1. じゃがいもについて知ろう!

じゃがいもはいろいろな料理の具材となる定番の野菜である。そのため出番も多く、レシピ以外にも選び方や保存方法、そして皮や芽の取り除き方などについてよく知られている。じゃがいもの種類や産地について詳しく解説する前に、ここでは歴史や栄養などについておさらいしたい。
じゃがいもの歴史
じゃがいもの発祥は南米ペルー南部のチチカカ湖畔だと言われている。15~16世紀にヨーロッパへ伝わり、日本への伝来は1598年。明治維新後(1877年以降)に北海道を開拓するために大々的に栽培されるようになった。
じゃがいもに含まれる栄養
- ビタミンC~皮膚の健康に欠かせない美肌の栄養素
- カリウム~むくみの解消や高血圧予防に効果あり
- 食物繊維~便秘の解消、腸内環境の改善
じゃがいものニックネーム
「馬鈴薯(ばれいしょ)」という呼び方を聞いたことがあるだろう。馬鈴薯もじゃがいもを指すが、種類ではなくじゃがいもの別名である。中国語でじゃがいもを馬鈴薯と書き、「マーレイシォ」と発音する。
じゃがいもの皮
じゃがいもと言えば、通常薄茶色の皮をイメージするだろう。しかし、世界にはいろいろなじゃがいもが存在する。じゃがいもの皮の色は、大きく分けて3色。お馴染みの薄茶色、そして紫と赤である。後の項目でじゃがいもの種類について詳しく解説するので、皮の色にも注目していただきたい。
2. じゃがいもの種類

では、ここからはじゃがいもの種類について見ていこう。見た目は似ていても、種類によって食感や味は異なる。料理や調理方法ごとに使い分けると、じゃがいもをより一層美味しくいただけるかもしれない。じゃがいもの品種はかなり多いため、ここでは一部のみ紹介する。
皮が薄茶色のじゃがいも
- 男爵
日本のじゃがいもツートップのひとつ。粉質が強く、ホクホクさナンバーワン。加熱料理に向くため、じゃがバター、ポテトサラダ、コロッケにおススメ。 - メークイン
男爵に並ぶ定番のじゃがいも。粘質が強く、荷崩れしにくいという特徴を持つ。じっくりと煮込む煮物やおでんに最適。 - キタアカリ
男爵に他の品種のじゃがいもを交配して作られた品種。ホクホク感と甘みが強いことで知られている。粉ふきいもやポテトサラダにおススメ。 - インカのめざめ
アメリカや南米アンデス地域の品種などを掛け合わせて作られた新しい品種で、果肉の黄色みが強いという特徴を持つ。煮ても崩れにくく、カレーなどに適す。 - インカのひとみ
インカのめざめが自然交雑実生から作られたもの。その他の特徴はインカのめざめと同様。
上で紹介した代表的なもののほか、「ひかる」「ホッカイコガネ」「とうや」「はるか」などもある。
皮が紫色のじゃがいも
- インカパープル
濃い紫色の皮と紫がかった乳白色の果肉を持つ。加熱すると青っぽくなるため、調理法には注意が必要。 - キタムラサキ
皮も果肉も紫色のじゃがいも。煮物におススメ。 - シャドークイーン
キタムラサキを改良し、より濃い紫色が特徴。
「ジャガキッズパープル」や「タワラムラサキ」といった品種もある。
皮が赤色のじゃがいも
- レッドアンデス
粉質で甘みが強い。崩れやすいため、潰す調理に向く。 - レッドムーン
ほんのりとした甘みが特徴。粘質が強く、煮込み料理に適す。 - ベニアカリ
でんぷん質が多い。マッシュポテトやコロッケなど、潰す調理がおススメ。 - ノーザンルビー
皮だけでなく果肉も赤いじゃがいも。煮物やスープ、フライドポテトにも。
皮が赤いじゃがいもは意外と多く、ここでは紹介しきれなかったが、「ジャガキッズレッド」「・アイノアカ」「さやあかね」「シェリー」「スタールビー」などもある。
3. じゃがいもの産地

じゃがいもの種類がいかに豊富かご理解いただけただろうか?では、最後にじゃがいもの産地について解説する。日本では広大な大自然を誇るあの場所が有名だが、世界ではどうだろう?
日本のじゃがいも産地
農林水産省の調査によると、日本で一番多くじゃがいもが生産されている都道府県は北海道である。予想通りの結果だと思うが、驚くのはその割合である。日本全国で作られるじゃがいものうち、なんと77.5%が北海道で作られているのだ。ちなみに、2位長崎県(4.6%)、3位鹿児島県(3.6%)、4位茨城県、5位千葉県と続く。じゃがいもは涼しい気候を好むため北海道の生産量がダントツだが、日本に初めてじゃがいもが持ち込まれた長崎では暖地向けの品種が育成され、鹿児島を含む周辺地域では二期作のものが作られている。ちなみに、北海道で生産されるじゃがいもの多くには、「キタアカリ」「とうや」など北海道に因んだ名称がつけられている。
世界のじゃがいも産地
じゃがいもは世界中で食べられているため、多くの国で作られている。世界一生産量が多い国は、中国で、2位インド、3位ロシア、4位ウクライナ、5位アメリカと続く。人口の差はあるものの、日本の年間生産量約240万トンに対し、中国はなんと8800万トン以上というから驚きである。ちなみに、某ファーストフード店のフライドポテトは、アメリカのオレゴン州とワシントン州で作られたじゃがいもを主に使用しているとウェブサイトで公表している。
結論
じゃがいもの種類と原産地について解説した。「思っていたよりも品種が多い」という感想を持たれたのではないだろうか?料理や調理方法ごとに適した品種があることを知り、料理の美味しさをアップさせてほしい。ちなみに、静岡県三島市のご当地グルメ「みしまコロッケ」は、箱根で生産された三島馬鈴薯を使って作る、サツマイモのような甘さを持つコロッケだ。お試しあれ。
この記事もCheck!