1. 野菜も炒めることで旨味が閉じ込められる
油には、食材の表面に膜を作って、中から旨味や水分、栄養が外に逃げ出さないようにする働きがある。肉や魚などのタンパク質と同様に、野菜も事前に油で炒めておくと、表面にできた皮膜によって旨味やビタミンなどの栄養素が閉じ込められることになる。さらに、油自体が持っているコクや風味が野菜に移ることで、淡白な味の野菜にも旨味と香ばしさが加わることになるのだ。
2. 野菜は炒めると甘味成分が際立ってくる
野菜に熱が加わると、繊維細胞が壊れて、成分が表出してくるようになるという。加えて、水分が抜けて本来の味そのものが凝縮されることになる。つまり、味が濃くなることによって、甘味も強く感じられるようになるのだ。たとえば、強い苦みで知られるケ―ルも、油で炒めると苦みが少なくなり、甘味のある美味しい野菜炒めに変身し、食べやすくなる。
「甘味=美味しさ」という感覚は、人間の自然の摂理であるらしい。
ただ、野菜の中でも玉ねぎの場合は少し理屈が違う。玉ねぎには、辛味成分の硫黄化合物とショ糖、果糖などの甘味成分が含まれているのだが、甘味成分が熱の変化に強いのに対し、辛味成分の方は熱を受けて揮発、分解され、外にでていってしまう。その結果、甘味が強く感じられるようになるのだ。ちなみに、玉ねぎが持っている甘味成分は、野菜の中でも断トツに多いという。
「甘味=美味しさ」という感覚は、人間の自然の摂理であるらしい。
ただ、野菜の中でも玉ねぎの場合は少し理屈が違う。玉ねぎには、辛味成分の硫黄化合物とショ糖、果糖などの甘味成分が含まれているのだが、甘味成分が熱の変化に強いのに対し、辛味成分の方は熱を受けて揮発、分解され、外にでていってしまう。その結果、甘味が強く感じられるようになるのだ。ちなみに、玉ねぎが持っている甘味成分は、野菜の中でも断トツに多いという。
3. 野菜は炒めておくと煮崩れしにくい
もうひとつ、事前に炒めておく理由に、形をそのまま保つ目的もある。「面取りをする」という言葉を聞いたことはあるだろうか。カボチャや冬瓜などを煮る時に、切り分けた素材の尖っている部分を、平らに切り取っていくというひと手間だ。これは、加熱によって素材の回りが崩れてしまうのを防ぐために行う下拵えのひとつ。野菜を油で炒めてから煮るのも、同様の効果が期待されるものだ。野菜の表面が油で覆われ、野菜の表面が堅くなるので、崩れにくくなると考えられている。
結論
野菜の旨味を凝縮して閉じ込め、甘味を引き出し、煮崩れを防ぐ。煮る前に炒める利点をより効果的にするには、炒める前に野菜の水分をよく切っておくことも大切だ。水が付いている野菜は、油をはじいてしまい、炒める効果を出しにくいからだ。水をよく切っておく。そんな小さなことが、出来栄えを大きく変えてしまうことも頭に入れておこう。