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日本最古のカレー「カエルカレー」とは?つい人に教えたくなる!

日本最古のカレー「カエルカレー」とは?つい人に教えたくなる!

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 渡邉里英(わたなべりえ)

鉛筆アイコン 2020年2月10日

夕食の定番メニュー、カレーライス。カレーはラーメンやうどんと並んで日本の国民食だが、いつ頃から食べられているのかご存知だろうか?今回は、みんなが大好きなカレーについての食文化雑学。カレーの歴史と日本最古のカレーとされる“カエルカレー”について解説する。

  

1. そもそもカレーとは?

インドに"カレー"は存在しない!

「カレーはどこの国の料理か?」と聞かれたら、ほとんどの人が「インド」と答えるだろう。"カレー=インド"という方式は、"寿司=日本"と同じように常識のようなものだ。しかし、実はインドにはカレーという料理は存在しない。カレーの種類を挙げる場合、日本ではビーフカレーやチキンカレー、シーフードカレーなど、具材+カレーと呼ばれることが多いが、インドではマトンサグやチキンバターマサラ、アルパラク、シャーヒパニールなどと呼ばれている。カレーと名付けられた料理は存在せず、料理のカテゴリーでもない。それもそのはず、インドの公用語であるヒンディー語にカレーという言葉はないのだ。カレーという言葉の語源は、南インドやスリランカで話されるドラヴィダ語族で肉や食事を意味する「kari(カリ)」だと考えられている。

インドの特徴的な料理は全て"カレー"

では、我々はどんなインド料理をカレーと呼んでいるのだろうか?一言で説明すると、いろいろなスパイスを使って食材に味付けするインドの特徴的な料理を "カレー"と呼んでいるのである。例えば、羊の肉とほうれん草を煮込んでスパイスで味付けした料理は、日本では"マトンとほうれん草のカレー"などと名付けられる。しかし、インドでは"マトンサグ"だ。もう一つ例を挙げると、トマトベースで鶏肉を煮込んでスパイスで味付けした料理は、日本では"バターチキンカレー"だが、インドでは"チキンバターマサラ"である。日本ではどちらもカレーと呼ばれるが、インドでは全く違う料理なのである。尚、日本だけでなく多くの国で同じようにインド料理の多くをカレーと呼んでいる。

2. 日本のカレーの歴史

日本のカレーとインドのカレーの違い

多くの日本人にとって、カレーとはカレールーを使って作るカレーライスを指す。そして、このカレーはインドのカレーとは違う。インド料理店でカレーを食べたことのある人ならわかるはずだが、牛肉を使ったカレーも鶏肉を使ったカレーも全く違うものである。まず、日本のカレーは小麦粉によってとろみがつけられ、スパイスも控えめである。日本人の口に合わないような風味のスパイスは使われていないか、存在感を消されている。一方インドのカレーにはとろみがなくサラサラ。そして、ココナッツやシナモン、カルダモンなど、独特な味わいのある様々なスパイスを組み合わせて作られている。日本人はインドカレーを食べると「これがカレー?」と驚き、インド人は日本のカレーに驚くのだ。

日本のカレーはイギリス風

本場インドのカレーとは全く違う日本のカレーは、どのように日本に伝わったのだろう?そして、なぜインドカレーとは違うのだろう?インドはイギリスによって統治された歴史を持ち、多くのイギリス人がインドに居住していた。1772年にインド総督のウォーレン氏がインドのカレーを持ち帰り、イギリスにカレーが広まった。その後イギリスの食品メーカーがスパイスを調合した"カレー粉"を商品化し、牛肉を使う、とろみをつける、などイギリス人の食生活に合うようにアレンジされたイギリス風カレーが定着した。日本へカレーが伝わったのは1870年代。インドからではなくイギリスから伝えられたため、イギリス風のカレーが日本に定着したのである。

3. 日本で最初のカレー"カエルカレー"って!?

日本最古のカレーの具材

カレーの味は家庭ごとに異なる。同じメーカーのルーを使っても、煮込む時間や具材によって、どこか風味の違う"家庭の味"となる。カレーの具と言えば、玉ねぎ・ジャガイモ・ニンジン・肉が基本だが、日本にカレーが伝わった頃の具は全く違うものだった。1872年(明治5年)創刊の「西洋料理指南」で紹介されたカレーの作り方にはこう書かれている。
① ねぎ・生姜・ニンニクをみじん切りし、バターで炒める
② 水を加え、鶏・えび・タイ・カキ・カエルを入れて煮込む
③ カレー粉を加えて更に1時間ほど煮込み、塩と水で溶いた小麦粉を加える
現在の基本のカレーの具とは全く違うものが使われていたことがわかる。玉ねぎ・ジャガイモ・ニンジンの栽培が本格化する前にカレーが日本に伝わったため、この時代のカレーには使われていないのだ。

カエルが使われた理由

カレーの具にカエルとは衝撃である。一体なぜカエルなのだろう。はっきりしたことはわかっていないが、日本にカレーが伝わった開国時にイギリス人は中国人の使用人を連れて来日しており、その中国人たちが中国で調理に使われるカエルをカレーに使ったのではと考えられている。

カエルカレーの味

カエルの肉を食べると聞くと衝撃だが、世界的に珍しいことではなく、食用のカエルも存在する。特にインドネシアや中国ではよく食べられており、日本でも食べることはできる。カエルの肉の味、食感共に鶏肉に近く、臭みもない。そして、あっさりとして美味しい。魚介類とカエルの肉の旨みが染み込んだカエルカレーは、きっと絶品だったことだろう。

結論

カレーの伝来と日本最古のカレー"カエルカレー"について解説した。カレーは料理初心者でも美味しく作ることができるうえ、アレンジも自由。具材や味付けに工夫し、家族に喜ばれるオリジナルカレーを作り出そう!ちなみに、ソースやチョコレートなどを隠し味に使うと、同じカレールーでも深みのある味わいに仕上がる。ぜひお試しあれ!
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  • 公開日:

    2018年2月17日

  • 更新日:

    2020年2月10日

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