1. ぶりの基本をおさらい

ぶりとは、スズキ目アジ科ブリ属に分類される海水魚の一種。成長すると全長1mくらいになり、紡錘形の見た目と目元から尾まで伸びている黄色い縦帯が特徴的である。代表的な出世魚であり、例えば、関東圏では大きさに応じてワカシ・イナダ・ワラサなどと呼ぶ。旬の時期のぶりは脂ノリがよくて、うま味や甘みも強い。刺身・寿司・ぶりしゃぶ・ぶり大根などにして食べることが多い。
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2. ぶりの基本的な旬は冬~春

ぶり(はまち)は、日本で最も養殖が盛んな海水魚であり(※1)、現在は1年中美味しいぶりを食べることができる。実際、東京都中央卸売市場の「市場統計情報」を見ても(※2)、ぶりは1年中取引されている。また、2021年の1年間の月別取引量を見ると、3~4月の取引量は1,000トン以上であり最も多い。このことから、取引量でみた場合のぶりの旬の時期は「冬~春頃」ということができる。
養殖ぶり・はまちの取引量が多い時期
「市場統計情報」には、「はまち(養殖)」の取引量もまとめられている。これによると東京都中央卸売市場では、12月頃から取引量が増えて1月にピークを迎えている。また、1月~2月が1,000トン以上の取引量となっている。このことから養殖ものは、特に冬頃に多く取引されているといえる。
3. 産地別のぶりの旬を紹介

農林水産省の「海面漁業生産統計調査」によると(※3)、ぶりは全国各地で漁獲されている。このうち特に漁獲量が多いのは、北海道、長崎県、島根県などである。こうした産地では、ぶりの旬の時期が少しずつ異なる。そこでそれぞれの地域のぶりの旬の時期を確認しておこう。
その1.北海道のぶりの旬
・旬:9~10月(秋)
北海道では2000年代に入ってからぶりの漁獲量が増えはじめて、2021年時点で日本一のぶり産地となっている。北海道の積丹半島沖で獲れるぶりは「天上ぶり」と呼ばれており、最高級ブランドとして知られている。また、天上ぶりは寒ブリシーズンの先がけであり、ファンも少なくないという。
北海道では2000年代に入ってからぶりの漁獲量が増えはじめて、2021年時点で日本一のぶり産地となっている。北海道の積丹半島沖で獲れるぶりは「天上ぶり」と呼ばれており、最高級ブランドとして知られている。また、天上ぶりは寒ブリシーズンの先がけであり、ファンも少なくないという。
その2.長崎県のぶりの旬
・旬:3~5月(春)
長崎県は、全国でも有数のぶり産地である。長崎県では「彼岸ぶり」と呼ばれる3~5月頃の痩せたぶりが多く漁獲されており、フライや冷凍切り身などに加工されることが多いという。また、同県の総合水産試験場は長崎大学と協力し、彼岸ぶりの新しい製品・商品の開発に取り組んでいるそうだ。
長崎県は、全国でも有数のぶり産地である。長崎県では「彼岸ぶり」と呼ばれる3~5月頃の痩せたぶりが多く漁獲されており、フライや冷凍切り身などに加工されることが多いという。また、同県の総合水産試験場は長崎大学と協力し、彼岸ぶりの新しい製品・商品の開発に取り組んでいるそうだ。
その3.島根県のぶりの旬
・旬:2〜4月(春)
島根県も、北海道や長崎県と並んで有数のぶり産地である。島根県では大社地区の水揚げ量が多く、この地域で獲れたぶりは「大社縁結びぶり」として知られている。大社縁結びぶりの特徴には、高鮮度な状態に維持できるよう、活〆・血抜き・低温管理などを行っていることがある。
島根県も、北海道や長崎県と並んで有数のぶり産地である。島根県では大社地区の水揚げ量が多く、この地域で獲れたぶりは「大社縁結びぶり」として知られている。大社縁結びぶりの特徴には、高鮮度な状態に維持できるよう、活〆・血抜き・低温管理などを行っていることがある。
その他の主な産地の旬の時期(※4)
・石川県(天然能登寒ぶり):12~2月(冬)
・三重県(三重の天然ブリ):1~4月(春)
・福井県(若狭の寒ブリ):11~2月(冬)
・愛媛県(愛育フィッシュ戸島一番ブリ):11~2月(冬)
・京都府(今日の寒ぶり):11~2月(冬)
・富山県(富山湾のブリ):12~2月(冬)
・新潟県(佐渡の寒ブリ):11~1月(冬)
・三重県(三重の天然ブリ):1~4月(春)
・福井県(若狭の寒ブリ):11~2月(冬)
・愛媛県(愛育フィッシュ戸島一番ブリ):11~2月(冬)
・京都府(今日の寒ぶり):11~2月(冬)
・富山県(富山湾のブリ):12~2月(冬)
・新潟県(佐渡の寒ブリ):11~1月(冬)
4. 旬のぶりの美味しい食べ方

旬の時期の脂がのったぶりは、刺身・寿司などにして生で食べるのが人気となっている。しかし、このほかにも、ぶり大根、ぶりの甘煮、ぶりの幽庵焼き、ぶりの串焼き、ぶりしゃぶ、ぶりのたたき風などにしても美味しく食べることが可能だ。ぶりの下処理方法、さばき方、基本のレシピなどは以下のページで解説しているので、旬の時期のぶりを美味しく食べたいならチェックしてみよう。
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結論
スーパーや鮮魚店などで1年中見かける「ぶり」。そんなぶりの旬は冬~春頃であり、特に冬のぶりは「寒ぶり」として親しまれている。ほかの時期のぶりも美味しいが、冬の時期にはぜひ脂がたっぷりと乗ったぶりを楽しんでみよう。
(参考文献)
- ※1:全国海水養魚協会「ブリ(鰤)/ハマチ(八町)」
https://www.yoshoku.or.jp/gyosyu/buri/ - ※2:東京都中央卸売市場「市場統計情報(月報・年報)」
https://www.shijou.metro.tokyo.lg.jp/torihiki/geppo/ - ※3:農林水産省「海面漁業生産統計調査」
https://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/kaimen_gyosei/ - ※4:全国漁業協同組合連合会「プライドフィッシュ」
https://www.pride-fish.jp/
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