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【穴子】の種類と旬の時期、選び方のコツ。おすすめの食べ方も紹介

【穴子】の種類と旬の時期、選び方のコツ。おすすめの食べ方も紹介

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 渡邉里英(わたなべりえ)

鉛筆アイコン 2020年3月23日

ウナギに似ているが、脂はやや控えめで淡泊とされる「穴子」。寿司や天麩羅など江戸前料理に欠かせない魚類で、最近は脂っこいウナギよりも穴子好みへシフトしたお父さんも多いのではないだろうか。関西では焼き、関東では煮て食すことが多い穴子。その種類や特産地など、基本的なうんちくを調べてみた。

  

1. 穴子の種類

穴子はウナギ目、アナゴ科の食用魚。ウナギとよく似ているが、淡水域に生息するウナギと異なり、海で一生を過ごす。穴子という名の語源は、海底の砂泥の中に穴居している生態「あなごもり」に由来するなど諸説ある。一般にあるといえばマアナゴを指し、体側に沿って小さな斑紋が等間隔に並ぶため「ハカリメ」との別称も。また、身体がウナギに似ているところから「うみうなぎ」ともいわれ、「海鰻」と書いて「あなご」と読ませることもあるそうだ。マアナゴのほか、クロアナゴ、ギンアナゴなどが流通している。

穴子は特に関東地方で賞味されてきた。「江戸前の穴子」は美味な穴子の代名詞だ。昔は東京湾の羽田、大森、浦安などでよくあがり、天麩羅に寿司、穴子丼など、江戸の食文化の主要食材として名物となってきた。しかし、今や国内ではあまり獲れなくなり高値安定。中国や朝鮮半島からの輸入ものが増えてきている。
  • マアナゴ
    穴子といえば一般的にこちらを指す代表的な種。体長は雄が40cm、雌が90cmほど。体は全体に茶褐色で、体側線上に竿秤の目盛りのような白い点線が規則的に並ぶ。北海道以南から中国南東部の沿岸に分布し、浅い海の砂泥底に生息している。
  • ギンアナゴ
    愛知県三河地方などで「アナゴ」と呼ばれる近親種。この地方ではマアナゴを「めじろ」と呼ぶ。北海道以南、東シナ海に生息。あっさりめの味で干物などにも利用される。
  • クロアナゴ
    全長1.5m程でマアナゴより大きく皮も固い。主に魚肉練り製品の材料として利用されている。
  • イラコアナゴ
    スーパーで蒲焼きとしてパックで売られていて、回転寿司のネタにもなるリーズナブルさが魅力。三陸沖など、東北地方の太平洋沿岸や北海道で獲れる。
  • ノレソレ
    アナゴの稚魚・レプトケファルス。高知県では新春のシラス漁の網で獲れる。透明で体長5cm~8cm程の細長い形状からか、淡路島ではハナタレ(鼻垂れ)とも呼ばれる。

2. 穴子の特産地&旬

東京湾近郊をはじめ大阪湾や淡路島周辺、瀬戸内海などでも昔は豊富に獲れたという穴子。現在の国内漁獲量の多い県は、長崎、島根、愛知、兵庫となっている。

穴子の旬は、一般に身の脂分が少なくさっぱりした6月~8月とされるが、脂がのる秋から冬にかけての穴子を好む人もいる。

なかでも近年、食通たちの注目を一身に集めているのが、長崎県・対馬で獲れる金色に輝く「黄金(こがね)穴子」だ。対馬は、今や穴子水揚げ量日本一を誇る産地。その西の沖でしか獲れない黄金穴子は、150m~200mほどの海底に棲み、深海イワシやエビカニなどの餌を食べ、程良く上品な脂がのっている。噛むほどにじんわり出てくる脂と、とろけるような柔らかさが絶品なのだそうだ。

地元の料理店へ行くと、定番の天ぷらや寿司のほか白焼き、穴子カツ、鍋などさまざまな料理で食べさせてくれる。特筆すべきは、とびきり新鮮な穴子を薄造りにした刺身。フグやクエなどの高級魚にも匹敵する旨さと聞くと、1度味わってみたいと心がときめく。産地ならではの絶品の味を求めて旅をしたくなってくる。

3. 穴子の選び方&食べ方

丼からはみ出すほど大きな穴子天丼や、「ツメ」(煮汁を長年煮詰めたもの)を一刷けした穴子の握りは、江戸前の伝統を継ぐ東京の名物料理だ。味で評判の天麩羅屋や寿司屋では、サイズが大きくなると脂が強くなるので、穴子の大きさにこだわる店も多い。天麩羅にはやや小ぶりの30cmほどの「メソアナゴ」が最上とされているそうだ。

さて、今宵も江戸前の味で舌鼓といきたいが、たまには自宅のキッチンで穴子料理に挑戦してみるのもよいだろう。開いた穴子や焼き穴子などをスーパーで買ってきたり、取り寄せたりすれば、少し手間をかけるだけで1品完成だ。

まずは、穴子の開きを使って、煮穴子をマスターしてみてはいかがだろうか。穴子は背ビレを切り落としておくと、加熱した際に身が丸まるのを防げる。皮を上にしてザルに置いたら熱湯を回しかけ、さっと流水で洗って、ペーパーで水気を拭き取ろう。下ごしらえが済んだら、鍋に出汁、酒、みりん、砂糖を入れてひと煮立ち。この鍋に穴子を入れ、落としぶたをして数分ほど煮ていこう。仕上げに醤油を加えさらに数分煮れば完成だ。

この煮穴子はそのまま食しても美味しいが、ホカホカの白飯に乗せて穴子丼にしてもとびきりの味。何度かトライして、柔らかくふっくら煮る腕前を磨こう。

また、酒と濃口醤油で煮た穴子のお茶漬けも格別。こちらは市販の焼き穴子を利用すれば手早く簡単だ。夏場の食欲がわかない時でもサラサラといただける。

結論

築地市場で食したふっくら柔らかい穴子丼。銀座の天麩羅屋でいただいたサクッとした衣をまとった穴子天。下町の寿司屋でほおばった口に入れるととろけた穴子寿司。絶品な穴子は数あれど、最近は穴子のしゃぶしゃぶや刺身を供す店も都心にできていると聞く。新たな穴子の味を求めて、のれんをくぐってみたいものだ。

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  • 公開日:

    2018年11月 9日

  • 更新日:

    2020年3月23日

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