1. パセリとは?
パセリ(オランダゼリ)とは、セリ科オランダゼリ属の植物のこと。濃い緑色の色味と縮れた葉っぱが特徴的であり、強い苦味と独特な香りがする。このことから一般的には料理のアクセントや香り付けとして使われることが多くなっている。また、市販品には「乾燥パセリ」も多く販売されているため一般的な家庭でも使いやすい。特にグラタンやスープなど、洋食の仕上げに使われることが多い。
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2. パセリの基本的な栄養価
「日本食品標準成分表」には、生パセリと乾燥パセリの栄養価がそれぞれ収録されている。ここでは基本となる「パセリ(葉/生)」の100gあたりの栄養価を確認しておこう。
パセリ(生)の100gあたりの栄養価
・エネルギー:34kcal
・たんぱく質:4.0g
・脂質:0.7g
・炭水化物:7.8g
・脂肪酸
・飽和脂肪酸:0.12g
・一価不飽和脂肪酸:0.26g
・多価不飽和脂肪酸:0.11g
・ビタミン
・βカロテン:7400μg
・ビタミンD:0μg
・ビタミンE:3.3mg
・ビタミンK:850μg
・ビタミンB1:0.12mg
・ビタミンB2:0.24mg
・ナイアシン:1.2mg
・ビタミンB6:0.27mg
・ビタミンB12:0μg
・葉酸:220μg
・パントテン酸:0.48mg
・ビオチン:4.1μg
・ビタミンC:120mg
・ミネラル
・ナトリウム:9mg
・カリウム:1000mg
・カルシウム:290mg
・マグネシウム:42mg
・リン:61mg
・鉄:7.5mg
・亜鉛:1.0mg
・銅:0.16mg
・マンガン:1.05mg
・ヨウ素:7μg
・セレン:3μg
・クロム:4μg
・モリブデン:39μg
・食物繊維:6.8g
(・水溶性食物繊維:0.6g)
(・不溶性食物繊維:6.2g)
・たんぱく質:4.0g
・脂質:0.7g
・炭水化物:7.8g
・脂肪酸
・飽和脂肪酸:0.12g
・一価不飽和脂肪酸:0.26g
・多価不飽和脂肪酸:0.11g
・ビタミン
・βカロテン:7400μg
・ビタミンD:0μg
・ビタミンE:3.3mg
・ビタミンK:850μg
・ビタミンB1:0.12mg
・ビタミンB2:0.24mg
・ナイアシン:1.2mg
・ビタミンB6:0.27mg
・ビタミンB12:0μg
・葉酸:220μg
・パントテン酸:0.48mg
・ビオチン:4.1μg
・ビタミンC:120mg
・ミネラル
・ナトリウム:9mg
・カリウム:1000mg
・カルシウム:290mg
・マグネシウム:42mg
・リン:61mg
・鉄:7.5mg
・亜鉛:1.0mg
・銅:0.16mg
・マンガン:1.05mg
・ヨウ素:7μg
・セレン:3μg
・クロム:4μg
・モリブデン:39μg
・食物繊維:6.8g
(・水溶性食物繊維:0.6g)
(・不溶性食物繊維:6.2g)
3. パセリの特徴的な栄養素
日本では、パセリは料理の付け合わせや飾りとして使われることが多い。しかし、実は前述のようにパセリはビタミン類・ミネラル類・食物繊維などの栄養素を多く含んでいる。ここではそんなパセリが特に多く含んでいる栄養素について解説する。
栄養素1.ビタミン類
パセリはビタミンDやビタミンB12などは含んでいないものの、その他のビタミン類はバランスよく含んでいる。特にβカロテン(ビタミンA)やビタミンE、ビタミンK、葉酸、ビタミンCなどが豊富だ。これらのビタミン類は働きこそ違うが、それぞれ健康状態を保つために必要となっている。
【βカロテン】
パセリは、βカロテンを100gあたり7400μg含んでいる。βカロテンが多いことで有名なニンジンの含有量が6900μgであるため、パセリのβカロテン量の多さが伺える。βカロテンは体内ではビタミンAに変換されて、目や皮膚の健康状態を保つ働きをする。また、「抗酸化物質」の一種でもあるため、活性酸素の発生を抑えたり、取り除いたりする作用も有している(※2、※3)。
【ビタミンE】
パセリは、ビタミンEを100gあたり3.3mg含んでいる。ビタミンEは抗酸化作用が強いビタミンとして知られており、不飽和脂肪酸などを酸化障害から守る働きを有している。また、ビタミンEは代表的な「抗酸化ビタミン」の一種であり、活性酸素の働きを抑えたり、過酸化脂質の発生を防いだりする働きも持っている(※2、※3)。
【ビタミンC】
パセリは、ビタミンCを100gあたり120mg含んでいる。ビタミンCは、皮膚や細胞のコラーゲンを合成するのに欠かせないビタミンである。また、ビタミンCも抗酸化ビタミンの一種であり、ビタミンEと協力して活性酸素の働きを抑える役割を担っている(※2、※3)。
栄養素2.ミネラル類
