1. 塩豚とベーコンの共通点と相違点

材料が同じ
ベーコンも塩豚も、基本の材料は同じで、豚バラの塊肉である。使う調味料もベースは塩。ベーコンには、砂糖やスパイスを加えるのが一般的である。双方、肉を保存するための技術から生まれた食品であることも共通している。ベーコンはソミュール液に漬けて作る方法もある。ちなみにイタリア料理に使われるパンチェッタや沖縄料理のスーチカーは、塩豚とほぼ同意義。生ベーコンといったところだろうか。
塩分濃度
双方、塩分濃度は2%くらいに設定されることが多く、これはかなりしょっぱい方だ。ベーコンは塩抜きをするが、塩豚は塩抜きせず、そのまま食べることも大きな違いだろう。ベーコンはこの後、燻製にする際にさらに水分が抜けるので、塩抜きをしないと食べられないほどしょっぱい状態になってしまうのだ。
燻製するか否か
ベーコンは燻製が最後の工程であり、これこそベーコンがベーコンたる所以ともいえる重要な作業だ。塩分濃度の強い塩につけて、塩抜きをすることで、肉全体に満遍なく塩がいきわたるのである。燻製することでさらに水分が抜けるので、塩豚よりも保存期間が長くなる。対して塩豚は、塩で漬け込むだけと工程的にもかなり簡易的で、保存期間はベーコンよりも短いが、家庭でも作りやすい。
2. 塩豚を使うメリットデメリット

安心安全
塩豚は塩と豚肉だけ、しかも家庭で作ることができるので、添加物はもちろん入っていない。スーパーなどで販売されている多くのベーコンには、添加物がたっぷりと入っている。この点は、塩豚を代用する大きなメリットと言えそうだ。
旨みはやや少ない
ベーコンには砂糖が使われていること、燻製されていることから、かなり旨みや風味が強い。その点、塩豚の場合はベーコンと同じ旨みを演出することは難しい。ただ、豚肉本来の旨みを生かすことで、十分リカバリーできる。
リーズナブル!!
安心の材料で作られたベーコンを1本買おうとすると、結構な値段になってしまう。対して豚バラ肉であれば、比較的リーズナブルに購入することができる。ほかに使うものも塩だけなので、トータル的に見て、塩豚の方がリーズナブルということになる。これなら、気負わずたっぷりと使うことができるだろう。
3. 塩豚の代用方法を徹底解説!

脂を上手に活用
塩豚の脂には旨みがたっぷり。その脂を他の具材にまとわせると、ぐっと旨みが増す。豚バラ肉を使用しているので、基本的には炒める際にほかの油類は入れず、塩豚からじわじわと脂を出すのが正解だ。
切り方で調節
ベーコンの代用として使う場合は、できるだけ薄切りにすることで、ほとんどのレシピは対応が可能だ。まずはパスタやサラダに使ってみよう。旨みが足りないと感じる場合は、ほんのひとつまみ砂糖を入れてみよう。これで味が一気に締まる。煮込む場合は、ぜひ厚切りにしてみてほしい。ゆっくりと火を入れれば、ほろっと口のなかでほどける柔らかさに仕上がる。
結論
塩豚は簡単に作ることができ、ベーコンの代用品としても十分料理に活用できる。素材もシンプルで、添加物が入っていないため体にも優しい、とよいことづくめだ。比較的リーズナブルに作ることができるので、まずは一度挑戦してみてほしい。その魅力にハマる人も多いはず!