1. 圧力鍋の仕組み

圧力鍋はシュッシュッと音がする、というイメージがあるが、あの音は蒸気の音である。熱を加えて蒸気の力で加熱していく鍋だ。
100℃以上で加熱出来る
「水の沸騰は100℃」が常識だが、圧力鍋の内部は120℃程まで上がっている。通常の鍋やフライパンではこのような加熱は不可能だ。圧力鍋ではしっかり閉まった蓋と鍋本体の中で、逃げ場のない水蒸気が膨張して圧が上がる。水の沸点は圧力が上がると高くなる法則があるため、短時間で通常より高温の調理が出来るというわけだ。
とても安全な構造
圧力鍋は重たくて扱いが大変、という人もいるが、鍋の中の圧力が高ければ高い程高温調理が出来る為に、この圧に負けないガッチリした作りが必要なので重たい素材になっているのだ。蓋に開けられた蒸気弁は上に重りが乗せられ、加熱して一定以上の蒸気が発生するとシュッシュッと蒸気を逃がしてくれる。万が一詰まった時の為の「安全装置」もすべての圧力鍋についており、鍋内部の圧力が規定以上になってしまったらこの装置が働いて自動的に圧が下がるようになっている。
2. 圧力鍋の基本の使い方

圧力鍋には調理時間と蒸らし時間がある。それぞれどのような時間なのだろうか。
調理開始は蒸気が上がってから
鍋に食材を入れ、最初は強火にかけて加熱する。しばらくすると重りが勢いよくシュッシュッと動き始めるので、重りが動き続ける程度に火加減を弱めよう。ここからが調理時間スタートだ。レシピに調理時間○○分、と書いてあったら、重りに圧がかかった段階からの計測となる。
蒸らし時間
調理時間が終わって火を止めても、鍋の中は高温のままだ。そのため、余熱を使って蒸らし時間を設け、食材の旨味を引き出そう。
食材はゆっくり冷やした方が味が染み込みやすく、圧と熱が少しずつ下がっていくこの時間がとても大切になる。蒸らし時間〇〇分とレシピに書いてあるものは、規定どおりに蒸らすと良い。
食材はゆっくり冷やした方が味が染み込みやすく、圧と熱が少しずつ下がっていくこの時間がとても大切になる。蒸らし時間〇〇分とレシピに書いてあるものは、規定どおりに蒸らすと良い。
3. 時短を叶える圧力鍋の簡単活用法

実際に使ってみると、同じメニューでも驚く位美味しく、時短で仕上がることに驚くだろう。
煮込み時間15分以上の煮物向き
圧力鍋は素材が柔らかく、ジューシーに仕上がる。圧力がかかるため旨味が出やすく、時間をかけて煮込む「カレー」「シチュー」「おでん」等にぴったりだ。また、日本の食材に相性がよく、「豆」「根菜」「米」「魚」等を調理するのに向いている。手間のかかる「じっくり煮」にこそ圧力鍋で時短が可能になるのだ。
柔らかくしたい物
高圧、高温で魚の骨まで食べられるようになる。甘みや旨味が引き出されるので塩は薄めで大丈夫だし、離乳食づくりにもおすすめだ。骨ごと食べればカルシウムも摂れるので健康に良い。
特徴によって使い分けよう
圧力鍋のメリットである時短・美味は、素材によっても異なってくる。アルミ製の鍋なら熱が伝わりやすく火の通りは良いが、冷めるのも早い。とにかく早く火を入れたい人はアルミ製を選べば良いだろう。ステンレス製なら素材のうま味を引き出しやすいが、熱伝導が悪い。この両方のメリットを生かした多層構造の鍋は使い勝手は良いけれど、値段がそこそこ高い。自分の都合に合った特徴の素材を選びたい。
結論
忙しいときに美味しい煮込み料理をしたくても出来ないことがある。圧力鍋があれば作るのが面倒だったメニューにも、レパートリーを増やすつもりで挑戦できる。圧力鍋さえあれば「長時間煮込んだあの味」が短時間で味わえるので、忙しい人にこそ圧力鍋を使ってみて頂きたい。