購入した場合、古い機種では搭載されていないこともある。製造年および安全機能の有無は必ず確認しよう。

サイズを測っておく

一般的なテーブルコンロのサイズは「59cm(標準幅)」だが、そのほかにも「56cm」といったコンパクトサイズがある。設置場所のサイズを測り、ピッタリ収まる機種を選ぼう。

強力バーナーの位置を確認する

テーブルコンロには大きな炎が出る「強力バーナー」と「標準バーナー」が搭載されている。火災などを防ぐ観点から、強力バーナーは壁から遠いほうに来るのを選ぶのが原則だ。意外と見落としがちなポイントなので、確認するのを忘れないようにしよう。

7. 寿命を迎えたガスコンロの正しい処分方法

古いテーブルコンロの写真
ガスコンロは、使い方によって寿命を延ばせる(不用意に縮めずに済む)こともある。たとえば次のようなポイントに気をつけておこう。

自治体の粗大ごみとして処分する

一般的に、テーブルコンロは「粗大ごみ」として処分するよう指定している自治体が多い。料金は自治体によって異なるので、お住まいの自治体のホームページなどで確認しておこう。

まだ使える場合は買い取ってもらえることもある

「寿命を迎えたガスコンロ」なので使える可能性は低いと考えられるが、仮にまだまだ使用可能という場合はリサイクルショップに買い取ってもらったり、フリマアプリで売却したりする方法もある。

不用品回収業者に依頼する際は「無許可」の業者に注意

ご家庭から排出されるごみは「一般廃棄物」である。不用品回収業者に依頼する際は、必ず自治体の「一般廃棄物処理業許可」を得ている、または自治体から委託を受けている業者に依頼しよう。「産業廃棄物処理業(収集運搬業)許可」や「古物商」などでは回収できないため覚えておこう。(※2)

8. 賃貸物件でガスコンロが故障したときはどうする?

青い炎が出ているガスコンロの写真
賃貸物件にお住まいの方で、ガスコンロが不調または故障してしまったという場合、どのような流れになるのかも確認しておこう。

テーブルコンロの場合

【自分で持ち込んだものなら自分で点検・修理を依頼する】

ガスコンロが据え置かれていない物件で、引っ越しの際に自分で購入するなどして持ってきたテーブルコンロだった場合は、メーカーなどに自分で連絡を入れて点検してもらおう。

【備え付けてあったものは大家または管理会社に連絡する】

入居時にすでにテーブルコンロが備え付けてあった場合は、大家または管理会社に連絡をしよう。

ビルトインコンロの場合

ビルトインコンロも同様に、大家や賃貸管理会社に連絡する。

契約書も確認しよう

備え付けてあったテーブルコンロまたはビルトインコンロの場合、経年劣化であれば賃貸人負担で修理や買い替えとなるケースが多い。ただし賃借人の不注意で故障させた場合などは、修理および買い替え費用を賃借人が負担しなければならないこともある。契約書の「付帯設備」といった欄に詳しく書かれているはずなので、念のため確認しておこう。

9. ガスコンロの寿命は使い方などで変わる!異変があったら速やかに点検を

業者がガスコンロを点検しているところの写真
テーブルコンロの寿命の目安は5〜7年、ビルトインコンロの寿命の目安は10年以上とお伝えしてきた。ただし使用頻度や使い方、お手入れの仕方などによって寿命は変わってくる。そのため、年数はあくまでひとつの目安程度に捉えたほうが賢明だ。
安全に使うためにも、点火しない、異臭(異音)がする、炎が安定しないといった不調を感じたら速やかに点検をお願いし、必要に応じて修理や買い替えを検討しよう。

結論

寿命はもちろん、不調をきたしているガスコンロを使い続けるとガス漏れや不完全燃焼による一酸化炭素中毒、火災など重大な事故につながるおそれがある。些細な不調でもガスコンロを購入したお店やメーカー、業者に連絡してすぐに点検してもらおう。
(参考文献)
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  • 公開日:

    2019年2月23日

  • 更新日:

    2021年12月20日

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