1. 基本のうどん
まずは、麺とつゆ(ダシ)の美味しさが引き立つ基本のうどんの種類から紹介する。
温かいうどん
- かけうどん
茹でた麺につゆをかけた一番シンプルなうどん。関東ではネギのみを入れ、関西ではかまぼこなどの具が入る。地域によっては"素うどん"と呼ぶ。 - 釜揚げうどん
麺を茹でた時の茹で汁を麺と共に器に入れ、生しょうゆをかけたりつゆにつけて食べる。麺を冷水で締めないため、コシの弱い柔らかい麺が特徴。 - 釜玉うどん
釜揚げうどんに生卵を割り入れ、生しょうゆやつゆをかけて食べる。卵が混ざることでまろやかな味になる。 - ぶっかけうどん
茹でて湯切りした麺に生しょうゆなどを少なめにかけて食べる。具には、ネギやキムチなどのシンプルなものから、肉や天かす、卵など様々な食材を用いる。
冷やしうどん
- ざるうどん
ざるに盛って提供される冷たいうどん。麺を茹でて冷水で締め、冷たいつゆにつけて食べる。刻み海苔が乗せられたものを"ざるうどん"、海苔のないものを"もりうどん"と区別して呼ぶこともある。 - 冷やかけうどん
麺を茹でて冷水で締め、冷たいつゆをかけたうどん。 - 冷やしぶっかけうどん
茹でて湯切りした麺を冷水で締め、つゆを麺にかけて食べる。具はネギや大根おろしなど。"うどん県"として知られる香川県では、麺に生しょうゆをかける食べ方が主流。
2. 具乗せうどん
次に、具を乗せたうどんを紹介する。具を乗せたうどんの種類はとても多いため、ここでは代表的なものを挙げる。
温かいうどん
- きつねうどん
甘く煮た油揚げを乗せた代表的な具乗せうどん。"稲荷うどん"と呼ぶ地域もある。また、"きつね"だけで油揚げの乗ったうどんを意味する地域もある。 - たぬきうどん
天かすを乗せたうどん。冷たい麺とつゆで食べる場合は、"冷やしたぬきうどん"と呼ぶ。京都では油揚げと九条ネギを乗せたあんかけうどんのことを指す。大阪や神戸では、油揚げを乗せた蕎麦を指す。ちょうど、きつねうどんの蕎麦バージョンだ。 - 力うどん
焼き餅の入ったうどん。餅と麺が絡み、トロトロ食感を楽しむことができる。 - 天ぷらうどん
天ぷらの乗った定番うどん。エビの天ぷらだけが数本乗ったものや、数種類の天ぷらが乗せられたものなど様々。かき揚げのみのものは"かき揚げうどん"と呼ばれる場合もある。 - 肉うどん
名前の通り、肉を乗せたうどん。多くの場合、甘く煮た牛肉か豚肉が使われる。 - 鍋焼きうどん
天ぷらや野菜、卵などを乗せ、土鍋で作られる煮込みうどん。煮込むため麺のコシは弱くなるが、つゆが染み込んだ柔らかい麺を楽しむことができる。
冷たいうどん
- サラダうどん
茹でた麺を冷やし、レタスやトマトなど野菜を中心とした具を乗せ、つゆを少しかけたうどん。しょうゆとマヨネーズで味付けされたツナが乗せられることも多い。
3. ユニークなうどん
最後に、郷土料理として古くから親しまれているうどんと、ユニークなうどんを紹介する。
郷土料理
- しっぽくうどん
しっぽくうどんは、うどんで有名な讃岐地方(香川県)で秋から冬にかけて食べられる郷土料理である。旬の野菜をつゆで煮込み、茹でた麺にかけたもの。 - 味噌煮込みうどん
"名古屋めし"のひとつとして知られている。小さな土鍋に麺と具(鶏肉、卵、野菜など)を入れ、味噌で味付けしたつゆで煮込む。愛知県では八丁味噌を使って作られる。 - 耳うどん
栃木県佐野市仙波町の郷土料理。耳のような形の麺が特徴的なうどん。 - 梅うどん
梅うどんは、和歌山県の特産品である南高梅肉を練りこんだ珍しいうどんである。綺麗なピンク色の麺と香りの良さが特徴。 - ひもかわうどん
ひもかわうどんは、群馬県桐生地域の郷土料理である。薄くて幅の広い紙のような麺が特徴。
ユニークなうどん
- カレーうどん
カレーに水やめんつゆを入れて薄め、麺を入れたうどん。家庭で食べられるだけでなく、うどん店での取り扱いも多い。専門店もよく見かける。 - 坦々うどん
担々麺の麺をうどんに変えたもの。太くてコシのあるうどんに辛味のある肉が絡む肉好きにはたまらないうどん。 - 明太子うどん
明太子とバターや牛乳などを混ぜ、出汁と共にうどんに絡めて作る。明太子パスタのうどんバージョン。 - カルボナーラうどん
カルボナーラのパスタをうどんに変えたもの。居酒屋で人気の一品。 - ミートソースうどん
ミートソースのパスタをうどんに変えたもの。給食で食べたソフト麺の味に似ていると話題。
結論
うどんの種類について解説した。うどんの魅力は美味しさだけではない。サッと注文してササっと食べられるため、短いランチタイムに慌てず完食できる手軽さも魅力である。ちなみに、海外では、日本の麺料理と言えばラーメンがダントツで有名だが、うどんもジワジワと注目され始めている。いろいろな国で美味しいうどんが食べられる日も遠くはないだろう。