パセリはビタミン類だけでなく、カリウム・カルシウム・マグネシウム・リン・鉄といったミネラル類も多く含んでいる。ミネラル類はそれぞれが互いに影響を与えながら、体内を健康な状態に保とうとする栄養素である。特にミネラル類の中でもカリウムや鉄などの含有量が多いという。
【カリウム】
パセリは、カリウムを100gあたり1000mg含んでいる。カリウムは、体内ではナトリウムを排出する役割を担っており、細胞の浸透圧を調整したり、塩分の摂り過ぎを調整したりするのに役立つ。特に日本人には塩分過多の人が多いので、カリウムは重要な栄養素の一つとされている(※2、※3)。
【鉄】
パセリは、鉄を100gあたり7.5mg含んでいる。鉄はヘモグロビンを構成する栄養素の一種であり、体内に酸素を正常に運搬するのに必要となる。鉄の摂取量が不足すると、体内に十分な酸素を送れなくなってしまう「鉄欠乏性貧血」などを引き起こすこともある(※2、※3)。
栄養素3.食物繊維
パセリは、食物繊維を100gあたり6.8g含んでいる。食物繊維は「第六の栄養素」と呼ばれており、体内では消化・吸収されないが腸の蠕動運動を活発にしたり、食後血糖値の上昇を抑えたりする働きがあるとされている。しかし、重要な栄養素でありながら、現代人は食物繊維が不足気味といわれている。そのため、パセリを含め野菜類やキノコ類などからしっかりと摂る必要がある(※2、※3)。
栄養素4.アピオール
パセリは独特な香りがするが、これは「アピオール」という香気成分によるものだ(※4)。アピオールには食欲増進をはじめ、さまざまな健康作用があるとされている。ただし、国立健康・栄養研究所は、有効性に関して「人においては信頼できる十分な情報が見当たらない」としている(※5)。
4. 生パセリと乾燥パセリの栄養価の比較
「日本食品標準成分表」には、乾燥パセリの栄養価も収録されている。乾燥させると水分量は5gまで少なくなるため、100gあたりの栄養価は相対的に高くなる。そのため、少量でもパセリの栄養素を補えるようになる。なお、乾燥パセリの主な栄養価は以下にまとめておく。
パセリ(乾燥)の100gあたりの主な栄養価
・エネルギー:341kcal
・たんぱく質:28.7g
・脂質:2.2g
・炭水化物:51.6g
・βカロテン:28000μg
・ビタミンE:7.2mg
・ビタミンC:820mg
・カリウム:3600mg
・カルシウム:1300mg
・鉄:18mg
・たんぱく質:28.7g
・脂質:2.2g
・炭水化物:51.6g
・βカロテン:28000μg
・ビタミンE:7.2mg
・ビタミンC:820mg
・カリウム:3600mg
・カルシウム:1300mg
・鉄:18mg
5. パセリの栄養面に関するよくある質問
ここまでパセリの栄養価や栄養素を詳しく解説してきた。しかし、まだ「パセリの糖質量はどれくらいか」「1日にどれくらい食べていいのか」などが気になる人もいるだろう。そこで最後に、パセリに関するよくある質問・疑問に回答する。
Q1.パセリの糖質量はどれくらい?
「日本食品標準成分表」には、パセリの糖質量は掲載されていない。しかし、100gあたりの炭水化物量が7.8gであり、食物繊維量が6.8gであるため、糖質量は1.0gであると算出できる。パセリの100gあたりのカロリーは34kcalであるため、パセリは低カロリー・低糖質の野菜といえるだろう。
Q2.パセリは1日にどれくらい食べていいの?
パセリの1日あたりの上限量は決められていない。しかし、パセリは栄養価が非常に高いため、1本程度(6g程度)でも多くの栄養素を摂ることが可能だ。例えば、ビタミンKの1食あたりの目安量は50g程度だが(1日あたり150g)、パセリ6gで51gを補うことができる(※2)。また、カリウムの含有量が多いため、腎臓疾患などがある人は摂り過ぎないように注意したがほうがよい(※6)。
結論
料理の飾りや香り付けとして使われることが多いパセリ。そんなパセリは実はビタミン類やミネラル類を多く含んでいる。そのため、香りや味が苦手でなければ、できる限り食べるほうが望ましいといえる。なお、別のページでは普段の食生活にも取り入れる方法を紹介しているので、ぜひそちらもチェックしてみよう。
【参考文献】
※1:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
※2:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年)」
※3:e-ヘルスネット「トップページ」
※4:CiNii「野菜類の脂質成分に関する研究(第30報) : パセリの脂質について」
※5:国立健康・栄養研究所「パセリ (パセリ油)」
※6:腎臓ネット「C.食事中カリウム制限の実践と問題点」
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