目次
1. しっかり味のしみた親子丼にしたいなら鶏肉に下味を

親子丼は火加減と手際が命。鶏肉に火が通っていないのは論外として、火を通し過ぎてしまうと今度は身が固くなってしまう。その一方で、じっくりコトコト煮込まないと鶏肉に味がしみないまま火が通りきってしまうという問題もある。
そこでおすすめしたいのが、鶏肉をあらかじめ酒や醤油に浸けておき、下味を付ける方法だ。事前に下味を付けておけば、鶏肉に味がしみるまで待つ間に火が通りすぎて固くなる心配をしなくて済むようになる。
さらにおすすめなのは、週末などの空いた時間に鶏肉を切って下味を付けた状態で冷凍しておく「下味冷凍」だ。下味冷凍はいざ親子丼を作ろうとした時の手間を省けるだけでなく、凍らせることで調味料が肉に浸透するというメリットも存在する。美味しさと時短を兼ねたテクニックなのでぜひ一度試してみてほしい。
2. 美味しい親子丼は先に肉に火を通しておくのがコツ!

美味しい親子丼を追求する際に、大きなハードルとなるのが鶏肉の火加減と卵の火加減の両立だ。プロの料亭の料理人であれば、その両方を計算したうえで絶妙な火加減を見極められるのかもしれないが、その領域に辿り着くのは至難の業だ。
そこでおすすめしたいのが、肉に先に火を通しておき、仕上げの卵の火加減に集中するという方法。卵と鶏肉の火加減を同時に調整しようとするから難しいのであって、ひとつずつ分割して事を進めれば難易度は一気に下がるというわけだ。
鶏肉の火の通し方は2通りで、焼くか煮るかの2択となる。焼くのであれば表面に焼き目を付けることで旨みや栄養が詰まった肉汁を閉じ込めることができるため一石二鳥となる。煮る場合は一緒に玉ねぎも煮て火を通すことを忘れずに。
3. 親子丼をふわふわに仕上げるには中火で!

鶏肉に火が通ったのであれば、いよいよ卵でとじる頃合いだ。火加減は中火で、鍋がふつふつと煮立っている状態が基本となる。卵はあまり丁寧に溶きすぎるよりは白身と黄身が混ざり切らないほうがよい。とくに、卵を泡立ててしまうと固まりにくくなってしまうので注意したい。
溶き卵を入れる際は数回に分け、最初は中火のまま、最後は予熱だけで火を通すといった具合に火加減を途中で調整しながら調理するとふわふわの仕上がりになるだろう。
絶妙のふわふわ加減になったのであれば手早く丼に具をのせるのもポイントだ。鍋から丼に移し替えるまでにもたついてしまうと、その間にも卵は予熱でどんどん固まっていってしまう。ごはんはあらかじめ丼によそっておき、あとは具をのせるだけという状態にしてから卵を鍋に入れるようにするのがおすすめだ。
4. このひと手間で卵の火加減が簡単に!

最後にもうひとつ、卵の火加減が調整しやすくなる小ワザを紹介したい。それは、あらかじめ卵を常温に戻しておくことだ。冷蔵庫から出したばかりの卵は冷えており、火が通るまで時間がかかる。事前に室温に戻してから火にかけることですぐに火が通るため、鍋を火にかける所要時間が短くなる。
冷蔵庫から出して常温に戻すまで待つ時間がない時は、おおよそ40℃くらいの湯を用意し、そこに浸けておくとよいだろう。
結論
これらの方法を駆使すれば、より美味しくふわふわの親子丼に仕上がるだけでなく、時間や手間の節約にもなって一石二鳥となる。親子丼のような親しみ深い手軽な料理の手際や味で人を驚かせられるようになれば、料理人としてはかなりレベルがあがったと思ってよいだろう。紹介した小ワザはほかの料理にも応用可能なので、ぜひマスターしてみてほしい。