1. 加工方法からみた海苔の種類
一口に海苔の種類と言っても、加工方法から見た場合の種類と、使われる海藻の違いによる種類とがある。まずはわかりやすい加工方法の違いから紹介しよう。
【生海苔】一般的に海苔と言われる板状になっているものの原料となるのが、生海苔。海で収穫されたものが、板状に貼り合わせられて、我々がよく知っている海苔になる。また、海苔の佃煮は生海苔を加工して作られる。
【乾燥海苔】生海苔を薄い板のような状態に成形した海苔。生海苔を紙を漉くような要領で板状にする。昭和の時代までは、海苔といえばこの乾燥海苔が一般的で、各家庭で食べる前に火で炙って食されていた。海苔は焼くことで磯の香りが立ち、風味が増すので、本当の海苔好きは、今でも海苔問屋から乾燥海苔を買って、食べる直前に炙って食べるようだ。
【焼き海苔】そのまますぐに食べられるよう、乾燥海苔を焼いてパリッとさせてあるもの。今、家庭に常備されているのはほとんどが焼き海苔だろう。すぐに食べられる利点はあるが、風味は乾燥海苔よりやや落ちると言わざるをえない。食べる前に少し直火で炙ると、そのまま食べるよりは少し磯の香りが立ってくるのでトライしてみよう。
【味付け海苔】旅館の定番といえば、これ。焼き海苔にほんのり甘辛い味を付けた、ごはんのお供だ。子どもには特に人気が高い。
【青海苔】お好み焼きや焼きそばに欠かせない、緑色の粉状の海苔。アオノリ類の海藻を乾燥させて作られている。粉末にする前の状態で販売されているものは、味噌汁や吸いものに入れたり、天ぷらにしたりして味わうことができる。
【生海苔】一般的に海苔と言われる板状になっているものの原料となるのが、生海苔。海で収穫されたものが、板状に貼り合わせられて、我々がよく知っている海苔になる。また、海苔の佃煮は生海苔を加工して作られる。
【乾燥海苔】生海苔を薄い板のような状態に成形した海苔。生海苔を紙を漉くような要領で板状にする。昭和の時代までは、海苔といえばこの乾燥海苔が一般的で、各家庭で食べる前に火で炙って食されていた。海苔は焼くことで磯の香りが立ち、風味が増すので、本当の海苔好きは、今でも海苔問屋から乾燥海苔を買って、食べる直前に炙って食べるようだ。
【焼き海苔】そのまますぐに食べられるよう、乾燥海苔を焼いてパリッとさせてあるもの。今、家庭に常備されているのはほとんどが焼き海苔だろう。すぐに食べられる利点はあるが、風味は乾燥海苔よりやや落ちると言わざるをえない。食べる前に少し直火で炙ると、そのまま食べるよりは少し磯の香りが立ってくるのでトライしてみよう。
【味付け海苔】旅館の定番といえば、これ。焼き海苔にほんのり甘辛い味を付けた、ごはんのお供だ。子どもには特に人気が高い。
【青海苔】お好み焼きや焼きそばに欠かせない、緑色の粉状の海苔。アオノリ類の海藻を乾燥させて作られている。粉末にする前の状態で販売されているものは、味噌汁や吸いものに入れたり、天ぷらにしたりして味わうことができる。
2. 海藻からみた海苔の種類
海苔に使用される海藻からみると、主に次の3種類に分けられる。
【アサクサノリ】アマノリ属の紅藻の1種。昔はその名の通り、東京湾で養殖され、浅草で加工されていたが、今は九州の有明海などの一部地域だけで養殖されている。アサクサノリで作られた海苔は、乾燥状態では少し赤みを帯びた色合いだが、火で炙るとパアッと綺麗な緑色に変わる。
【スサビノリ】アマノリ属の紅藻の1種。現在、養殖されている海苔の多くがこの品種に当たる。アサクサノリに比べて、色が黒く、光沢感のあるしっかりした質感が特徴だ。
【ウップルイノリ】アマノリ属の紅藻の1種で、岩海苔の代表的な品種。アサクサノリやスサビノリで乾燥海苔を作る時は、海藻を細かく切って板状に成形していくが、ウップルイノリは裁断せずに、そのまま板に貼り合わせていくので、ところどころ穴が開いたような状態に仕上がることが多い。しかし、岩場に自生した天然物だけが「岩海苔」と称することができるので、見た目は少々粗くても、品質には全く問題がないそうだ。
【アサクサノリ】アマノリ属の紅藻の1種。昔はその名の通り、東京湾で養殖され、浅草で加工されていたが、今は九州の有明海などの一部地域だけで養殖されている。アサクサノリで作られた海苔は、乾燥状態では少し赤みを帯びた色合いだが、火で炙るとパアッと綺麗な緑色に変わる。
