1. 下処理の前に

鶏肉の目利き
下処理はもちろんだが、まずは新鮮な鶏肉を買うことが先決。スーパーで買う場合は、パックの中にドリップと呼ばれる肉汁や水分が多く出ていないものを選ぼう。色はくすんでいない桃色のものが◎。皮部分の毛穴が大きく盛り上がっているものも新鮮である、1つの指標だ。
ひき肉の場合
ひき肉は、特に傷みやすい。新鮮なものを判断するのはなかなか難しいので、モモ肉や胸肉を買ってきて、フードプロセッサーや包丁で叩き、自家製ひき肉にするのがオススメ。モモ肉と胸肉を合わせて、自分好みのバランスに仕上げることもできる。
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2. 正しい下処理方法

水気をよく拭き取る
鶏肉を洗う人がいるが、鶏肉にはカンピロバクターという食中毒の原因菌が潜んでいるケースがある。キッチンで洗うことでその菌が水によって飛びちることで、二次感染の可能性があって危険のようだ。とはいえ、水気は臭みの原因になる。キッチンペーパーでしっかりと拭き取るといいだろう。
余分な脂肪を取り除く
次に行うのは、余分な脂肪を取り除くこと。余分な脂肪とは、肉から大幅にはみ出している皮部分や黄色く目立つ脂肪の塊を指す。丁寧に取り除くことで、独特の臭みが抜け、より美味しく食べることができる。包丁の先を使って取り除くことができるが、初心者なら、キッチンバサミがオススメ。硬い軟骨などがついている場合も同様に取り除こう。
3. 部位別+ワンテクニックでもっと美味しく

もも肉は筋切りでより柔らかく
ソテーや煮物にする場合は、あらかじめ筋切りをしておくと柔らかい食感を楽しむことができる。やり方は簡単。身の部分を包丁の刃元部分で叩くだけ。あまり強く行うと肉が切れてしまうので、軽いタッチで叩くといい。
胸肉は観音開きが◎
鶏の胸肉は、安くてヘルシーな食材。やや厚みがあるので、そのまま調理するとパサパサになってしまうこともしばしば。そこで厚みを削ぐよう観音開きにするのがオススメ。皮を下にして、三角にとがった方を手前に置く。中央に肉の厚みの半分くらいのところまで切り込みを入れ、そのまま包丁を右に寝かせながら、切り口を左側を開いていく。逆も同様に行う。
ささみは筋取りがマスト
鶏のささみは、大抵の場合筋がついている。この筋は、噛み切れず口に残るので、あらかじめ取っておく方が良い。まず筋がついている方を上にして置く。筋をつまみながら、筋の両側に切り込みを入れる。裏返し、筋をしっかりと手で持ち、包丁でしごくようにして取り除く。ちょっとしたコツが必要だが、慣れれば簡単に取り除くことができる。
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4. 下味で差をつける

胸肉のパサつきを抑える
胸肉特有のパサパサした感じ、苦手な人も多いだろう。あのパサつきを抑える方法が実はあるのだ。前述の通り、観音開きにして厚みを薄くするのがまずは先決。そのあとに〝塩麹〟と呼ばれる調味料で下味をつけるだけで、驚くほどジューシーな味わいになる。ちなみに〝塩麹〟は、米麹と塩を混ぜて作る発酵調味料。味に深みを出したり、肉を柔らかく仕上げるのに欠かせない自家製調味料だ。
生姜&にんにくの強力タッグ
鶏肉特有の匂いが苦手、という人には、生姜やにんにくで下味をつけるのがオススメ。和食なら、醤油と酒、洋風なら塩と白ワインなどと合わせるといいだろう。鶏肉はスパイスとも相性がいいので、クミンやカレー粉、オレガノやバジルなどと上質なオイルでマリネするのもおすすめだ。
結論
鶏肉は下処理でグッと味に差の出る肉。間違っても洗ったりせず、上手に下処理をして美味しくいただきたい。さらに自宅では、前述のカンピロバクターなど、食中毒の危険があるので、完全に火が通った状態で食べよう。透明の肉汁が流れ、ピンクの部分がおおよそなくなっているか確認するのが正解だ。