1. マヨネーズの保存方法
■マヨネーズの保存方法
まだ使用していない未開封のマヨネーズは、販売されている時と同じように常温保存できる。ただし、その場合も温度が上がりすぎるとマヨネーズが分離したり、変質してしまう恐れがあるので、直射日光が当たらない、涼しいところに置いておいたほうがよい。しかし、いったん封を切ったマヨネーズは、5℃~10℃のところで保存する。5℃以下の場所で保存すると分離してしまうので、冷蔵庫の中でも冷えすぎない場所が好ましい。つまり、マヨネーズは冷えすぎても高温でも分離してしまうことがあり、いったん分離すると元の状態には戻らないので気をつけて保存したい。また、分離したマヨネーズは変質していることもあるので、使用するのは控えたほうがよい。
■冷蔵庫のどこで保存したらいいのか
冷蔵庫で保存する場合も、冷えたら良いというものではない。冷蔵庫の中は、場所によって温度が異なる。マヨネーズは冷えすぎない場所、5℃前後をキープできる野菜室で保存するのが好ましい。逆に、チルド室の温度は0℃くらいなので温度が低すぎる。ドアポケットのところは比較的高めの温度だが、冷蔵庫の冷気の循環方法によって温度が異なる。
■ショッピングバッグに入れる時に気をつけたいこと
購入したものをショッピングバッグに詰める時、冷凍食品や保冷剤と接触する場所は避けて入れる。冷えすぎて分離する危険性があるからだ。
2. マヨネーズはなぜ腐らない?JAS規格とは
開封前のマヨネーズを常温で保存しても構わないというが、いったいそれはなぜなのか。マヨネーズには酢や食塩が入っているので、天然の防腐剤の役割を果たすのだ。また、マヨネーズは許可されている添加物があるが、保存料などの添加物は日本農林規格(JAS規格)で混入が禁止されている。
■JAS規格とは
JAS規格とは、農林水産省が食品や林産物の生産や製造方法について一定の規格を定め、品位や性能、成分などについて保証するものである。商品に入れなければならない原材料や入れてもいい添加物の量もJAS規格で定められている。たとえば、マヨネーズの場合、卵黄もしくは全卵を使っていなければならない。この規格に合った商品だけがJASマークを付けることができ、商品を選ぶ際の一定の基準になる。
■蜂蜜が巻き起こした「松田のマヨネーズ」事件
JAS規格にそぐわない場合、成分は似ていても「マヨネーズ」と名乗れなくなってしまうこともある。「松田のマヨネーズ」は、卵とりんご酢、なたね油を使って作られている。原材料が良質なのでファンも多い。しかし、18年間マヨネーズを作り続けたある日、蜂蜜を使っているという理由で、マヨネーズだと名乗れなくなってしまった。消費者の署名運動が起こり、やがて農林水産省がマヨネーズに蜂蜜を入れることを許可、再びJAS規格に合ったマヨネーズとして店頭に並べられるようになった。
3. 野菜の栄養を効率よく摂取できるマヨネーズ
JAS規格によると、マヨネーズの食用植物油脂の含有量は、全体の重量の65%以上と定められている。とろっと濃厚な食感で、ダイエット中でノンオイルドレッシングを食べている人は避けたくなるかもしれない。しかし、マヨネーズは、野菜と一緒に食べると野菜の栄養をたくさん摂れるという研究結果がある。
この研究はキューピーが行ったもので、2004年3月に日本農芸化学会で発表された。キューピーではもともと「野菜をもっとたくさん食べましょう」というスローガンを掲げている。そこで、活動の一環として、マヨネーズとβ-カロテンを含む野菜を一緒に食べた時に、どれくらい吸収効率が上がるか実験した。その結果、マヨネーズを付けずに、そのままβ-カロテンを摂取した時を1とすると、マヨネーズを付けた時は吸収量が7倍になることが分かった。
これにはマヨネーズの乳化が影響しているという。実は、野菜には水溶性のビタミンの他に、脂溶性のビタミンやカロテノイドもたくさん含まれている。つまり、油分があって、はじめて摂取できる栄養があるのだ。脂溶性ビタミンやカロテノイドは、人参やかぼちゃ、キャベツ、しいたけ、しめじ、ほうれん草などに多く含まれている。そして、乳化されたマヨネーズは胃液と混ざりやすいため、こうした野菜の栄養の吸収効率が良くなると考えられている。
この研究はキューピーが行ったもので、2004年3月に日本農芸化学会で発表された。キューピーではもともと「野菜をもっとたくさん食べましょう」というスローガンを掲げている。そこで、活動の一環として、マヨネーズとβ-カロテンを含む野菜を一緒に食べた時に、どれくらい吸収効率が上がるか実験した。その結果、マヨネーズを付けずに、そのままβ-カロテンを摂取した時を1とすると、マヨネーズを付けた時は吸収量が7倍になることが分かった。
これにはマヨネーズの乳化が影響しているという。実は、野菜には水溶性のビタミンの他に、脂溶性のビタミンやカロテノイドもたくさん含まれている。つまり、油分があって、はじめて摂取できる栄養があるのだ。脂溶性ビタミンやカロテノイドは、人参やかぼちゃ、キャベツ、しいたけ、しめじ、ほうれん草などに多く含まれている。そして、乳化されたマヨネーズは胃液と混ざりやすいため、こうした野菜の栄養の吸収効率が良くなると考えられている。
結論
卵を植物性油脂や酢、食塩と混ぜて乳化させて作られるマヨネーズ。開封前ならば、一定の要件のもとで常温保存できる。温度が低すぎても高すぎても分離してしまうので、適温で保存することが大切だ。自分で必要な量だけ少量作るのもおすすめだ。
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