1. みりんの種類

蒸したもち米と米麹、焼酎またはアルコールを原料にした「みりん」は、いわずと知れた酒類の1種。その発祥は中国から渡来したとも、博多で作られたともいわれ、戦国時代には甘い高級酒として女性にも飲まれていたようだ。調味料として用いられるようになったのは、江戸時代のこと。うなぎのかば焼きやそばつゆなどの流行とともに、甘味を含む調味料として利用され、醤油との組み合わせによって、江戸料理ならではの甘辛い味わいを生み出してきた。
明治になっても高級品だったみりん。第2次世界大戦後に酒税法が改正されると価格が頃となり、台所に欠かせない存在に。現在売られている種類には、本みりん、みりん風調味料、発酵調味料がある。以下に詳しく紹介しよう。
明治になっても高級品だったみりん。第2次世界大戦後に酒税法が改正されると価格が頃となり、台所に欠かせない存在に。現在売られている種類には、本みりん、みりん風調味料、発酵調味料がある。以下に詳しく紹介しよう。
- 本みりん
蒸したもち米、うるち米から作られる米麹、焼酎などのアルコールを加えて仕込み、40日程から1年間以上かけて糖化・熟成させたもの。糖分は45%、アルコール度数は約14度で、酒税法上では酒類として分類。口に含むとまろやかで深いコクが感じられる。
◎旧式製法
みりん本来の伝統的製法。単式蒸留をした乙類焼酎を使い、和釜で仕込み後のみりんもろみを長期間、糖化熟成させる。原料の風味と香りがプラスされる。
◎新式製法
ホワイトリカーなどの連続式蒸留をした甲類焼酎を使用。40日~60日と、比較的短期間で醸造・熟成できる。
◎本直し
本みりんに焼酎を加えた酒。アルコール分は約22%含有。関西では柳陰(やなぎかげ)と呼び、氷で割って夏の飲物に。 - みりん風調味料
ブドウ糖、水飴などの糖類とグルタミン酸、香料が原料。みりんに似た甘味料でアルコール分は1%未満。酒税の対象にならず低コストなため、本みりんよりも低価格で流通している。 - 発酵調味料
もち米、米麹、アルコールをあわせて発酵させた後、塩分を加えたもの。酒税法から外れるため、本みりんより安価。主に加工食品に香味を加えるために用いる。
2. みりんの特産地

みりんの生産量は、シェアトップの千葉県が過半数を占める。続いて愛知県、兵庫県が続く。
千葉県流山市は、200年を超える歴史をもつみりんの街。つくばエクスプレス沿線にあり、昨今発展を遂げている、子育て世代から注目を浴びる街だ。原料であるもち米やうるち米の産地が近く、江戸川の水資源と水運に恵まれていたことから、この地でみりん作りが発展したという。みりんを用いたケーキやピザが食せるレストランやカフェもあり、みりんのスイーツなども販売している。
また、現存する最古の醸造元がある愛知県碧南市は、江戸時代から続くみりんのふるさと。「九重みりん時代館」「九重味醂大蔵」などの観光スポットがあり、近隣には、古式製法を守るみりんの蔵元が多く現存。日本の食文化の伝統を守り伝えている。
千葉県流山市は、200年を超える歴史をもつみりんの街。つくばエクスプレス沿線にあり、昨今発展を遂げている、子育て世代から注目を浴びる街だ。原料であるもち米やうるち米の産地が近く、江戸川の水資源と水運に恵まれていたことから、この地でみりん作りが発展したという。みりんを用いたケーキやピザが食せるレストランやカフェもあり、みりんのスイーツなども販売している。
また、現存する最古の醸造元がある愛知県碧南市は、江戸時代から続くみりんのふるさと。「九重みりん時代館」「九重味醂大蔵」などの観光スポットがあり、近隣には、古式製法を守るみりんの蔵元が多く現存。日本の食文化の伝統を守り伝えている。
3. みりんの選び方

古くから伝わる本来の製法で造られた本みりん。糖分とアミノ酸が豊富に含まれている自然派の調味料だからこその、まろやかな甘味が特徴だ。味のよさだけでなく、糖やアルコールの働きにより、以下のようなさまざまなメリットがある。
◎砂糖よりも食品への浸透性がよく、上品な甘味が加わる。また、砂糖の糖分はショ糖だけだが、本みりんにはブドウ糖やオリゴ糖など9種類以上の糖類が含まれている。それらが一体となった深い丸みが料理全体にしみわたり、しつこくないのにコクのある甘さを生み出す。
◎糖が素材の表面に被膜を作り水分をキープ。料理に照りやツヤをつけて、美味しそうに見せてくれる。
◎アルコールの分子の働きで、みりんのコクのある旨味が、材料によく染み込む。アルコールは調理中に熱で蒸発し、旨味成分のみが素材に封じ込められる。
◎糖とアミノ酸が加熱されることにより、美しい焼き色に仕上がる。
◎アルコールがペクチンを溶けにくくし、材料を引き締め、煮崩れを防止する。
◎アルコールが加熱で蒸発する際に、魚などの材料の生臭さを取り除く。
◎加熱によって甘い香り成分が生み出される本みりん。焦げると、さらに香ばしくよい香りが生まれる。
◎味噌、醤油、酢など、昔ながらの醸造調味料と好相性。液体ゆえに混ざりやすく、味ムラなく全体の味を調和させ、まとめあげる。
普段作る家庭の料理にプロの味のような美味しさをプラスしてくれる、天然醸造の本みりん。値は少々張っても、台所に1本常備することをおすすめしたい。
◎砂糖よりも食品への浸透性がよく、上品な甘味が加わる。また、砂糖の糖分はショ糖だけだが、本みりんにはブドウ糖やオリゴ糖など9種類以上の糖類が含まれている。それらが一体となった深い丸みが料理全体にしみわたり、しつこくないのにコクのある甘さを生み出す。
◎糖が素材の表面に被膜を作り水分をキープ。料理に照りやツヤをつけて、美味しそうに見せてくれる。
◎アルコールの分子の働きで、みりんのコクのある旨味が、材料によく染み込む。アルコールは調理中に熱で蒸発し、旨味成分のみが素材に封じ込められる。
◎糖とアミノ酸が加熱されることにより、美しい焼き色に仕上がる。
◎アルコールがペクチンを溶けにくくし、材料を引き締め、煮崩れを防止する。
◎アルコールが加熱で蒸発する際に、魚などの材料の生臭さを取り除く。
◎加熱によって甘い香り成分が生み出される本みりん。焦げると、さらに香ばしくよい香りが生まれる。
◎味噌、醤油、酢など、昔ながらの醸造調味料と好相性。液体ゆえに混ざりやすく、味ムラなく全体の味を調和させ、まとめあげる。
普段作る家庭の料理にプロの味のような美味しさをプラスしてくれる、天然醸造の本みりん。値は少々張っても、台所に1本常備することをおすすめしたい。
結論
目立たない存在ながらも、きっちり料理の味わいを深めてくれるみりん。その優しい甘さとコクをまとった料理は、いくら食べても食べ飽きないほどだ。上質な本醸造ものを使うだけで、きんぴらごぼうや肉じゃが、煮魚など、定番料理が料亭の味に近づくだろう。