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愛知県生まれ長崎育ちのいちご「ゆめのか」とは?

投稿者:
オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:
管理栄養士 藤江美輪子(ふじえみわこ)

2019年7月 8日

いちごは、とりたてはもちろん、近いところで収穫され短い流通で手元にやってくるものの方が、美味しい可能性が高い。大粒いちご「ゆめのか」は、愛知県で生まれ、長崎県などの温暖な地域で栽培されていることが多いため、関東以北ではあまり見かけない品種である。しかしいまは、通信販売などで産地直送品やフレッシュないちごが楽しめる時代。選択肢のひとつとして、ゆめのかといういちごについて紹介したい。

1. バランスのよいいちご「ゆめのか」

豊洲市場の公式ツイッターが発表した、いちご断面図カタログが毎年話題だ。これは絵本にもなっているため、ご存知の方も多いだろう。時期や生産者によって微妙に異なるため、参考程度にとのことだが、いちご好きには興味深い。
その中で、「形と硬さ」で分類されている品種別分布図がある。シュっとしている・まるっこい、硬い・柔らかいで表になっているのだが、表のちょうど中心に位置するのが、ゆめのかだ。つまり豊洲市場を主としたいちごの流通の中では、それくらい、ゆめのかは形も硬さもバランスがとれているということだ。

見た目の特徴と味わい

子どもが絵にかいたような円錐形のいちごは、外皮の色むらが少ない。ヘタの方までしっかりと赤い。果肉も淡い赤い色をしていて、切り口も美しい。
ゆめのかの重量は平均で20gとのことだが、大玉になりやすく、一粒40gを超えるものも珍しくない。ショッピングサイト・ネット情報で1パック450gと書かれていても、いざ買ってみると12~15個しか入っていないのはこういうわけだ。大粒なので、見栄えもよいうえに食べごたえもある。
ちょっとつまんで口に入れるというよりは、しっかり掴んでかじりつく。固めで歯ごたえがあり果汁も多く、ジューシーな味わいだ。甘いいちご、といわれているが、適度に酸味もあり、爽やかである。

2. 愛知県のオリジナルいちごとして

ゆめのかは、愛知県のオリジナルいちごである。2007年と、比較的新しく品種登録された種類であり、「久留米55号」と、「系531」とを配合して誕生した。久留米55号は、果実の粒の揃いがよく、連続出芽性を持ち、系531は女峰(栃木県生まれ)に、愛知県生まれのピーストロ、アイストロを掛け合わせてつくられた硬め食感のいちごだ。

ゆめのかが開発されるまで

愛知県では、ゆめのかができるまで、とちおとめや章姫をメイン品種として栽培してきた。しかし各地でオリジナルいちごの開発がすすみ、愛知県でも研究開発を余儀なくされた。
開発のコンセプトは他県・または既存の品種にはない特徴ある香りや味わい。そして輸送しやすく、連続出らい性を併せ持った、収穫量の多い大玉のいちごであることだった。
バランスがよい品種であると先述したが、ゆめのかの果肉は固くつくられている。実が崩れにくく輸送性の高いいちごを目指したのである。それによって、完熟してから、または完熟に近い状態で出荷ができるようになった。いちごは追熟しないので、美味しい瞬間に収穫し、輸送できるのは大きなメリットだ。

固めの果肉のメリット

固いいちごは美味しくない、と思う人もいるかもしれないが、ゆめのかはしっかりと噛んで食べごたえがあるタイプのいちごである。外皮は固めであるが、果肉は果汁をたっぷり含んでいるので、外皮の固さはさほど気にならないとう場合が多い。

また、いちごに多い病気にも強いため、農薬等の使用を減らすことできるのもメリットだ。虫や病気に強い高設栽培でも栽培できるが、ゆめのかは20gほどの大きな実をつけるので、枝が折れてしまう危険性がある。それくらい大きな実をつけるのがゆめのかだ。
また、連続出芽性で栽培がしやすく、たくさんの収穫が期待できる。ハウス栽培で、冬から初夏にかけて、新鮮ないちごが出荷できる。

とちおとめよりもたくさんの収穫が期待でき、章姫よりも輸送に向いている、理想的な品種ができあがったといってよいだろう。

3. 長崎いちごとしてのゆめのか

ゆめのかは愛知県のオリジナル商品で、愛知県農業総合試験場で作製された。栽培するには、愛知県との許諾許可契約が必要だ。もちろん許諾料も必要で、3年ごとの契約更新もある。
それでも、長崎県をはじめとした相性のよい地域へと、ゆめのかの産地は広がりつつある。
ゆめのかの主産地は開発した愛知県が、そのほかに長崎県、奈良県、千葉県などでも一部つくられている。とくに長崎県は力を入れてゆめのかを栽培している。

なぜ長崎が盛んなのか

もともと長崎県は、日本が鎖国をしていた時代から出島としてオランダと交流があり、オランダいちごとして、いちごを栽培していた歴史が長い。
現在の長崎県で作付面積が多いのは「さちのか」だが、ゆめのかも収穫量を伸ばしている。
長崎は温暖で傾斜の多い地域が多く、いちごづくりの土壌としてはぴったりだ。しかし愛知県の方から、ゆめのか栽培マニュアルが提出されているが、気候の違う長崎県での栽培方法が100%確立されているわけではない。
ゆめのかいちごは、上手に育てないと、生理障害果や先青果が発生しやすい。要するに、実の見栄えが悪くなりやすいのだ。
生産者は毎年、研究と話し合いを重ね、栽培のノウハウを蓄積している。

ゆるキャラにも注目

長崎県生まれのいちごのゆるキャラ、「ゆめずきんちゃん」も、ゆめのかPRのために一役買っている。ちなみに1月15日、いちごの日うまれの女の子だ。長崎県産ゆめのかいちごのパッケージにも、いちごに九州シカの角を持ったゆめずきんちゃんがいるので、注目してほしい。

4. 差別化して販売されるゆめのか

ゆめのかの名前の由来は「みんなの夢の叶う、美味しいいちご」という意味が込められている。愛知県では、JA愛知と地元の洋菓子店が協力しあい、ゆめのかを使用したケーキを作っている。
冬から初夏まで、長く楽しむことができるゆめのかだが、それでも甘さのピークはあり、冬の1月から3月ころが一番甘い、旬のころである。バレンタイン、あるいは受験のシーズンと重なるこの時期に、「夢の叶うケーキ」として販売を行ったのだ。これはメディアでも取り上げられ、ゆめのかの名前を広めた。
九州地方では、ゆめのかを使った商品が大手コンビニチェーンのスイーツとして販売もされている。旬のころは、コンビニの棚をチェックしてみよう。

結論

ゆめのかは順調に広がり、愛知県、長崎県のほか、千葉県や岡山県でも栽培が一部されている。輸送に向いたいちごであることは間違いないが、自分の近くの土地でとれたものが美味しいのは変わりない。日本のあちこちでゆめのかが栽培されるようになり、もっと身近ないちごになるのは喜ばしいことである。
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