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世界が注目する【こんにゃく】の歴史。由来から製造法まで徹底解説!

世界が注目する【こんにゃく】の歴史。由来から製造法まで徹底解説!

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

鉛筆アイコン 2021年5月20日

料理の名脇役ともいえるこんにゃく。普段あまり気に留めることもないが、鍋やおでんの具材に、時には刺し身こんにゃくのように単品でも食べられる便利な食品である。こんにゃくの歴史や製造法、種類について調べてみた。

  

1. こんにゃくの歴史

こんにゃくの原料であるこんにゃく芋はタイやマレーシア、ミャンマーなどの東南アジア諸国が原産国である。そこから日本にどのように伝播したかは諸説あるのだが、縄文時代に伝わったと考えられている。平安時代の辞書「和名類聚抄(わみょうるいじゃしょう)」に「蒟蒻」という文字があり、700年頃、日本の奈良時代に中国では食用としてこんにゃくを食べていた記録が存在する。そのため、こんにゃくは仏教とともに日本に伝わったと考えられている。その後、鎌倉時代初期には貴族や僧侶の間で薬品や間食として用いられたが、民衆の間で仏教が広まりを見せると、食用として広く食べられるようになった。さらに室町時代になるとこんにゃくを道端で売る商人が出現し、安土・桃山時代には織田信長が赤こんにゃくを作らせた。

こんにゃくの作り方が確立されたのは1776年、水戸藩の農民、中島藤右衛門が考案したのが始まりだと言われている。こんにゃく芋を薄く切って乾燥させ、それを粉にしたものからこんにゃくが作られた。これを機にこんにゃくは年中食べられる食品になったのである。1846年には「蒟蒻百珍」という料理書まで発行され、幕末には水戸藩の資金源として利用された。その後、戦時中は風船爆弾製造のためのこんにゃく糊として利用されたという経緯もある。戦後は戦後群馬県を中心に再び栽培されるようになった。

2. こんにゃくの製造法

こんにゃくにはいろんな種類があるが、生芋こんにゃくのように生の芋から作られるこんにゃくと精粉から作られるものがある。通常は精粉から作られる。精粉とこんにゃくの製造法について説明する。

●精粉の作り方

収穫したこんにゃく芋を洗って薄切りにしたものを乾燥させた後、荒く挽いてから粉にする。さらにグルコマンナンの粒子だけを取り出して精粉が作られる。

●こんにゃくの製造法

精粉に50~70度の湯を少しずつ加え、混ぜ合わせたらしばらく寝かせる。この時海藻の粉末や青のりなどが加えられることもある。石灰水(消石灰をぬるま湯に溶かしたもの)を加え手早くこね、均質に混ざったものがこんにゃく糊である。こんにゃく糊を型に流し込み、30分~1時間寝かせたら、たっぷりの湯で30分~1時間ゆでる。さらに、時々水を変えながら半日ほどさらし、最後にアク抜きをする。

糸こんにゃくは、細い穴を通して糸状にしてから茹でられる。

3. 世界でも注目される食品

●「排出」を目的に食べられた食品

昔から町角にこんにゃく売りが立つほどこんにゃくは庶民の間で広く親しまれた食品である。しかも栄養の摂取を目的に食べたのではなく、便通を良くして、腸内をきれいにするために好まれた。これは世界でも類を見ない食品と食べ方である。

●砂払いとは

江戸の娘が愛するものは「芝居 こんにゃく いも 南瓜(かぼちゃ)」という言葉がある。当時、こんにゃくをダイエットのために食べたかどうかは別にして、江戸っ子はこんにゃくを定期的に食べる習慣があった。「砂払い」といって「体内にたまった砂を取り除く」という意味の言葉があり、こんにゃくで身体の中にためておくべきではないものを排出するということになぞらえて使われた。こんにゃくのグルコマンナンは、腸内で水分を吸って膨張し、腸を刺激するため便の排出が促されるのである。そのことを江戸時代の人たちは経験値として知っていたと思われる。

●世界で注目されるこんにゃくパワー

先進国を中心に肥満や生活習慣病が問題になり、低カロリーで満腹感があり、便通も良くなるこんにゃくは各国で食べられるようになった。フランスでは、パスタ状のこんにゃくがブームになった。

結論

低カロリーでお腹の掃除もできるこんにゃく。普通のこんにゃく以外にも米に混ぜて炊く米粒状のこんにゃくや赤こんにゃくや凍みこんにゃくなど特産品として親しまれるものもある。いろんな食感のこんにゃくを楽しみたい。
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  • 公開日:

    2017年11月19日

  • 更新日:

    2021年5月20日

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