1. 小麦粉は何を使えばいい?

うどんを手打ちするのに必要な材料は、意外と簡単。小麦粉と塩、水があればよい。讃岐うどんに用の小麦粉の種類は、いまは国産小麦を使ったものが少なく、約8割がオーストラリア産だという。しかも、讃岐うどん用に作られた小麦粉には、「赤アヒル」とか「緑アヒル」とか「金魚」、「雀」などユーモラスな名前がつけられている。その他「さぬきの夢2000」など国産小麦を使った製品もあり、その種類は60種類ほどあると言われている。それぞれタンパク質の量や吸水率が異なるので、好みの小麦粉を探してみよう。タンパク質の量が多いほど麺に粘り気が出るグルテンの量も多く、成形しやすいという特徴がある。
一般にオーストラリア産小麦は水や塩の量の加減がしやすく、国産小麦は味わい深いが熟練した職人が打つのに適していると言われている。「さぬきの夢2000」の場合、気温の変化による影響を受けやすいので、土三寒六常五杯(どさんかんろくじょうごはい)、夏は塩1に対して水が3、冬は塩1に対して水6、春と秋は塩1に対して水5という割合で混ぜると昔から伝えられている。つまり気温によって塩の量が変わるということなのだが、それゆえ小麦粉の扱いに慣れるまでオーストラリア産の小麦で作るという方法もある。
一般にオーストラリア産小麦は水や塩の量の加減がしやすく、国産小麦は味わい深いが熟練した職人が打つのに適していると言われている。「さぬきの夢2000」の場合、気温の変化による影響を受けやすいので、土三寒六常五杯(どさんかんろくじょうごはい)、夏は塩1に対して水が3、冬は塩1に対して水6、春と秋は塩1に対して水5という割合で混ぜると昔から伝えられている。つまり気温によって塩の量が変わるということなのだが、それゆえ小麦粉の扱いに慣れるまでオーストラリア産の小麦で作るという方法もある。
2. 塩は何がいい?

うどんを作るには小麦に塩を加える必要がある。ここで小麦の話に戻るが、実は収穫したばかりの小麦は、タンパク質を分解する作用のある各種酵素を含んでいる。そのため新鮮な小麦を使ってもお菓子やパンの生地がダレてしまったり、きれいに膨らまなかったりすることがある。少し時間を置いて、自然に酸化が進み熟成した小麦粉のほうが製菓や製パンに適しているのだ。
麺類に小麦を使う場合、ケーキやパンのように膨らませる必要がないのだが、小麦粉に塩を加えることで酵素の働きを弱め発酵を抑制している。そして、発酵は気温が高いほど進むため、暑い時は塩の量を多く、寒い時は控えめにするというように量の加減が必要なのである。
使用する塩の種類は、自然塩と岩塩がある。というのも、海水から採れる自然塩には塩化ナトリウム以外にマグネシウムやカリウム、カルシウムなどのミネラルが含まれていて、にがりの成分が苦味や渋みを持っているため深みのある味わいになるのである。岩塩の場合は、長年の間にそうした成分が溶け出してしまっている。しかし、岩塩から作られる食塩には、製造過程でミネラルなどが加えられている製品もある。瀬戸内海沿岸は昭和40年頃まで塩田を利用した塩の生産が盛んに行われていて、そのため讃岐うどんを作るのに適した環境にあったと考えられている。ちなみに、225gのゆでうどんを作ろうと思うと約4gの塩が必要なのであるが、うどんをゆでる時に塩分はゆで汁に溶けるので、うどんそのものが過剰摂取につながることはない。
麺類に小麦を使う場合、ケーキやパンのように膨らませる必要がないのだが、小麦粉に塩を加えることで酵素の働きを弱め発酵を抑制している。そして、発酵は気温が高いほど進むため、暑い時は塩の量を多く、寒い時は控えめにするというように量の加減が必要なのである。
使用する塩の種類は、自然塩と岩塩がある。というのも、海水から採れる自然塩には塩化ナトリウム以外にマグネシウムやカリウム、カルシウムなどのミネラルが含まれていて、にがりの成分が苦味や渋みを持っているため深みのある味わいになるのである。岩塩の場合は、長年の間にそうした成分が溶け出してしまっている。しかし、岩塩から作られる食塩には、製造過程でミネラルなどが加えられている製品もある。瀬戸内海沿岸は昭和40年頃まで塩田を利用した塩の生産が盛んに行われていて、そのため讃岐うどんを作るのに適した環境にあったと考えられている。ちなみに、225gのゆでうどんを作ろうと思うと約4gの塩が必要なのであるが、うどんをゆでる時に塩分はゆで汁に溶けるので、うどんそのものが過剰摂取につながることはない。
3. 「だし」と「かえし」

讃岐うどんはかけ汁の中に入れて温かい状態で食べる場合と水でしめた後にざるに盛り、つけ汁に麺をつけながら食べる場合がある。かけ汁もつけ汁もだしとかえしを適当な割合で混ぜて作る。ここではだしとかえしの作り方について説明する。
●だしの作り方
讃岐うどんのだしは昔からいりこだしが使われてきた。いりことは煮干しのことである。まず水を張った鍋に昆布を入れて水だしを取り、そこにいりこを入れて火にかける。沸騰直前に昆布を取り出し、アクを取りながら15~20分煮たらいりこも網で取り出す。その後、サバ節もしくはイワシ節を加え、アクを取りながら10~15分煮る。仕上げに鰹節を入れ、強火で煮立てたら火を止めてこす。材料の分量だが、水5リットルに対し、真昆布10g、いりこが80g、サバ節・イワシ節が30g、鰹節が30gである。
●かえしの作り方
かえしは鍋に180gのザラメ糖と200ccのみりんを入れて加熱し、ザラメ糖を煮溶かす。その後、濃口しょうゆ900ccを加えてアクを取りながら5分煮る。
●だしの作り方
讃岐うどんのだしは昔からいりこだしが使われてきた。いりことは煮干しのことである。まず水を張った鍋に昆布を入れて水だしを取り、そこにいりこを入れて火にかける。沸騰直前に昆布を取り出し、アクを取りながら15~20分煮たらいりこも網で取り出す。その後、サバ節もしくはイワシ節を加え、アクを取りながら10~15分煮る。仕上げに鰹節を入れ、強火で煮立てたら火を止めてこす。材料の分量だが、水5リットルに対し、真昆布10g、いりこが80g、サバ節・イワシ節が30g、鰹節が30gである。
●かえしの作り方
かえしは鍋に180gのザラメ糖と200ccのみりんを入れて加熱し、ザラメ糖を煮溶かす。その後、濃口しょうゆ900ccを加えてアクを取りながら5分煮る。
結論
小麦粉と塩、水だけで作ることができる讃岐うどんの麺。単純な材料だが、それぞれの材料が持つ特性を把握して、気温も考慮しながら打つ必要がある。麺職人になった気分でまずは楽しんでみよう。