1. スペインの夕食は夜10時以降

スペイン人は全体的に時間を気にせずゆったり過ごすお国柄だ。まずは食習慣からご紹介しよう。
1日5食
目覚めとともに摂る軽食「デサジューノ」で朝が始まる。コーヒーか甘いパンが人気だ。朝からチュロスをホットチョコレートに浸す人もいる。午前11時は「メリエンダ・メディア・マニャーナ」という軽食時間で、バルで「タパス」という小皿料理を頼む人が多い。スペインでは昼ご飯が早くても午後2時以降で、1日の内で1番重要な食事とされている。この昼食「コミダ」はフルコースが普通で、ワインやデザートまで1時間以上かけることもある。午後7時、バルでタパスなどをつまむ夜軽食「メリエンダ」を済ませ、夕食である「セナ」はなんと夜10時以降になるという。
昼寝の時間がある
スペインでは昼からフルコースを食べて、飲酒は当然だ。すぐ仕事には戻れないので、ほとんどの職場で「シエスタ」と呼ばれる午睡の時間が設けられている。もちろんサッと済ませて仕事に戻る人もいるが、圧倒的にシエスタを満喫する人が多い。
2. スペインの食事の際のテーブルマナー

開放的なスペインでは、難しいテーブルマナーはないようだ。しかし日本人からすると覚えておきたいのは、食事の際のコミュニケーションである。
フレンドリーに接すること
スペイン人の愛情表現はとても豊かだ。食事の時は店員とも、見知らぬ客同士でもしっかり挨拶する。スペインバルで「Hola!(オラ)」と言われたら、笑顔で返事しよう。高級レストランではドレスコードがあったり、子どもの入店はお断りのことがある。しかし、普通の店なら気軽に会話するのがマナーとなっている。レストランでは前菜かスープ、メイン、デザートと最低3点は注文するようにしよう。
立ち飲みバルの活用
軽食を挟むスペインでは、日本でも有名なバルという立ち飲み軽食店が重宝されている。タパスという小皿料理が豊富で、目移りするほどたくさんの種類が並んでいる。バルは立食で、丁寧語は慇懃無礼とされ、初対面でもくだけた口調で会話を楽しむのがスペインの伝統だ。隣り合わせた人同士で和やかに食事をしよう。
3. 時間は気にしない!「ソブレメサ」の習慣

夕食のセナは簡単な料理で済ますことが多いが、大切なのは「ソブレメサ」という習慣だ。
夕食後すぐに席を立たないのがマナー
1日の終わりであるセナの後は、食後酒を楽しみながらその日を振り返る。家族だけでなく、バルでの同席者とでも会話を楽しむソブレメサの時間だ。スペイン語で「テーブル越し」という意味で、他愛もない話が時には数時間も続くことがあるという。このため、夕食の時間が深夜0時に及ぶこともあるというから驚きである。
ゆったりとした時間を過ごすこと
最近ではビジネスシーンの浸透で、バルで時間を使うことや、シエスタの習慣が薄れてきている。伝統的にはスペイン人は時間に縛られない。会食などの集まりにはわざと少し遅れていくのがマナーである。忙しい日本人には羨ましいが、慌ただしく食事を済ませるなんてもってのほかなのだそうだ。
結論
バルでは立ったまま皿を持ち上げずに食べ、使い終わった紙ナプキンを足元に捨てて立ち去るのがオーソドックスである。自分の好みで塩コショウやケチャップを追加するのは大変な失礼に当たるので注意しよう。とにかく話しかけて交流するのがスペイン最大のテーブルマナーだ。もしスペインバルへ行ったら、積極的な交流に挑戦してみよう。