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フランス菓子【パンデピス】の味と歴史を解説。起源は中国にあった!

フランス菓子【パンデピス】の味と歴史を解説。起源は中国にあった!

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 渡邉里英(わたなべりえ)

鉛筆アイコン 2020年3月17日

パンデピスとは、フランス語で「香辛料のパン」という意味を持つ食べ物だ。その起源は古く、一説によると10世紀ごろの中国の宋から、十字軍を通してヨーロッパに伝わったとされている。兵士のための保存食だっただけあって、カロリーに見合った栄養が含まれ、体を温める香辛料も多用されている。そんなパンデピスのたどってきた歴史と味について紹介しよう。

  

1. パンデピスは蜂蜜で作る!そのカロリーは

パンデピスの甘みは、砂糖ではなく蜂蜜でつけられるのが一般的だが、これにはどんな理由があるのだろうか?蜂蜜の存在は古くから知られており、「The history of honey is the history of mankind.(蜂蜜の歴史は人類の歴史)」ということわざも有名である。また、旧約聖書の中には、「心地よい言葉は蜂蜜のように魂に甘く、体を健やかにする」という記述も見受けられる。英語で恋人のことをハニーとも呼ぶことからもわかるとおり、古来より蜂蜜は、人類にとって甘くも貴重なカロリー源だったのだ。
現代の私たちにとっても、蜂蜜が砂糖よりも優れている点は多くある。蜂蜜は完全栄養食とも呼ばれるほどに、さまざまな栄養を備えているのだ。数多くのビタミンやミネラルをはじめ、酵素・アミノ酸・ポリフェノールなど、含まれる栄養素は何と100数十種類にも及ぶとされる。植物の蜜を、蜜蜂が自身の酵素によって分解してくれるからこそ、人間にとってこのように有益なものへと変化する。そのうえ、蜂蜜は砂糖よりカロリーが低い。パンデピスのレシピに蜂蜜を使った昔の人は、それを知っていたのだろうか?
また、蜂蜜の主成分であるブドウ糖は、人間が摂取した後は速やかにエネルギー源となる。戦場において素早くカロリー補給を行ううえでも、蜂蜜を使ったパンデピスという保存食は理にかなっていたに違いない。

2. パンデピスはスパイスを使う

パンデピスには、カロリーが控えめな蜂蜜が使われているということ以外にも、大きな特徴がある。それは、パンデピスにさまざまなスパイスが使われているという点だ。スパイスの種類に特に決まりはないが、パンデピスにはシナモンまたはジンジャー・ナツメグ・クローブ・ペッパーの4種類をブレンドした、キャトル・エピスというスパイスがよく使われている。この「エピス」が、フランス語で「スパイス」を表しているわけである。
パンデピスにスパイスが多用されている理由の1つは、保存性を高めるためだろう。戦場への携行食とするには、長期保存に耐えられることも条件の1つだ。戦地の中には、暑い地域もあったことだろう。そのような場合にも、スパイスたっぷりのパンデピスは、カビや虫がつきにくい手軽なカロリー源として役立ったに違いない。
各スパイスには、スパイスごとの効用ももちろん期待できる。シナモンにはむくみを改善する作用があり、クローブには腸内ガスを排出する作用があるので、戦闘中に長時間不自由な姿勢を強いられる兵士にとっては、ありがたかったに違いない。ジンジャーは血行を、ナツメグは発汗と消化を促進することも、戦時の兵士のために有益な作用であっただろう。スパイスを使うかどうかがカロリーを左右することはないが、栄養補給としてのパンデピスの価値を高めることにはつながっているのだ。
受験戦争などという言葉を耳にするようになって久しいが、現代を戦っている子どもの夜食にパンデピスをカロリー補給として与え、古代の兵士の苦労について話してやるのもよいかもしれない。

3. パンデピスのカロリーはクリームで大幅アップ?

ここまで紹介してきたパンデピスだが、カロリーはともかく味の方はどうかと言えば、多少クセがある。このクセは好き好きで、クセがあるからよいという方もあれば、このクセを好まない方もいて当然だ。困るのは、家族の中で好みが分かれる場合である。家族の1人は「ほかのお菓子では嫌だ。パンデピスを作って!」と言うかもしれないし、別の1人は「もう少しクセがなければパンデピスもいいのだけれど」と言う。
こうした場合のお助けアイテムが、ホイップクリームとキャラメルソースだ。パンデピス本来の味をじっくり楽しみたいという家族には、そのまま食べてもらい、クセが気になる家族には、ホイップクリームとキャラメルソースをプラスしたパンデピスを食べてもらうのだ。パンデピスのクセが気になる人も、このようなトッピングをすれば喜んで食べてくれるというわけだ。ただし当然のことながら、トッピングをすればパンデピスのカロリーは大幅にアップする。カロリーを気にする場合は、このトッピングはやめておいた方がよいだろう。もしくは、せめてホイップクリームだけで我慢して、キャラメルソースは諦めよう。いずれにせよ、戦時における兵士のパンデピスには、もちろんこんな高カロリーなトッピングはなかったはずだ。

結論

パンデピスというお菓子の特徴は、たっぷりの蜂蜜とスパイスにある。兵士のための保存食だっただけあって、勉強熱心な子どもの夜食としてのカロリー補給にも適している。子どもとともに、古代の兵士の苦労に思いを馳せながら食べれば、親子の連帯感も深まるに違いない。
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  • 更新日:

    2020年3月17日

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