1. レタスってどんな野菜?

レタスとは、地中海原産のキク科アキノノゲシ属の植物の一種であり、玉レタス(結球レタス)・サラダ菜・リーフレタス・立ちレタス・掻きレタスなどの総称のこと。日本でレタスといえば一般的に玉レタスのことを指し、和名では「チシャ」と呼ばれる。今では食用として当たり前に食べられていたが、かつての古代ギリシャではレタスは「媚薬」として使われていたという。
レタスの主な種類には何がある?
- 結球レタス:葉先まで重なりあっているタイプ(玉レタス・サラダ菜など)
- 葉レタス:葉が重なっていないタイプ(サニーレタス・フリルレタスなど)
- 立ちレタス:細長くてやや結球しているタイプ(コスレタスなど)
- 茎レタス:主に茎部分を食用とするタイプ(ステムレタスなど)
- 掻きチシャ:茎レタスの葉を千切って食べるタイプ(サンチュなど)
2. レタスの基本的な栄養価

「日本食品標準成分表」には、普通の玉レタスをはじめ、サラダ菜、リーフレタス、サニーレタス、コスレタス(ロメインレタス)、サンチュなどの栄養価が収録されている。また、玉レタスは土耕栽培と水耕栽培をそれぞれ収録。このうち基本となる「土耕栽培の玉レタス」の栄養価を紹介する。
レタス(土耕栽培/生)100gあたりの栄養価
- エネルギー:11kcal
- たんぱく質:0.6g
- 脂質:0.1g
- 炭水化物:2.8g
- 脂肪酸
・飽和脂肪酸:0.01g
・一価不飽和脂肪酸:Tr
・多価不飽和脂肪酸:0.03g - ビタミン
・βカロテン:240μg
・ビタミンD:0μg
・ビタミンE:0.3mg
・ビタミンK:29μg
・ビタミンB1:0.05mg
・ビタミンB2:0.03mg
・ナイアシン:0.2mg
・ビタミンB6:0.05mg
・ビタミンB12:0μg
・葉酸:73μg
・パントテン酸:0.2mg
・ビオチン:1.2μg
・ビタミンC:5mg - ミネラル
・ナトリウム:2mg
・カリウム:200mg
・カルシウム:19mg
・マグネシウム:8mg
・リン:22mg
・鉄:0.3mg
・亜鉛:0.2mg
・銅:0.04mg
・マンガン:0.13mg
・ヨウ素:1μg
・セレン:0μg
・クロム:0μg
・モリブデン:Tr - 食物繊維:1.1g
(・水溶性食物繊維:0.1g)
(・不溶性食物繊維:1.0g)
3. レタスに多く含まれている栄養素

前述のとおり、実はレタスはビタミン類・ミネラル類・食物繊維などをバランスよく含んでいる。特にビタミンK、葉酸などのビタミンB群、カリウムなどの含有量は多い。そこでレタスに多く含まれているこれらの栄養素についても詳しく確認しておこう。
その1.ビタミンK
玉レタスは、ビタミンKを100gあたり29μg含んでいる。ビタミンKは、血液凝固や丈夫な骨作りなどに関与しているビタミンとして知られている。健康な人が通常の食事をしている場合は不足する心配はないが、不足すると血液凝固などに悪影響が出る可能性もある。成人男性(18~64歳)の1日あたりの目安量は150μgであり、玉レタス100gで約20%を補うことが可能だ(※2)。
その2.ビタミンB群
玉レタスは、ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、ビタミンB6などのビタミンB群も含んでいる。特に葉酸の含有量は多く、100gあたりの数値は73μgとなっている。 葉酸はDHAやRNAの合成に関与しているほか、赤血球の産生にも関わっているため「造血ビタミン」と呼ばれている。成人男性(18~64歳)の1日あたりの平均推定必要量は200μg、推奨量は240μgである(※2)。
その3.カリウム
玉レタスは、カリウムを100gあたり200mg含んでいる。カリウムにはナトリウムを排出し、細胞の浸透圧を調整する働きがある。このことから、普通の生活を送っている分には不足しないとされているが、塩分の摂取量が多い日本人にとっては重要な栄養素の一つとなっている。成人男性(18~64歳)の1日あたりのカリウムの目安量は2500mg、目標量は3000mgである(※2)。
その4.食物繊維
玉レタスは、食物繊維を100gあたり1.1g含んでいる。「第6の栄養素」ともいわれている食物繊維は、体内で消化・吸収されずに大腸まで到達する成分である。そして、大腸を刺激してぜん動運動を活発にしたり、糖質の吸収を緩やかにして食後血糖値の上昇を抑えたりするという(※3)。成人男性(18~64歳)の1日あたりの目標量は21g以上となっている(※2)。
4. レタスの栄養素を上手に摂るコツ

