- 1. 子持ち昆布とは?
- 2. 子持ち昆布の特徴や魅力
- 3. 子持ち昆布(塩漬け)の塩抜きのやり方
- 4. 子持ち昆布の美味しい食べ方
- 5. 子持ち昆布の保存方法と解凍方法
- 6. 市販の子持ち昆布のおすすめ3選
- 7. 子持ち昆布に関するよくある疑問と答え
- ボウルにたっぷりの水(または薄い塩水)を入れる
- 子持ち昆布を30分〜1時間ほど浸しておく
- 少しかじってみて塩辛くなければ完了
- ※1:食品成分データベース|文部科学省
https://fooddb.mext.go.jp/
1. 子持ち昆布とは?
子持ち昆布は文字通り昆布なのだが「子持ち」とはどういう意味なのだろうか?まずは基本的なところを簡単におさらいしておこう。
ニシンが卵を産みつけた昆布のこと
子持ち昆布とはニシンが卵を産みつけた昆布のこと、またその昆布を塩漬けした食品のことを指す。
【子孫繁栄の縁起物】
江戸時代の頃から「子孫繁栄」の縁起物として扱われており、おせち料理や結婚式の贈り物などに使われてきた。なお一般的にいわれている「天然の子持ち昆布」は全くの天然ではなく、昆布に卵がつきやすいよう漁師が調整しながら作っている。
「数の子」とは違う?
数の子も同じくニシンの卵だ。だが子持ち昆布が「産んだ卵を塩漬けしたもの」であるのに対し、数の子は「ニシンから卵を取り出して塩漬けしたもの」という違いがある。
2. 子持ち昆布の特徴や魅力
子持ち昆布はプチプチした食感が楽しめるだけでなく、栄養面でも優れている。
味わいや食感がよい
子持ち昆布は数の子と同じでプチプチした食感が楽しめる。また塩漬けや醤油漬けで売られているため塩味がきいていることが多い。そのまま食べるだけでなく、料理の具に使われることもある。お正月などにはぜひ上品な子持ち昆布を食べてみよう。
栄養面が優れている
子持ち昆布は昆布とニシンの卵の栄養素であるたんぱく質、ビタミン類、ミネラル類、食物繊維などを多く含む。また数の子は「天然サプリメント」といわれており、EPAやDHAといった不飽和脂肪酸の含有量も多い。美味しいだけでなく栄養面でも優れた食品である。(※1)
3. 子持ち昆布(塩漬け)の塩抜きのやり方
市販の子持ち昆布には「味付け」「塩漬け」などがある。このうち塩漬けの子持ち昆布は食べる前に塩抜きが必要だ。
子持ち昆布(塩漬け)の塩抜きのやり方
【水に浸しすぎると味が落ちる】
塩漬けの子持ち昆布の塩抜きをする際、ポイントとなるのが水に浸す時間だ。浸しすぎてしまうと味が低下するため、こまめに確認しながらちょうどよいところで水からあげよう。
4. 子持ち昆布の美味しい食べ方
子持ち昆布はそのまま食べてもよいが、タレをつけながら食べるのもまた美味しい。炒め物や揚げ物、煮物やサラダの具材にするのもおすすめだ。
タレをつけて食べる
塩抜きした子持ち昆布を美味しく食べるならタレをつけよう。めんつゆのほか、鰹だしと薄口醤油を合わせたつけ汁なども合う。お好みでドレッシングやマヨネーズを合わせるのもよいだろう。タレをつけながら子持ち昆布の上品な味わいや食感を楽しんでいただきたい。
具材にして食べる
子持ち昆布は寿司や和え物、炒め物や揚げ物、煮物やサラダ、さらにはパスタなどさまざまな料理に使える。パスタに使う場合はボウルに子持ち昆布とバターを入れ、茹でたパスタを加えて混ぜ合わせれば完成する。高級食材の子持ち昆布を使って贅沢な一品を作ってみよう。
5. 子持ち昆布の保存方法と解凍方法
