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桜エビの産地はどこ?日本で桜エビが捕れるのは限られた地域だけ

桜エビの産地はどこ?日本で桜エビが捕れるのは限られた地域だけ

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

鉛筆アイコン 2019年12月 6日

日本で桜エビが捕れるのは、1つの県のみだと知っているだろうか。限られた漁場で行なわれる漁は、桜エビを守りながら持続できるようプール制が取られている。プール制は、資源保護のみならず、桜エビの価格の安定にもつながっているのだ。今回は、桜エビの産地について紹介しよう。

  

1. 桜エビは100%静岡産

日本近海で桜エビは、駿河湾、東京湾、相模湾で確認されている。そのなかで、漁業許可が与えられているのは、駿河湾に面した静岡県清水区の由比(ゆい)港と蒲原(かんばら)港、焼津市の大井川港である。そのため、日本産の桜エビは全て駿河湾で捕れたものなのだ。海外では、台湾近海で桜エビが捕れ、日本に輸入されている。

■桜エビを保護する理由

桜エビは保護のために、漁をしない時期が決められている。また、産卵期に海面に浮いた卵の量などから、漁獲量を調整している。桜エビの寿命は約15カ月。体長は4cmほどだ。産卵後2~3カ月ほどで体長2cmに成長し網にかかるようになる。漁獲調整なしに桜エビを捕り続けたら、たちまち海から桜エビはいなくなってしまうのだ。

■桜エビはデリケート

網で捕まえた桜エビは、体を傷つけないように専用のホースで吸い取られて箱に詰める。港へ着いたら、鮮度が落ちないうちに、冷凍や乾燥などの加工がされていくのだ。桜エビは鮮度が落ちやすいため、生の桜エビを食べられるのは駿河湾近郊だけである。

■産地での楽しみ方

駿河湾の漁港近くでは、生の桜エビを楽しめる。新鮮な桜エビは、プリプリとした食感や、甘味と旨味を感じられ、醤油などを付けなくても美味しい。また、塩を入れた熱湯で桜エビを茹でた、釜揚げも人気だ。そのほかに、かき揚げ、丼、炊き込みごはんなどにして食べられている。

2. 駿河湾は桜エビの生育に適している

駿河湾は、伊豆半島の先の石廊崎(いろうざき)から、静岡県最南端の御前崎(おまえざき)を結んだ線より北側の海域だ。湾口部は約56km、奥行きは約60kmある。世界遺産に登録された三保の松原や、焼津、沼津なども駿河湾に接している。一番深い場所で水深2,500mあり、日本の湾で一番の深さだ。次に深い相模湾で水深1,500mなので、その深さが特徴的だと分かる。

駿河湾は、富士川、大井川などが流れ込み、とくに富士山の雪解け水が、山の養分とともに流れ込むことで豊かな漁場となっている。湾内には珍しい深海魚や、アジ、サバ、ヒラメなど約1,000種類の魚類が生息しているといわれている。駿河湾に生息する桜エビは、日中は水深200~300mの水域にいて、夜になると20~30mに移動する。駿河湾は、桜エビが生息できる深さがあり、エサとなるプランクトンが多いため、適した環境になっているのだ。

3. 桜エビ漁はプール制

桜エビ漁は、プール制で行なわれている。プール制とは、捕まえた桜エビを漁の許可証を持っている全ての漁船で均等に分配する制度だ。桜エビの漁場は駿河湾に限られていることと、桜エビの生態から、漁船が競い争って漁獲する方法では、すぐに桜エビがいなくなってしまう可能性がある。そこで1960年代からプール制を始めた。

■桜エビを守るための制度

駿河湾では、桜エビ漁が始まった当初はあまり知られていなかった桜エビの生態も調査している。その調査結果から、漁をする時期、船を出す時間、目標の漁獲量、操業方式などが決められ、桜エビを保護しているのだ。その結果、価格も安定する漁獲量を維持してきた。しかし、2000年代初めに約2,000トン以上あった年間漁獲量が、2010年くらいになると漁獲量が減り、年間1,000トン前後になっている。その原因には、産卵前の桜エビの漁獲割合の多さや、駿河湾の環境の変化があるのではといわれている。

結論

桜エビ漁は駿河湾だけに許可され、日本産の桜エビは全て静岡産だ。限られた漁場で行なわれる桜エビ漁は、資源を保護するための制度が作られた。限りある資源を活かしつつ行われている桜エビ漁は、注目したい漁業制度である。
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  • 公開日:

    2018年5月20日

  • 更新日:

    2019年12月 6日

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