1. ビールの色の濃さを示す「SRM」

SRMとは「Standard Reference Method」の略称で、日本語では標準参照法と呼ばれる。ビールや麦芽の色を表す指標として利用されている。数字が大きくなると色の濃いビールになる。
ヨーロッパではEBC(European Brewing Convention)という指標を用いることがある。SRMを決めるのは、麦芽の色だ。麦芽の色が薄いとビールの色が薄くなり、発芽を進めた麦芽を用いたり、乾燥させるときの温度を高くしたりすると色が濃くなる。
ヨーロッパではEBC(European Brewing Convention)という指標を用いることがある。SRMを決めるのは、麦芽の色だ。麦芽の色が薄いとビールの色が薄くなり、発芽を進めた麦芽を用いたり、乾燥させるときの温度を高くしたりすると色が濃くなる。
SRMで見るビールの色分け
大まかな色で分けると、淡色ビール、中濃色ビール、濃色ビールの3つになる。日本でよく飲まれているビールはピルスナータイプで、SRMは4~6前後。淡色ビールに分類される。赤味がある中濃色ビールのSRMは20~30で、黒い濃色ビールのSRMは30以上である。真っ黒で透明性がないビールのSRMは400以上と言われている。ただし、色が濃いからと言って苦味が増すとは一概には言えない。
モルトの糖化や焙乾温度によっては、苦みよりも甘みやコクが際立つようだ。
モルトの糖化や焙乾温度によっては、苦みよりも甘みやコクが際立つようだ。
2. ビールの苦味を示す「IBU」

IBUとは「International Bitterness Units」の略称で、日本語では国際苦味単位と呼ばれる。ビールの苦味成分はホップによってもたらされる。ホップの使用量が多い、ホップの煮込み時間が長い、アルファ酸含有量の高いホップを用いるとIBUの値が高くなるのだ。
しかし、IBUが高いからと言って一概に苦味が強いとは言えない。ビールの糖度が強いと苦味がまろやかになることもあるようだ。また、気温や体調、個人差によっても苦味の感じ方が異なるので、あくまでも目安にしたい。
しかし、IBUが高いからと言って一概に苦味が強いとは言えない。ビールの糖度が強いと苦味がまろやかになることもあるようだ。また、気温や体調、個人差によっても苦味の感じ方が異なるので、あくまでも目安にしたい。
日本のビールのIBUと世界のビールのIBU
日本の大手ビール会社が販売しているビールのIBUは、20前後である。バドワイザーはIBU10となっている。また世界のビールの中には、IBU100を超える苦いビールも存在する。カナダのフライング・モンキーズ社のアルファ・フォニケーションというビールは世界最高のIBU値と言われている。IBUは驚きの2500である。機会があれば試していただきたい。
3. ビールのアルコール度数を示す「ABV」

ABVとは「Alcohol by Volume」の略称で、アルコール度数のことを表す。アルコール飲料に対するエタノールの濃度を%で表示した割合のことである。多くの国で標準的に使用されており、日本では1%が1度となっている。
日本で販売されているビールの多くはABVが5%のものが多く、バドワイザーやハイネケンと言ったよく見かける外国のビールも5%のものが多い。
日本で販売されているビールの多くはABVが5%のものが多く、バドワイザーやハイネケンと言ったよく見かける外国のビールも5%のものが多い。
世界最高のABVを誇るビールとは
ビールのAVBが世界一と言われているのが、スコットランドのブリューマイスター社のスネークヴェノムというビールで、その度数は67.5%である。価格は275mlで50ポンド、日本円だと8000円以上する。ギネスブックにも世界で最もアルコール度数が高いビールとして掲載されている。長年ギネスブックに載っていたABVの高いビールは14%だったが、次々と高アルコールのビールが開発され、現在に至る。なお、スネークヴェノムの次にAVBが高いビールは同じくブリューマイスター社のアルマゲドンという商品だ。
結論
ビールに関する数値を知っていれば、よりビール選びが楽しくなるだろう。「SRM」「IBU」「ABV」の3つが分かれば、初めて飲むビールや個性豊かなクラフトビールの特徴を掴みやすくなる。ぜひビールのフェスタやクラフトビールの専門店で役立ててほしい。