1. 燻製とはどんなもの?

そもそも、燻製とはどんなものか?燻製が生まれたのは、石器時代以前と言われており、その歴史はとても古い。燻製は、食材を煙で燻すことにより、菌の繁殖や侵入を防ぐ環境を作ることができる。食料を保存する知恵から生まれた技術といえる。
欠かせない下処理
燻製と言っても、ただ食材を燻すだけでは特有の旨みが出ないし、火が通りにくいものもある。生の魚や肉がその例だ。魚や肉を燻製にする場合は、下準備が必須である。塩やソミュール液につけて内部の水分を排出すると、効率よく燻すことができる。
燻煙が決め手
燻製の醍醐味とも呼べる、燻すという作業。その際に使われる木の破片をチップと呼ぶ。チップは、桜やブナなど一般的なものから変わり種まで幅広い。一般的なものであれば、比較的簡単に手に入れることができる。ただの木片ではないので、専用のものをホームセンターなどで購入する必要がある。
2. 簡易燻製の基礎知識

簡易燻製とは、専用の機材やチップを使わずに作る燻製のことである。今回紹介するのは、中華鍋と紅茶で作る燻製だ。メリットは、家にあるもので作ることができること、そして短時間調理が可能なことだ。本格的な燻製とは異なるが、香りも味わいも意外に豊かである。
材料を厳選
燻製初心者におすすめする材料は、できる限り水分量の少ないもの。特に簡易燻製の場合、燻煙の量、温度ともに控えめなので、水分量が多いものでは、どうしても失敗しやすい。おすすめはチーズやハム、干物、ゆで卵など。生の肉や魚を扱う場合は、必ず塩をすり込むなどの下処理をして、少し乾かしてから行うといい。
紅茶以外もOK
チップの代用品として使う茶葉は、紅茶に限らず、ほうじ茶やプーアール茶、ウーロン茶、玄米茶など何でもでもよい。それぞれ風味が異なるので、味わいにも変化がつく。ただ、燻製に使うと茶葉としては使えなくなるので、高価なものを選ぶ必要はない。ティーバッグを分解して使うくらいで十分だ。
3. 紅茶を使った簡易燻製の作り方

簡易燻製機を作る
まず、中華鍋の内側にアルミホイルを敷く。ふたにも同様に、アルミホイルを巻きつけておく。ふたがない場合や大きなものを燻製にする場合は、ボウルをふたがわりに使う方法もある。その場合も、ボウルにアルミホイルを巻きつけておくとよいだろう。
簡単な作り方
底に紅茶の茶葉を30g程度と小さじ1~2くらいの砂糖を入れて、さっと混ぜて広げる。その上に焼き網を乗せ、燻製にする素材をセットすれば準備は完了だ。あとはふたをして、強火で火をつける。2分ほどすると煙が上がってくるので、火を弱めて燻製にするだけ。素材によって、時間は異なるので調整しよう。
おすすめの食材
ゆで卵、プロセスチーズの燻製は時間をかけずに作ることができる。15分ほどでしっかり燻製色がつき、とても美味しい。そのほか、豚のバラ肉を使ってベーコンもどきを作ることもできる。ポイントは、下処理として豚肉に塩と砂糖、オールスパイスをもみ込んでおくこと。燻す時間は30〜40分ほどでOKだ。食べるときは、肉汁が出ないよう、粗熱が取れてからカットすること。
結論
家にある器具と材料で作ることができる、簡易燻製。煙も、家庭用の換気扇で吸い込めるくらいの量なので、安心だ。茶葉によって風味が変化するので、いくつか試してみるとよいだろう。一度作ると、あまりの簡単さにハマる人も多いはず。週末のイベントにもおすすめだ。
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