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【管理栄養士監修】ズッキーニの栄養素を解説!キュウリとの比較も!

【管理栄養士監修】ズッキーニの栄養素を解説!キュウリとの比較も!

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 中山沙折(なかやまさおり)

鉛筆アイコン 2021年12月 6日

キュウリのような見た目が特徴の「ズッキーニ」。そんなズッキーニは、実は「カボチャ」の仲間であり、キュウリよりも全体的に栄養価は高くなっている。今回は文部科学省の「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」などを参考に(※1)、ズッキーニの栄養価・栄養素を詳しく解説する。

  

1. ズッキーニとは?

ズッキーニは、キュウリを大きくしたような見た目が特徴的ではあるが、実はウリ科カボチャ属の植物であり「カボチャ」の仲間である。大きく「グリーンズッキーニ」と「イエローズッキーニ」があり、お店でよく見かけるグリーンズッキーニはやや青臭く、食感は生だとカボチャっぽく、炒めるとナスっぽくなる。サラダ・炒め物・ソテー・スープなど、さまざまな料理に使うことができる。
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2. ズッキーニの基本的な栄養価

「日本食品標準成分表」には、生のズッキーニの栄養価が収録されている。そこで以下に、100gあたりの「ズッキーニ(果実/生)」の栄養価をまとめておく。

ズッキーニ(生)100gあたりの栄養価

  • エネルギー:16kcal
  • たんぱく質:1.3g
  • 脂質:0.1g
  • 炭水化物:2.8g
  • 脂肪酸
     ・飽和脂肪酸:0.03g
     ・一価不飽和脂肪酸:Tr
     ・多価不飽和脂肪酸:0.03g
  • ビタミン
     ・βカロテン:310μg
     ・ビタミンD:0μg
     ・ビタミンE:0.4mg
     ・ビタミンK:35μg
     ・ビタミンB1:0.05mg
     ・ビタミンB2:0.05mg
     ・ナイアシン:0.4mg
     ・ビタミンB6:0.09mg
     ・ビタミンB12:0μg
     ・葉酸:36μg
     ・パントテン酸:0.22mg
     ・ビオチン:2.7μg
     ・ビタミンC:20mg
  • ミネラル
     ・ナトリウム:1mg
     ・カリウム:320mg
     ・カルシウム:24mg
     ・マグネシウム:25mg
     ・リン:37mg
     ・鉄:0.5mg
     ・亜鉛:0.4mg
     ・銅:0.07mg
     ・マンガン:0.15mg
     ・ヨウ素:Tr
     ・セレン:Tr
     ・クロム:1μg
     ・モリブデン:6μg
  • 食物繊維:1.3g
     (・水溶性食物繊維:0.2g)
     (・不溶性食物繊維:1.1g)

3. ズッキーニに含まれる特徴的な栄養素

前述のとおり、ズッキーニは低カロリーであることに加え、ビタミン類・ミネラル類・食物繊維などをバランスよく含んでいる。中でも注目したいのが、ビタミンK、ビタミンC、βカロテン(ビタミンA)、カリウムという4つの栄養素だ。ここでは、そんなズッキーニの栄養素の特徴を紹介する。

その1.ビタミンK

ズッキーニは、100gあたり35μgのビタミンKを含んでいる。ビタミンKは、血液凝固や丈夫な骨作りに関与しており、動脈の石灰化を抑制する作用もある。成人男性(18~64歳)の1日あたりの摂取目安量は150μgであり、ズッキーニを100g食べると23%程度補える。なお、健康な人が通常の食事をしている分には、「ビタミンKが不足することはない」といわれている(※2)。

その2.ビタミンC

ズッキーニは、100gあたり20mgのビタミンCを含んでいる。ビタミンCは、皮膚や骨、腱などのコラーゲンを生成するのに必要なビタミンである(※2)。また、抗酸化ビタミンの一種であり、体内の活性酸素を取り除いたり、過酸化脂質の生成を抑えたりする働きを有している(※3)。成人男性(18~64歳)の1日あたりの摂取推奨量は100mgで、ズッキーニ100gで20%程度を補うことが可能だ。

その3.βカロテン

ズッキーニは、100gあたり310μgのβカロテンを含んでいる。βカロテンは、体内ではビタミンAに変換されて、目や皮膚の健康を保つ働きをする(※2)。また、βカロテンも「抗酸化作用」を有するため、体内の活性酸素の発生を抑えたり、取り除いたりする働きがある(※3)。なお、「日本人の食事摂取基準」ではβカロテン単体での必要量は定められていない。

