1. 料理用語を知れば誰でも名シェフ!

料理用語について、知らなくても困りはしないと思うかもしれない。しかし、その料理単語の意味を知らなかったばかりに、旨みを逃したり、渋みや苦みが残る、舌触りや色味の悪い料理に仕上がってしまうことがある。料理用語を正しく知っていれば、誰でも本に書いてあるとおりの料理をきちんと仕上げることができる。美味しく作るうえでは不可欠な知識であるといえるだろう。
2. 絶対知っておきたい料理用語~下ごしらえ~

調理のファーストステップといえば「下ごしらえ」。おもに食材のクセや臭みをとったり、食べやすくする作業であることも多いので、まず、ここは正しく覚えておきたい。
■板摺(いたずり)
水で洗った材料に、多めの塩を振り、まな板の上でゴロゴロと転がす。きゅうりなどが定番の野菜である。色味が保たれ、素材を柔らかくするので味が染み込みやすくなる。ほかにも、フキ・おくらのひげ取りに使える。
■打つ(うつ)
包丁で食材を切ることを、「打つ」という。麺類では、そばやうどんを打つ、串焼きなどの串に刺すことを串に打つ、千切りや細かく刻むことを千に打つと表す。中国から打麺・打餅など漢字が伝わり、料理では「打つ=切る」という意味合いが浸透していったとされる説が有力である。
■湯通し(ゆどおし)
沸騰した湯に、食材をくぐらせる。油揚げの油抜きが有名だろう。こうすることで余分な油がとれ、味が染み込みやすくなる。もやしを湯通しすればシャキッと歯触りがよくなる。ブリやタラ・サワラなどの魚に塩を振って20分ほど置き、熱湯をかければ余分な脂・臭みがとれる。熱湯の代わりに熱した油で行うものを油通しという。ピーマンの色味やネギの香り出しにも使える。花椒を油通しして、麻婆豆腐に使うと辛味が引き立ち、本格的な仕上がりになる。
■ゆでこぼし
山菜や肉などの、アク抜き・臭み・ぬめりを取り除くために行う。この下処理をしないと食べられないものもある。水から食材を茹でて、沸騰したらゆで汁を捨てる。たとえば里芋は1回で十分だが、食材によっては数回繰り返す必要があるものもある。
■ねかす
言葉の通り、材料をねかす。
パン・うどんなどの小麦粉を使ったものは、ねかせることで扱いやすくなる。また、パン生地は発酵に時間を必要とするし、クロワッサン・パイ生地は最短でも7時間~1日は要する。ほかには、煮込み料理などが代表的である。加熱調理した料理は、ゆっくりと冷めることで味が染み込み、味わいが増す。食中毒などの予防の観点からも、粗熱が取れたら、すぐに冷蔵庫で休ませることをおすすめする。
パン・うどんなどの小麦粉を使ったものは、ねかせることで扱いやすくなる。また、パン生地は発酵に時間を必要とするし、クロワッサン・パイ生地は最短でも7時間~1日は要する。ほかには、煮込み料理などが代表的である。加熱調理した料理は、ゆっくりと冷めることで味が染み込み、味わいが増す。食中毒などの予防の観点からも、粗熱が取れたら、すぐに冷蔵庫で休ませることをおすすめする。
■千六本(せんろっぽん)
よく見かける切り方なので、覚えておきたい。輪切りにした材料の端から、2ミリくらいの幅に切ったものである。きんぴらごぼうや、大根サラダがこのような切り方である。
■水にさらす
切った材料を水に浸すことである。アクの強い野菜や、変色を防ぐために行う。ちなみにれんこん・長いもなどは酢水にさらすと変色しない。玉ねぎは塩水にさらしてから食べると辛みがとれる。
3. 絶対に知っておきたい料理用語~加熱調理~

加熱調理に際して、よく使われる料理用語は、仕上がりの善し悪しに関わるためぜひとも知っておきたい。
■落とし蓋(おとしぶた)
煮物・煮込み料理には、欠かせないものである。落とし蓋をすることで、熱がムラなく行き渡る。また、煮崩れを防ぎ、味の染み込みも良くなる。落とし蓋がない場合は、アルミホイルやクッキングシートで代用ができる。火加減は、吹きこぼれないように弱火~中火で。
■煮えばな
汁物では煮立ち始めた時、米では、炊き上がった直後の、水分が沸々としている時が煮えばなといわれる。汁物とご飯が一番美味しいのが、このタイミングである。
■ひたひた
ひたひたにするとは、煮物などを作るときに、食材がかぶるくらいにだしや水を入れることをいう。
■びっくり水
さし水のことである。表面は早くに火が通るが中まで茹でにくい、そうめん、小豆などに行う。タイミングは、吹きこぼれそうになるまで待ち、直前でさし水をする。こうすることで中心部まで加熱され、食べられるようになる。さし水の回数は、食材によっても異なるが、1~3回である。
■炒り煮
卯の花やひじき煮を思い浮かべるとわかりやすいだろう。炒った食材を、砂糖と醤油で煮汁がなくなるまで煮る。煮詰まれば、味付けが濃くなることを想定して調味することがポイント。箸を休めず動かさないと、鍋が焦げついてしまうので注意を。
■湯煎(ゆせん)
主に菓子作りで、バターやチョコレートを、溶かしてから使いたい時に行う。鍋に湯を沸かし火は止める。耐熱ボウルを浮かべ材料を入れる。ゆっくりかき混ぜると、容易に融かすことができる。チョコレートは、温度が高すぎると風味・艶が落ちるので、温度計を使うとよい。卵を人肌に温めたいときにも使える方法である。チーズスフレや、ローストビーフもこの方法を用いている。
■煮切る(にきる)
酒・みりんのアルコール分を飛ばすことを煮切るという。強火で熱し、沸騰してきたら弱火にする。30秒くらいしたら火を止める。アルコールが残っていると、食材の味を損ねてしまうために行う。
結論
料理用語は、調理の基本である。料理本に書かれている、1つ1つのステップを正しく行うことで、これまで作っていた料理がグンとレベルアップするかもしれない。意味を間違えて覚えていた用語があれば、慣れ親しんだレシピを、もう一度おさらいしてみてはどうだろうか。