市販の子持ち昆布には冷蔵品と冷凍品がある。ラベルなどに要冷凍や要冷凍などと記載されているのでその表示に従って保存しよう。
冷蔵品の子持ち昆布の保存方法
冷蔵品の子持ち昆布は冷蔵庫(10℃以下)で保存する。冷凍保存できる食品も多いが、冷蔵品の子持ち昆布は卵が壊れて味や食感が悪くなるため冷凍保存NGだ。必ず冷蔵庫で保存し、賞味期限を守って食べよう。
冷凍品の子持ち昆布の保存方法と解凍方法
冷凍品の子持ち昆布は冷凍庫(-15℃以下)で保存する。食べるときは前日のうちに冷蔵庫に移して自然解凍、もしくは流水に20〜40分程度さらして解凍するとよい。なお解凍後の再冷凍はNGだ。開封後はできる限り早めに食べ切ろう。
6. 市販の子持ち昆布のおすすめ3選
年末などはスーパーに並ぶが一般的にはあまり流通していない。そのためオンラインショップやECモールで購入するのが便利である。人気&おすすめの子持ち昆布を紹介しよう。
井原水産「味付子持ち昆布」
カナダ産の天然の子持ち昆布を上質な白醤油で味付けしている。冷凍品であるため賞味期限は製造日より1年間と長いのも特徴だ。解凍後は一晩寝かせるとより美味しくなるという。
吉粋「子持ち昆布」
カナダ産の子持ち昆布を味付けしている。解凍後すぐに食べられるようになっているため、塩抜きなどの手間は不要だ。自然解凍はもちろん、冷蔵解凍や冷凍解凍にも対応している。
中外フーズ「築地丸中 味付け両面子持ち昆布」
プチプチした食感のニシンの卵が、昆布の両面にたっぷりついており、醤油味で美味しく仕上げているのが特徴だ。冷凍品の子持ち昆布であるため、解凍後は早めに食べ切る必要がある。
7. 子持ち昆布に関するよくある疑問と答え
子持ち昆布に関するよくある質問や疑問をまとめた。どのように作られているのか、主な産地はどこか、数の子との違いは何かなどについて確認しよう。
子持ち昆布はどのように作られる?
冒頭でもお伝えしたが、市販の子持ち昆布に全くの天然物は少なく、やや人為的な工程が含まれている。子持ち昆布専門の漁師は、産卵期を迎えたニシンを狭い通り道に誘い込む。そこに吊るした昆布を入れ、均等に卵を産み付けるように調整しながら産卵を待つ。
数日経って適度な厚みになったら完成だ。上質な子持ち昆布を作るのには熟練の漁師の腕が必要になるという。
子持ち昆布の主な産地はどこ?
子持ち昆布の主な産地は北太平洋である。かつては日本でもニシンが多く漁獲されていたが、近年は漁獲量が非常に少なくなっている。そのため現在は、主にアメリカ(アラスカ)やカナダ(ブリティッシュコロンビア)などで子持ち昆布を作っている。
また北太平洋地域ではニシン漁を厳しく管理しているため、適切なライセンスを保持している漁師のみが子持ち昆布を作れる。
子持ち昆布と数の子の違いとは?
お伝えした通り、子持ち昆布も数の子も同じニシンの卵である。だがニシンが昆布に産卵する子持ち昆布に対し、数の子は雌のニシンから卵を取り出して作る。最初の工程が全く異なるということだ。なお子持ち昆布にも数の子にも「味付け」「塩水漬け」などの種類がある。
結論
子持ち昆布は、お正月など晴れの日に食べられる縁起物のひとつだ。その味は上品で、プチプチした食感がクセになる方も多いはず。そのまま食べても美味しいが、サラダやパスタなどの料理にも合う。余ったときはいつもと違う方法で上品な味わいの子持ち昆布を食べてみよう。
(参考文献)
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