1. スペインのチーズ事情

西ヨーロッパに位置するスペイン。イベリア半島に、ポルトガルとともに並んでいる国だ。その国土は日本の1.3倍で、どの都市にいくにせよ、日本からは飛行機を乗り継ぎ15~18時間ほどかかる遠い国である。しかし、サグラダファミリアなど世界的に有名な美術建築物や世界遺産が数多くあり、日本でも観光地として人気がある国だ。
スペインの食といえばイベリコ豚の生ハムやパエリアが有名だが、じつはチーズの名産地でもある。日本ではあまりみかけることはないが、スペイン産のナチュラルチーズは約100種類あるといわれている。
スペインは地方によって気候が異なるが、緯度は北海道から関東にかけてと同じくらいに位置している。山岳地帯が多く、山羊や羊の畜産が盛んであり、とくに羊が多い。それらのミルクを使い土地の特色が表した、さまざまな伝統的なチーズを作っている。
スペインの畜産は羊産が多いため、スペインチーズの約60%が羊のミルクを使ったものである。中でもスペイン最大の州であるカスティーリャ・イ・レオン地方は、スペインの羊ミルクチーズの半分以上を生産している。
ちなみに、モンテ・エネブロは、カスティーリャ・イ・レオン地方で生産されるチーズだが、山羊のミルクを使ったチーズである。
スペインの食といえばイベリコ豚の生ハムやパエリアが有名だが、じつはチーズの名産地でもある。日本ではあまりみかけることはないが、スペイン産のナチュラルチーズは約100種類あるといわれている。
スペインは地方によって気候が異なるが、緯度は北海道から関東にかけてと同じくらいに位置している。山岳地帯が多く、山羊や羊の畜産が盛んであり、とくに羊が多い。それらのミルクを使い土地の特色が表した、さまざまな伝統的なチーズを作っている。
スペインの畜産は羊産が多いため、スペインチーズの約60%が羊のミルクを使ったものである。中でもスペイン最大の州であるカスティーリャ・イ・レオン地方は、スペインの羊ミルクチーズの半分以上を生産している。
ちなみに、モンテ・エネブロは、カスティーリャ・イ・レオン地方で生産されるチーズだが、山羊のミルクを使ったチーズである。
2. モンテ・エネブロの特徴

モンテ・エネブロは、1990年代に生産開始されたチーズである。スペインのチーズは、羊のミルクや、牛・羊・山羊のミルクを混合して作られることが多い中、モンテ・エネブロは100%山羊ミルクのチーズである。
モンテ・エネブロは、この地に豊富に茂る灌木の葉などをたっぷり食べた山羊のミルクを使ったチーズで、4週間以上の熟成を必要とする。
スペイン語でモンテは山、エネブロは杉のような針葉樹のことである。その名の通り、姿かたちがまるで樹木の幹を思わせる、灰色と絶妙なひび割れ具合の見た目をしている。これは表面に乾燥防止に灰をまぶし、その灰に自然のカビを纏わせているためである。
切らなければ、1㎏ほどの大きさの潰した丸太のようで、そのままではとても食べられそうではない。しかしカットすると、美しいキメの細かい真っ白なチーズが顔をのぞかせる。
表面も食べることができるが、舌先をピリピリと刺激する。初心者は避けたほうが無難だろう。山羊のチーズは独特のクセがあり、苦手意識を持つ人も多いが、好きな人にはそれがたまらない。モンテ・エネブロも多分に漏れず、比較的しっかりとした山羊独特の風味がある。舌触りはもったりねっとりとして、少しバターに似た口解け感だ。塩味と特有のさわやかな酸味があり、コクがある。香りはマッシュルームに似ているといわれているが、感じ方人それぞれであるので、機会があれば体験してほしい。
モンテ・エネブロは、この地に豊富に茂る灌木の葉などをたっぷり食べた山羊のミルクを使ったチーズで、4週間以上の熟成を必要とする。
スペイン語でモンテは山、エネブロは杉のような針葉樹のことである。その名の通り、姿かたちがまるで樹木の幹を思わせる、灰色と絶妙なひび割れ具合の見た目をしている。これは表面に乾燥防止に灰をまぶし、その灰に自然のカビを纏わせているためである。
切らなければ、1㎏ほどの大きさの潰した丸太のようで、そのままではとても食べられそうではない。しかしカットすると、美しいキメの細かい真っ白なチーズが顔をのぞかせる。
表面も食べることができるが、舌先をピリピリと刺激する。初心者は避けたほうが無難だろう。山羊のチーズは独特のクセがあり、苦手意識を持つ人も多いが、好きな人にはそれがたまらない。モンテ・エネブロも多分に漏れず、比較的しっかりとした山羊独特の風味がある。舌触りはもったりねっとりとして、少しバターに似た口解け感だ。塩味と特有のさわやかな酸味があり、コクがある。香りはマッシュルームに似ているといわれているが、感じ方人それぞれであるので、機会があれば体験してほしい。
3. モンテ・エネブロの灰

モンテ・エネブロの表面にまぶされている灰。これはフランスチーズの製法を意識して作られたといわれている。そういわれてみると、モンテ・エネブロの形も、スペインでよりフランスで多く見る円筒系だ。
灰をまぶし黒くなった表面へきれいにカビが広がり、細かいひび割れが現れたことによって、見た目は樹木の皮か鉱物のようにすら見えるから不思議である。
この灰は決して見た目をよくするためではなく、味をよくするためにまぶされている。
そもそもチーズは昔から食され、貴重なたんぱく源であった。うっかり灰がついたくらいで捨てることはなかったのだ。そしてそのまま置かれたチーズは、より美味しくなっていったという。
現代では、酸性の山羊ミルクのチーズをアルカリ性である灰が中和し、まろやかな味を作り出すと解明されているが、当時は経験から灰はチーズを美味しくすると知っていたのだ。
灰に水を吸わせ水切りを早くし、チーズ同士がくっつかないようにする意味もあったし、さらに、虫対策にも効果的だったといわれている。とくにハエからチーズを隠すには効果的だったという。このように灰を纏わせることによって、さまざまな効果が期待できたのだった。
ちなみにフランスでは、「モルビエ」という灰をサンドしたチーズもある。
灰をまぶし黒くなった表面へきれいにカビが広がり、細かいひび割れが現れたことによって、見た目は樹木の皮か鉱物のようにすら見えるから不思議である。
この灰は決して見た目をよくするためではなく、味をよくするためにまぶされている。
そもそもチーズは昔から食され、貴重なたんぱく源であった。うっかり灰がついたくらいで捨てることはなかったのだ。そしてそのまま置かれたチーズは、より美味しくなっていったという。
現代では、酸性の山羊ミルクのチーズをアルカリ性である灰が中和し、まろやかな味を作り出すと解明されているが、当時は経験から灰はチーズを美味しくすると知っていたのだ。
灰に水を吸わせ水切りを早くし、チーズ同士がくっつかないようにする意味もあったし、さらに、虫対策にも効果的だったといわれている。とくにハエからチーズを隠すには効果的だったという。このように灰を纏わせることによって、さまざまな効果が期待できたのだった。
ちなみにフランスでは、「モルビエ」という灰をサンドしたチーズもある。
結論
一時日本でも「モンテネブロ」という名前で輸入されていたことがあったが、現在ではモンテ・エネブロ(MONTE ENEBRO)という名前で、チーズの専門店などで見かけることができる。100g程度のカットタイプの販売方法が多いので、まずは少量から試してみることをおすすめする。もし食べにくいようだったら、小さくカットしてサラダにしたり、はちみつやナッツとともにデザート感覚で食べたりするのもおすすめだ。