1. マヨネーズに関する基礎知識
ポテトサラダやたまごサンドをはじめ、さまざまなサラダや料理に使われるマヨネーズだが、どんなソースであるか詳しくご存知だろうか?まずは基本的なところから解説していこう。
卵・植物油・酢が主原料
マヨネーズの主な材料は卵と植物油、そして酢の3つだ。卵は、卵黄のみを使ったものと全卵を使ったものがある。なお塩などの調味料を除き、着色料や保存料は基本的に使われていない。酢や塩による防腐作用は相当なものといえるだろう。
マヨネーズの歴史
起源には諸説あるが、有力なのはスペインのメノルカ島が発祥という説だ。オリーブオイルと卵などで作ったソースで、スペイン料理に使われていたという。イギリス領であったメノルカ島に攻撃を仕掛けた、当時のフランス軍の指揮官リシュリュー公爵が偶然出会ったソースを気に入ったといわれている。それこそが、のちにマヨネーズと呼ばれるようになったソースである。これが18世紀なかば頃といわれているので、実に250年以上の歴史があることになる。
一方、日本で初めてマヨネーズが登場したのは1925年だ。キュ-ピー株式会社の創始者となる中島菫一郎氏が、アメリカ留学中にマヨネーズと出会い「キューピーマヨネーズ」を発売したのが始まりである。中島氏は発売当初から、当時の輸入品に比べて約2倍の卵黄を使い、栄養価が高く日本人の口に合う風味豊かなマヨネーズを研究したといわれている。
一方、日本で初めてマヨネーズが登場したのは1925年だ。キュ-ピー株式会社の創始者となる中島菫一郎氏が、アメリカ留学中にマヨネーズと出会い「キューピーマヨネーズ」を発売したのが始まりである。中島氏は発売当初から、当時の輸入品に比べて約2倍の卵黄を使い、栄養価が高く日本人の口に合う風味豊かなマヨネーズを研究したといわれている。
マヨネーズの語源
メノルカ島でお気に入りのソースに出会ったリシュリュー公爵が、パリに戻った際に「マオンのソース」と紹介したといわれている。マオンとはメノルカ島にある港町の名前だ。マオンのソースが「マオンネーズ」となり、今の「マヨネーズ」へと変化していったといわれている。
マヨネーズの製造方法
検査・選別された鶏卵を機械を使って割り、酢や調味料、香辛料などを加えてミキサーで撹拌(かくはん=混ぜること)しながら植物油を加えていく。乳化したものをボトルに充填し、キャップをしめて包装すれば私たちが普段スーパーなどで目にするマヨネーズが完成する。
2. 自家製マヨネーズの作り方
マヨネーズはご家庭でも簡単につくれる。できたての美味しさは格別だ。難しくはないので、ぜひチャレンジしてみてほしい。ただし、注意点もあるので必ず確認しておいてほしい。
材料
- 卵黄:卵2個分
- 植物油:150ml
- 米酢:大さじ1杯
- レモン汁:少々
- 塩胡椒:少々
- ボウル
- 泡立て器
作りやすい分量を載せたが、作る量などに応じて調整してほしい。お好みでマスタードを入れてもOKだ。また泡立て器は、できれば電動のものをおすすめする。
自家製マヨネーズの作り方
- ボウルに卵黄だけを入れてしっかり混ぜる
- 植物油油を少しずつ(半量を上限に)加えながらよく混ぜる
- 米酢を加えてさらに混ぜる
- 残り半分の植物油を少しずつ加えながら、乳化するまでよく混ぜる
- 塩胡椒(お好みでマスタード)を加えてさらによく混ぜる
- 塩の粒がなくなるまで混ぜたら完成
油と酢は通常混ざり合わないものなのだが、卵黄が両者を結びつけてくれる。これが、いわゆる「乳化」である。植物油は、分離しないよう少しずつ加えていくのがポイントなので覚えておこう。
その日のうちに使い切ること
新鮮な卵を使い、清潔な密閉容器に入れて冷蔵庫などで保存すれば、ある程度は日持ちするかもしれない。だが手作りは、マヨネーズに限らず作り手のスキルや知識、衛生環境などに大きく影響を受ける。そのため本稿では保存はせず、その日のうちに使い切ることを推奨する。
3. 自家製マヨネーズのアレンジアイデア
ご家庭で作るマヨネーズの利点といえば、用途によっていろいろアレンジできるところだ。いくつかアイデアを紹介するので、参考にしてほしい。
ハーブを加える
野菜のディップ用にマヨネーズを作るなら、バジルやパセリ、ローズマリーといったハーブを加えてみよう。風味が格段によくなるはずだ。なお、ハーブはドライでも生でもOKだ。
味噌やマスタードを加える
味噌またはマスタード、それに和辛子などを加えるのもおすすめである。手作りの新鮮なマヨネーズなら、明太マヨも文句なしの美味しさになるだろう。玉子焼きやふかしたジャガイモにつけて楽しむのもよい。子どもがいるご家庭では、明太子ではなくタラコを使うと食べやすい。
油や酢にこだわる
作る際の植物油をオリーブオイルにしたり、米酢をワインビネガーや黒酢にしたりするたけで、和洋中さまざまな料理に合うマヨネーズに仕上げることができる。
4. 日本製のマヨネーズに隠された「秘密」とは?
