【チンゲン菜】にまつわる知識を総まとめ。栄養素から食べ方まで

晩秋に旬を迎えるチンゲン菜。ほどよい苦みが味わい深く、栄養素が豊富な葉野菜である。主な栄養素にはβカロテン、カリウム、カルシウム、ビタミンCが挙げられる。βカロテンとビタミンCは一緒に摂ることが望ましいといわれる。相性のよいふたつの栄養素がチンゲン菜には含まれている。またこれらの栄養素は、骨をつくる成分、肌の健康維持に必要な成分、ストレスに対する抵抗力に関係する成分などバラエティーに富んでいる。健康維持にひと役買ってくれる優秀な野菜なのだ。

チンゲン菜は、実は花も食すことができる野菜だ。見ためは菜の花に似ているが、ほのかな甘みでこちらのほうが旨いともされる。意外にも多様な食べ方のできる野菜である。選ぶときはふっくらと厚みのある茎と、鮮やかな色の葉を持つものがよい。チンゲン菜は油との相性がよく、栄養素の吸収率があがるため、強火でサッと炒める調理法がおすすめだ。

シャキシャキとした食感が人気のチンゲン菜。旨みのもとともいえる食感を長くキープさせるためには、軽く下茹でしてから冷凍しよう。和え物などに使うときは、冷蔵庫で解凍し、そのまま食べるのが正解だ。スープや炒め物など加熱調理に使うなら、冷凍したまま火を通すとよい。冷凍は無理で、すぐに消費すべきと思われがちだが、正しい下処理でチンゲン菜も冷凍保存が可能になる。

チンゲン菜の基本的な切り方は、茎と葉を分けてざく切りにする方法だ。根元の固い部分を切り落としてから、株をまとめて葉と茎に分ける。さらにそれぞれをざく切りにしていく方法だ。葉は大きければ手でちぎってもよい。茎を切る前には泥残りがないかチェックしよう。ざく切り以外にも料理に合わせた切り方ができる。スープに入れるなら、茎はそぎ切りにするとなじみがよくなるためおすすめだ。いつもと違う切り方でメニューをワンラックアップしよう。

チンゲン菜の定番、青菜炒め。シンプルな材料で簡単に作ることができるのが魅力だ。美味しさのポイントは食感。チンゲン菜のシャキッと感を活かすためには、炒める順番がカギとなってくる。まずはニンニクを弱火でじっくりと炒め、香りを立たせよう。次にメインの青菜をサッと炒める。茎を先に炒め、嫌な硬さや苦みがなくなったところで葉を加えサッと炒めよう。最後に塩コショウや中華調味料で味を調えれば完成だ。

チンゲン菜を使って作る青菜炒め。献立に困ったらあっさり系のスープを加えてみてほしい。青菜炒めには、調味料や油が多く使われがちであるため、くどくないメニューを合わせよう。また、青菜炒めだけでは野菜やタンパク質不足も懸念されるため、サラダをプラスしたりや肉類を加えたりするのもおすすめだ。余った青菜炒めはパスタなどにリメイクすることもできる。風味に変化をつけたいなら、ナンプラーなどでプロのような味わいに挑戦してみるのもよいだろう。

チンゲン菜には、通常のサイズよりも10cmほど小さい「ミニチンゲン菜」という品種がある。一見チンゲン菜そのままだが、小ぶりなサイズ感が特徴だ。市場に出回ることは少ないが、プランターでも育つため、家庭で栽培することもできる。栄養価も高いため、子どもの食育にも向いているといえるだろう。

中国からやってきたチンゲン菜の仲間「パクチョイ」。あまりなじみのない名前かもしれないが、見ためはチンゲン菜とよく似ている。茎が緑であるのがチンゲン菜に対し、パクチョイの茎は白菜のように白い。中国ではおなじみのパクチョイは、チンゲン菜のように炒めて食べると旨い野菜だ。クセのない風味なので和え物にしてもいいだろう。中華以外にも和食や洋食いずれにも使える葉野菜である。

チンゲン菜は栄養価が高く、調理も簡単な有能野菜だ。中国原産の葉野菜なので、まずは中華風のメニューに加えてみてはいかがだろうか。家庭菜園できる品種や白菜のような茎が白いものもあるので、見つけたら一度は味わってみてほしい。