その4.カリウム

ズッキーニは、100gあたり320mgのカリウムを含んでいる。カリウムは、細胞の浸透圧の調整に関与する栄養素であり、ナトリウムを排出する働きも有している。そのため、特にナトリウム(食塩)の摂取量が多い日本人にとっては重要な栄養素といわれている。成人男性(18~64歳)の1日あたりの摂取目標量は3000mg以上であり、ズッキーニ100gで10%程度補うことができる。

4. ズッキーニとキュウリとの栄養面の違い

ズッキーニはキュウリと似ている野菜ではあるが、栄養面にはどのような違いがあるのだろうか。前述した、カリウム、βカロテン(ビタミンA)、ビタミンK、ビタミンCの栄養価を比べてみよう。

ズッキーニとキュウリとの栄養価の比較

  • ズッキーニ:カリウム320mg、βカロテン310μg、ビタミンK35μg、ビタミンC20mg
  • キュウリ:カリウム200mg、βカロテン330μg、ビタミンK34μg、ビタミンC14mg

カリウムの含有量はズッキーニが多い

4つの栄養素を比較してみると、カリウム、ビタミンK、ビタミンCの含有量はズッキーニのほうが多い。特にカリウムの含有量は多く、キュウリの1.6倍となっている。一方で、βカロテンの含有量はキュウリのほうがやや多い。なお、このほかの栄養価もほとんど同じくらいとなっている(※1)。
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5. ズッキーニの栄養素を上手に摂るコツ

ズッキーニには、カリウム、βカロテン、ビタミンK、ビタミンCといった栄養素が多く含まれている。そんなズッキーニの栄養素を効率よく摂るためのコツについても確認しておこう。

コツ1.油炒めなどで吸収率アップ

ズッキーニは生食も可能だが、βカロテンやビタミンKなどを効率よく吸収するために油炒めなどにするのがおすすめ。これらの栄養素は脂溶性ビタミンと呼ばれており、食用油と一緒に摂ると効率よく吸収できる。また、ズッキーニのフライ、フリッター、天ぷらなどもおすすめとなっている。

コツ2.スープ・汁物などもおすすめ

ズッキーニに含まれるビタミンCやカリウムは水溶性の栄養素であるため、長く水に浸けたり、茹でたりすると栄養素が流出してしまう(※4)。しかし、スープや汁物などにすれば、水(お湯)に溶け出した栄養素も摂れる。スープまで美味しく食べて、ズッキーニの栄養素を残さず摂ろう。

6. ズッキーニの栄養に関するよくある質問

ここまでズッキーニの栄養価や栄養素などについて詳しく解説してきた。しかし、まだ「ズッキーニの糖質量がどれくらいなのか」「1日にどの程度食べていいのか」などが気になる人もいるだろう。そこで最後にズッキーニの栄養面に関するよくある質問・疑問に回答しておこう。

Q1.ズッキーニの糖質量はどれくらい?

前述の栄養価の一覧にはないが、ズッキーニの100gあたりの糖質量は1.5g程度(炭水化物2.8g-食物繊維1.3g)となっている。そのため、低カロリーというだけでなく、低糖質な野菜ともいえる。糖質制限を行っている人にとっても、おすすめの野菜といえるだろう。

Q2.ズッキーニは1日にどれくらい食べていいの?

ズッキーニの1日あたりの上限量は特別決められていない。しかし、厚生労働省が始めた「健康日本21」によれば(※5)、1日に野菜を350g以上(緑黄色野菜120g、その他の野菜230g)食べることが目標とされている。このうち、ズッキーニは「その他の野菜」に含まれるため、他の淡色野菜と合わせて230g以上を目安に食べるようにしよう。

Q3.ズッキーニの苦味が強いが食べられる?

苦味や渋みが異常に強いズッキーニは破棄したほうがよい。一般的に出回っているズッキーニは苦味や渋みが少ない。しかし、中にはウリ科に含まれる「ククルビタシン」と呼ばれる苦味成分が多いズッキーニもあるという。また、このククルビタシンは食中毒の原因になり、下痢・嘔吐・腹痛などを引き起こす可能性がある。そのため、強い苦味や渋みを感じた場合は食べずに捨てよう(※6)。

結論

ズッキーニは、低カロリー・低糖質であることに加えて、ビタミン類・ミネラル類・食物繊維などをバランスよく含んでいる。特にビタミンK、ビタミンC、βカロテン、カリウムなどの栄養素の含有量が多い。いずれも大切な栄養素なので、ズッキーニを上手に日々の食生活に取り入れてみよう。
【参考文献】
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  • 公開日:

    2017年2月25日

  • 更新日:

    2021年12月 6日

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