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発酵食品に欠かせない【麹】とは?麹の種類で味噌の風味は変わる?

発酵食品に欠かせない【麹】とは?麹の種類で味噌の風味は変わる?

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:東京農業大学 醸造科学科 教授 前橋健二(まえはしけんじ)

鉛筆アイコン 2020年6月 2日

日本人の食生活には欠かすことのできない味噌や醤油、みりん、酒は、麹から作られている。麹には多くの酵素が含まれている。古くから日本人の食文化を支えてきた発酵食品、麹について解説していこう。

  

1. 麹菌について

麹は蒸した穀物に微生物である「麹菌」を付着させて培養し、発酵をさせたもの。「麹菌」はカビの一種で、麹カビとも呼ばれている。他の国々にもカビを使った発酵食品はあるが、「麹菌」を使うのは日本固有のもので、「麹菌」は日本の国菌に認定されている。

<麹菌の種類>

「麹菌」は大きく分類すると3種類に分かれる。

・黄麹菌(二ホンコウジカビ)
蒸した穀類に生えやすいカビで、味噌、醤油、清酒に使われる。

・黒麹菌
「麹菌」の中では一番古く、泡盛に使われる。

・白麹菌
焼酎に使われている。黒麹菌から、白い胞子をつくるように改良された。

2. 味噌の風味は麹によって違う

麹は原料になる穀物によって種類が違う。米に麹菌を増殖させたものは「米麹」、豆なら「豆麹」、麦は「麦麹」と呼ばれる。

味噌は大豆・麹・塩を原料に作るが、麹の種類によって、味噌の味や風味は大きく変わる。米麹を使った味噌は米味噌と呼ばれ、米の甘さが感じられる味わい。麦麹は酸味が少なくサラリとした味わいで、味噌汁にしたときには麦独特の香ばしい香りが顕著にあらわれる。また、豆麹を使った豆味噌は独特のクセがあるが、甘味は少なく旨味が強い。

3. 麹と酒粕の違い

麹を使った飲み物といえば甘酒だが、酒粕で作る甘酒もある。麹と酒粕との違いは何だろうか?

酒粕は日本酒の製造工程で生産される副産物。麹を醗酵熟成させた「もろみ」を搾った搾り粕だ。アルコール成分は残存している。酒粕、麹ともにミネラル成分が豊富だが、酒粕の方が食物繊維は豊富だ。

酒粕で甘酒を作るには、砂糖を使い甘みを出す。麹の場合は麹と米を使い醗酵させ、米のでんぷんが分解されてできるブドウ糖が甘みとなる。¨飲む点滴¨と呼ばれているのはこのためだ。酒粕で作る甘酒は、糖類を多量に使うためカロリーが高くなる。

結論

味噌や醤油、日本酒を生み出してきた麹の世界は奥が深い。麹菌の違い、また麹の原料になる穀物の違いによって様々な食品が作られ、味わいも多様に変化する。また味ばかりではなく、麹由来の食品が持つ優れた働きも見直すべき点だ。
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  • 公開日:

    2018年9月14日

  • 更新日:

    2020年6月 2日

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