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保存性が優れた栗!【石鎚】の特徴と味わいを紹介

投稿者:ライター 井澤佐知子(いざわさちこ)

監修者:管理栄養士 南城智子(なんじょうさとこ)

2019年6月17日

害虫に強く保存がきき、さらに低コストでの生産が可能。そんな、まるで理想的な奥さんのような長所を併せ持つ栗が、「石鎚」である。愛媛県にある栗の名産地から命名された石鎚は、その名の通り石のような堅実さが身上である。具体的にはどんな特徴を秘めているのであろうか。

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1. 栗とはこうあるべし、を体現している石鎚

ここでは石鎚栗の形状や特徴を見てみよう。

石鎚の形状

1968年に登場した石鎚は、粒の大きさではトップクラスの「岸根」と、栽培が容易で見た目の美しさでは定評のある「笠原早生」の交雑から生まれた。というわけで、石鎚の姿が美しいのは当然の帰結であろう。この地に栄えよという願いを込めて、愛媛県の石鎚山から命名された。
赤みのある茶色の皮とコロンとした丸み、つややかな皮の面積が広いことからそれと識別できる。通常は25gほどの大きさで、栗の中では大きなサイズに属する。また、果実の部分は、白みが強い黄色である。

石鎚のさまざまな長所

石鎚の収穫時期は、10月上旬~11月上旬である。晩生(おくて)といわれる品種に分けられている。
樹齢の若い木からも結実するうえ、多収性でコスパのよさがウリのひとつとなっている。
台風などの強風にも強いが、あまりにたくさん実をつけるために樹勢が弱りやすい。庭に石鎚の木がある人は、とくに豊作の年には土を肥やしてやると翌年実が落ちにくくなる。
また、ほかの品種と比べるとクリタマバチなどの害虫に強く、抜きんでた保存性も特徴である。低温保存されたのち、栗の収穫が終わった時期にも市場に出ることが多い石鎚は消費者だけではなく生産者をも喜ばせてくれる栗なのである。

2. 石鎚栗の食感と味わい方

マーケティングの分野から見ればほぼ完璧な条件をもつ石鎚。肝心の味わいはどうであろうか。そして、どのような食べ方がベストなのだろうか。

滑らかな食感が持ち味

栗本来が持つ粉のような食感ではなく、ねっとりとした甘さが特徴といわれている石鎚。そのために煮崩れしにくいというメリットもある。さらに、鬼皮がむきにくい和栗の中では比較的その作業がしやすいありがたい栗である。

渋皮を残した料理にうってつけ

上記のような特質があれば、当然渋皮煮は石鎚向きの調理法の最たるものといえる。日保ちをすることを考えると、お正月のために石鎚で渋皮煮を作るのも一興だろう。粒が大きいため、渋皮煮にすればかなり豪華に重箱を飾ってくれる。
そのほか、渋皮を残して揚げ物にしても甘みが増す。そのままでも十分に栗の旨みを楽しめるが、塩をわずかにふると渋皮の香ばしさが増して美味である。
その豪奢な大きさを愛でるために、もちろん甘露煮や栗ごはんにも向いている。

3. 栗の天敵クリタマバチにも強い石鎚

石鎚は、優れた耐虫性が特筆すべき点として挙げられている。たかだか虫と思うかもしれないが、1941年に岡山県で確認された栗の天敵クリタマバチは、その後日本中の栗に大打撃を与えることになる。戦後の農林省は、このクリタマバチに耐えうる栗の品種改良に非常に力を注いでいたのである。
こうして、戦後に満を持して誕生した虫に強い栗が、現在日本の栗市場を席巻している筑波である。そのほかにも、丹沢や伊吹が誕生、石鎚はさらに虫に強い品種として公表された。
豊産で品質も優良、そして虫にも強い石鎚は、当時の農林省にとっても会心作であったことは間違いない。

結論

秋が深まる10月上旬から登場する石鎚は、晩生栗である。うんざりするような残暑も終わり、日中もさわやかな空気が漂うころに登場して、食欲の秋の主役となる。保存性に優れている石鎚は、年末年始の時期までその美味と姿を楽しむことができる。その粒の大きさに、翌年の多幸を重ねるのも粋である。
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