レタスは葉酸、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンK、カリウム、食物繊維などを含んでいるが、これらの栄養素を上手に摂りたいなら調理方法などを工夫するとよい。また、レタスは淡色野菜の1種であるため、ほかの淡色野菜と合わせて1日に230g程度食べるようにしよう。
コツ1.油と一緒に食べるようにする
レタスに含まれるβカロテン・ビタミンE・ビタミンKなどは脂溶性の成分であるため、食用油などと一緒に摂ると吸収率がアップする。そのため、サラダなどのように生食で食べるときは、ドレッシングやマヨネーズなどと一緒に食べるのがよい。また、レタスを炒め物などの具材に使うのもおすすめである。ただし、油の使い過ぎは脂質過多になる可能性があるため注意しよう。
コツ2.ほかの淡色野菜と一緒に食べる
レタスの1日あたりの摂取量や上限量は定められていない。しかし、厚生労働省が策定した「健康日本21」によれば(※4)、レタスなどの淡色野菜は1日あたり230g以上食べるように目標が設定されている。そのため、玉ねぎ、キャベツ、白菜、もやしといったほかの淡色野菜と合わせて、レタスを1日に230g以上食べるようにしよう。
5. レタスに関するよくある質問

ここまでレタスの栄養面について詳しく解説してきた。しかし、まだレタスについて知りたいこともあるだろう。そこで最後に、レタスに関するよくある質問・疑問に回答しておこう。
Q1.レタスの旬はいつ頃なの?
玉レタスは通年流通している野菜ではあるが、旬は夏頃(6~9月頃)となっている。また、日本全国で生産しており、茨城県や兵庫県などは春頃(春レタス)に、長野県や群馬県などは夏頃(夏秋レタス)、静岡県や香川県などは冬頃(冬レタス)に多く出荷している。特に長野県と茨城県で多く生産されており、全国の収穫量の半分程度を占めている(※5)。
Q2.レタスはどう保存すればいい?
レタスは傷みやすいため、できるだけ早く食べ切るのが望ましい。しかし、食べ切れない場合は、野菜室などで冷蔵保存するのがおすすめだ。冷蔵庫で保管するときは乾燥対策が重要になるため、湿ったキッチンペーパーで包んでからビニール袋に入れて保管するとよい。また、みずみずしさは失われてしまうが、長期保存したいなら適当な大きさに千切ってから冷凍庫に入れて保管しよう。
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結論
レタスはみずみずしいだけでなく、実はビタミン類・ミネラル類・食物繊維なども多く含んでいる。また、脂質や炭水化物が少なく低カロリーであるため、ダイエットや食事制限などを行っている人にとってもおすすめの食材の一つでとなっている。一年中手に入る野菜の一つなので、上手に日々の食生活に取り入れてみよう。
【参考文献】
- ※:農畜産業振興機構「野菜ブック レタス」
https://www.alic.go.jp/content/001162829.pdf - ※1:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
https://fooddb.mext.go.jp/ - ※2:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年)」
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf - ※3:e-ヘルスネット「食物繊維の必要性と健康」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-001.html - ※4:厚生労働省「健康日本21」
https://www.mhlw.go.jp/www1/topics/kenko21_11/b1.html#A13 - ※5:農林水産省「作況調査(野菜)」
https://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/sakumotu/sakkyou_yasai/index.html
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