1. ハレの日、ケの日とは?赤飯はハレの日の定番献立

日本では、古くから年中行事や儀礼、祭を行う日を「ハレの日」、それ以外の日常の日を「ケの日」として区別してきた。ハレは非日常的なことを示し、晴れ着や晴れ舞台、晴れ姿などのように使われる。したがって、晴れ着とは普段着ではなく公式な儀式などに、参列するために着用する礼装や盛装を指す。
そんなハレの日に欠かせないお祝いの食事が赤飯である。なぜ赤飯がお祝いの席で食べられるようになったかというと、赤飯の赤色にその意味がある。古来より日本では、赤には魔よけの効果があり、邪気や災いなどを払うと信じられていたのだ。
2. 赤飯以外の日本の主な年中行事と行事食とは?

日本では、赤飯以外にも四季折々の年中行事などの際に食べられる特別の料理「行事食」がある。縄文時代には大陸から稲作が伝わり、以来日本では農耕文化が受け継がれてきた。季節の変化は、稲作を始め農業の目安となるもので、その目安となる日に収穫を感謝してさまざまな行事が行われている。季節の変わり目には体調を崩しやすく、そのため行事に合わせて旬の食材などを使った御馳走を食べることで、身体に栄養を与えてきたのが行事食である。次に、主な年中行事と行事食を紹介しよう。
日本の年中行事と行事食の一覧
1月
- 1日(正月):お節料理、お屠蘇、雑煮
- 7日(人日の節句):七草粥
- 11日(鏡開き):鏡餅
- 15日(小正月):小豆粥
2月
- 3日(節分):福豆、恵方巻
- 8日(事八日):お事汁。最初の午の日(初午) いなり寿司
3月
- 3日(桃の節句):はまぐりのお吸い物、ちらし寿司、菱餅
- 20日頃(春のお彼岸):ぼたもち
4月
- 8日(花祭り):甘茶
5月
- 5日(端午の節句):柏餅、ちまき
7月
- 2日頃(半夏生):たこ、さば、うどんなど地域によって異なる
- 7日(七夕):そうめん
8月
- 15日頃(お盆):精進料理、白玉団子
9月
- 9日(重陽の節句):菊酒
- 中旬(十五夜);月見団子
- 23日頃(秋のお彼岸);おはぎ
10月
- 中旬~下旬(十三夜):月見団子、栗ごはん
11月
- 1日(神迎えの朔日):赤飯
- 15日(七五三):千歳飴
12月
- 8日(事八日):お事汁
- 22日頃(冬至):かぼちゃ
- 31日(大晦日):年越しそば
以上のように、日本には季節ごとにさまざまな行事があり、それぞれ意味があって行事食が食べられている。11月の神迎えの朔日には、神無月(10月)に出雲大社に集まった諸国の神様が、それぞれ神社に戻るのを赤飯を炊いてお迎えするのだが、それ以外の行事に関しても伝統的な行事食に合わせて赤飯を加えて献立を考えるとよいだろう。
3. 赤飯に合う献立とは?

年中行事以外にも、それぞれの家庭で行われるお祝いでも欠かせないのが赤飯だ。誕生日、入学、卒業、成人、就職、結婚、帯祝い、出産、お食い初め、還暦、古希、喜寿、米寿などおめでたい日には、ぜひ赤飯を炊いてお祝いしよう。
また、現在ではコンビニで赤飯のおにぎりが販売されているなど、年中行事やお祝いの日だけでなくとも赤飯を食べる機会はあり、お赤飯が好きな人は、とくにハレの日ではなくとも普段の食事にしてもかまわない。
また、現在ではコンビニで赤飯のおにぎりが販売されているなど、年中行事やお祝いの日だけでなくとも赤飯を食べる機会はあり、お赤飯が好きな人は、とくにハレの日ではなくとも普段の食事にしてもかまわない。
赤飯に合うおすすめのおかず
おかずについては、とくに合わないものはないが、きんぴらごぼうや玉子焼き、胡麻和え、焼き魚、味噌汁など定番の和食系を合わせるのが味のバランスもよく、ヘルシーでおすすめである。
赤飯が余ったときの保存方法
自宅で赤飯を炊いて余ってしまった場合には、冷凍しておけば1ヶ月ほど保存が可能だ。食べる時には、蒸しなおすか、ある程度自然解凍してレンジで温めるとよい。また、チャーハンやおはぎなどほかの料理にリメイクして味わう方法もある。そもそも、おはぎにはもち米が使われているので、赤飯のリメイクにはぴったりだ。試してみてはいかがだろうか。
結論
おめでたい日に食べられる赤飯であるが、もちろん普段の日でも炊いて食べてもよい。基本的には、和食なら何でも合うので、いろいろな料理と一緒に楽しんでみてはいかがだろうか。また、紹介したようにチャーハンやおはぎなど、ぜひアレンジに挑戦してみてほしい。