【スサビノリ】アマノリ属の紅藻の1種。現在、養殖されている海苔の多くがこの品種に当たる。アサクサノリに比べて、色が黒く、光沢感のあるしっかりした質感が特徴だ。
【ウップルイノリ】アマノリ属の紅藻の1種で、岩海苔の代表的な品種。アサクサノリやスサビノリで乾燥海苔を作る時は、海藻を細かく切って板状に成形していくが、ウップルイノリは裁断せずに、そのまま板に貼り合わせていくので、ところどころ穴が開いたような状態に仕上がることが多い。しかし、岩場に自生した天然物だけが「岩海苔」と称することができるので、見た目は少々粗くても、品質には全く問題がないそうだ。
3. 海苔の特産地
海苔の養殖に向くのは、海が遠浅で、潮の満ち引きが激しく、海水と淡水が混じる場所だと考えられている。その条件にマッチする場所として、海苔の養殖が盛んに行われているのが、九州は佐賀県の有明海だ。国内最大の干潟がある有明海は、現在国内生産の約4割を占め、日本一の生産量を誇っている。
そして次に多いのが、瀬戸内海沿岸である。兵庫県、香川県、広島県、和歌山県などの養殖場は水深が深く潮の流れが速い。そこで育つ藻を原料として作られる海苔は、肉厚で噛み応えのある食感が特徴だ。
この2大産地のほかに、東京湾(千葉県と神奈川県)、伊勢湾(愛知県、三重県)でも海苔の養殖は行われている。浅草海苔は日本を代表するブランドとして今でもその名を知られているが、実際には東京湾の埋め立てにより、1962年(昭和37年)に東京での海苔養殖の歴史は途絶えている。現在、東京湾の海苔養殖は千葉や神奈川で行われているのだが、有明海産や瀬戸内海産に比べても負けない香り高い海苔として、その価値を認められている。
そして次に多いのが、瀬戸内海沿岸である。兵庫県、香川県、広島県、和歌山県などの養殖場は水深が深く潮の流れが速い。そこで育つ藻を原料として作られる海苔は、肉厚で噛み応えのある食感が特徴だ。
この2大産地のほかに、東京湾(千葉県と神奈川県)、伊勢湾(愛知県、三重県)でも海苔の養殖は行われている。浅草海苔は日本を代表するブランドとして今でもその名を知られているが、実際には東京湾の埋め立てにより、1962年(昭和37年)に東京での海苔養殖の歴史は途絶えている。現在、東京湾の海苔養殖は千葉や神奈川で行われているのだが、有明海産や瀬戸内海産に比べても負けない香り高い海苔として、その価値を認められている。
4. 海苔の旬
1年中出回っている海苔に、果たして旬はあるのだろうか?
米には新米、そばには新そばというように、作物が収穫されてすぐの時期が珍重されるように、海苔にも新海苔と呼ばれる季節があるのだ。
それは、11月の初旬~年内いっぱいくらいまで。海苔の収穫は11月初め~3月半ばくらいまで行われるのだが、11月に摘み取られた海苔は、豊かな磯の香りと海苔本来の甘味が強く、海苔好きにはたまらないご馳走だ。毎年、この時期になると、海苔問屋から1年分を取り寄せる人も多いと聞く。
「新海苔」は「初摘み海苔」とも呼ばれ、贈答用としてお歳暮でも人気が高い。
もし新海苔が手に入ったら、焼き海苔であっても食べる直前にサッと炙ってみよう。新海苔ならではの風味が引き立ち、磯の香りが立ち込めてくるはずだ。白いごはんに軽くパリッとした香り高い海苔さえあれば、もうそれだけで十分に幸せな食卓になることだろう。
米には新米、そばには新そばというように、作物が収穫されてすぐの時期が珍重されるように、海苔にも新海苔と呼ばれる季節があるのだ。
それは、11月の初旬~年内いっぱいくらいまで。海苔の収穫は11月初め~3月半ばくらいまで行われるのだが、11月に摘み取られた海苔は、豊かな磯の香りと海苔本来の甘味が強く、海苔好きにはたまらないご馳走だ。毎年、この時期になると、海苔問屋から1年分を取り寄せる人も多いと聞く。
「新海苔」は「初摘み海苔」とも呼ばれ、贈答用としてお歳暮でも人気が高い。
もし新海苔が手に入ったら、焼き海苔であっても食べる直前にサッと炙ってみよう。新海苔ならではの風味が引き立ち、磯の香りが立ち込めてくるはずだ。白いごはんに軽くパリッとした香り高い海苔さえあれば、もうそれだけで十分に幸せな食卓になることだろう。
結論
「アサクサノリ」が海苔の種類であり、今では東京の浅草ではなく、九州の有明海の一部で養殖されているという事実に、「目からウロコ」状態の人も多いのでは。普段、種類や産地にこだわって選ぶことのない海苔だが、この機会に「この海苔はどこで養殖された何海苔か?」と思いを馳せてみてはいかがだろうか。