何にでもマヨネーズをつけるのは日本独特の習慣だという。逆をいえば、日本製のマヨネーズはそれだけ万能というわけだ。なぜ日本製のマヨネーズが特別なのか、そして美味しいのか、その秘密に迫ってみよう。
卵黄をたっぷり使っている
世界的に見ると、マヨネーズは酸味が強くあっさりしているものが多い。これは全卵を使用していることが理由だ。一方、日本製のマヨネーズはクリーミーでまろやかである。これは、最大生産シェアを誇るキューピーを始め多くのメーカーが「卵黄」をたっぷり使っているためである(全卵を使っている商品もある)。卵黄が、濃厚で贅沢な味わいに仕上げてくれているのだ。
鮮度と使い勝手に配慮されたボトル
輸入品はガラス瓶入りが多いが、日本製はチューブ入りが多い。マヨネーズは空気に触れると酸化し風味が落ちるのだが、日本製のチューブは酸素透過率の低いポリエチレンとプラスチックの多層構造になっている。これが鮮度を長くキープできる秘訣である。加えて、注ぎ口も細い・太いのダブル構造になっているのが一般的だ。こんなに鮮度と使い勝手に配慮されたマヨネーズは日本製だけだろう。
さまざまな食材に合うワケ
クセの少ない植物油と、酸味がマイルドな米酢を使っているので、マヨネーズそのものの主張が少なくさまざまな食材に合う。また日本では、昆布に代表される「旨味成分」が多くのマヨネーズに配合されていることが多い。まさに日本人の口に合うマヨネーズというわけだ。
隠し味にも最適
油分や旨味成分があるため、炒めものや焼きものの際に計量スプーン1杯程度を加えるだけで、隠し味やふんわり感を出すことができる。これも日本製マヨネーズの大きな特徴だろう。よほど大量に入れなければ、味が主張しすぎることはないはずだ。
5. マヨネーズが合う料理と主なメーカー
いろいろなものに使える日本製のマヨネーズは、各メーカーからさまざまな商品が発売されている。最後に、マヨネーズが合う料理の代表的なものや、主な国産メーカーを紹介しよう。
マヨネーズを使うおすすめ料理
- 唐揚げやコロッケを始めとする揚げ物
- ポテトサラダやコールスローなどのサラダ
- お好み焼き・たこ焼き・焼きそば・うどんなどの粉もの
- 卵焼き・目玉焼き・たまごサンドなど卵料理
- グラタン・焼売・餃子・寿司 など
列挙してみたが、すべて挙げるとキリがないためこの辺にしておく。パッと浮かぶ代表的なものでもこれだけだ。本当に好きな方は白いご飯にかけたり、ポテチといったお菓子にかけたりもする。自分だけの「美味しい使い方」を探すのも、また楽しいだろう。
日本の主なマヨネーズメーカー
- キューピー
- 味の素
- ケンコーマヨネーズ
- 日本食研
- ユニオンソース など
キューピーと味の素がとくに有名だが、ほかにもマヨネーズを製造・販売している日本のメーカーは意外と多い。同じマヨネーズでも味わいが異なるはずなので、ぜひいろいろと試してみてほしい。
結論
マヨネーズは、今やほとんどのご家庭に常備されている定番ソースのひとつだ。日本製のマヨネーズに深いコクと旨味があるのは、卵黄をたっぷり使っていることが大きな理由である。ご家庭でも簡単に作れるうえ、自家製ならアレンジも利く。「その日のうちに使い切る」よう心がけていただき、ぜひ自家製マヨネーズ作りにもチャレンジしてみてほしい。
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