1. 「初めちょろちょろ、中ぱっぱ、赤子泣いてもふた取るな」とは

「初めちょろちょろ、中ぱっぱ、赤子泣いてもふた取るな」という歌を聞いたことがあるだろうか。「初めちょろちょろ中ぱっぱ、ブツブツいうころ火を引いて、ひと握りのワラ燃やし、赤子泣くともふた取るな」「はじめちょろちょろ中ぱっぱ、ジュウジュウ吹いたら火を引いて、赤子泣いてもふた取るな」など、様々なバージョンが存在する。これらの歌には食にまつわる歴史と、おいしいご飯を炊くためのノウハウが詰まっている。江戸時代から言い伝えられているようだ。
初めちょろちょろとは
釜で炊飯するには、60分程度が必要とされている。「初めちょろちょろ」とは、米に水を吸収させるための時間だ。予備炊きとも呼ばれ、20分程度必要である。約50℃の水温を維持すると、20分で吸水が飽和状態になるからだ。より甘みを引き出すために、弱火で米の中心まで吸水させる。
中ぱっぱとは
しっかりと吸水したら、一気に強火にして沸騰させる。沸騰して100℃以上になることがおいしいご飯を炊き上げる秘訣だ。沸騰したら徐々に火力を落として粘りと甘みを加えていき、20分程度で次の段階に移行する。
赤子泣いてもふた取るな
ここから蒸らしに入る。蒸らしの段階は釜の温度を下げないことが重要なので、「赤子泣いてもふた取るな」、つまり何があっても蓋を取ってはいけないということに繋がる。別の歌には「赤子泣いてもふた取るな」の前に「ひと握りのワラ燃やし」という言葉があるが、これは焦がさない程度の追い炊きをするということだ。追い炊きをすることで、ツヤとハリのあるご飯に仕上げることができる。
2. いつも食べているご飯の炊き方は難しい?

日本の炊飯法は、「炊き干し法」と呼ばれている。米にちょうどよい水を加えて炊飯する方法だ。この方法で炊飯するのは、米を主食としている国の中でも日本とごく限られた国だけである。多くの国では、「湯とり法」という方法が主流だ。これはたっぷりの水で一定時間炊飯した後、ザルにあげて蒸すという方法である。
「炊き干し法」はもっちり粘りのある食感に炊き上がるが、「湯とり法」はサラサラとした食感になる。「湯とり法」は水を計量する必要がなく、炊きあがるまでの時間は20分程度と短いのが特徴だ。
一方「炊き干し法」は、米の重量に合わせて水を計量する必要があり、吸水率が1%変わるだけで食感や味が異なるため、難しい方法なのだ。
「炊き干し法」はもっちり粘りのある食感に炊き上がるが、「湯とり法」はサラサラとした食感になる。「湯とり法」は水を計量する必要がなく、炊きあがるまでの時間は20分程度と短いのが特徴だ。
一方「炊き干し法」は、米の重量に合わせて水を計量する必要があり、吸水率が1%変わるだけで食感や味が異なるため、難しい方法なのだ。
3. 釜と土鍋の炊飯法は違う?

「初めちょろちょろ、中ぱっぱ、赤子泣いてもふた取るな」は、釜で炊飯するときの言い伝えである。土鍋で炊飯するときも工程は変わらないが、時間や火力が異なるので注意していただきたい。
釜ははじめ弱火にかけるが、土鍋で炊飯する際ははじめから中火にかけてよい。沸騰した後は弱火で水気がなくなるまで15分程度炊く。その後は火を切り、10分程度蒸らせば炊きあがりだ。土鍋と釜は保温性と熱伝導率が異なるため、炊飯する際にはそれぞれに適した炊き方を行いたい。
また、炊飯用の土鍋でないものを用いる場合、密閉度が低いことがある。その際は土鍋の穴を箸でふさいだり、土鍋のふちに濡れ布巾を巻き付けたりすると密閉度や圧力が高まるので、試してみてはいかがだろうか。
釜ははじめ弱火にかけるが、土鍋で炊飯する際ははじめから中火にかけてよい。沸騰した後は弱火で水気がなくなるまで15分程度炊く。その後は火を切り、10分程度蒸らせば炊きあがりだ。土鍋と釜は保温性と熱伝導率が異なるため、炊飯する際にはそれぞれに適した炊き方を行いたい。
また、炊飯用の土鍋でないものを用いる場合、密閉度が低いことがある。その際は土鍋の穴を箸でふさいだり、土鍋のふちに濡れ布巾を巻き付けたりすると密閉度や圧力が高まるので、試してみてはいかがだろうか。
結論
昔から言い伝えられている「初めちょろちょろ、中ぱっぱ、赤子泣いてもふた取るな」には、先人の知恵が詰まっている。今や釜でご飯を炊く機会は少ないが、飯盒炊爨をするときや土鍋で炊飯するときに思い出してみてはいかがだろうか。