1. まろやかな甘みでスパイシーな味わいを引き立てるカレーの隠し味

額に汗がにじむようなスパイシーな辛さと香り。香辛料のチリペッパーで辛さの強弱を調整できる。しかし、そこに甘みのある食材を加えることで、まろやかな風味にすると同時に辛さも引き立てることができる。
- りんご
りんごをすりおろしてカレーに加えると、ほのかに甘くジューシーな風味になる。辛いカレーが苦手な方や子供にもおすすめだ。特に、ポークカレーとりんごは非常に相性がいい。というのも、りんごに含まれる酸によって豚肉のタンパク質分解酵素が働き、肉が柔らかくなる。そのためポークカレーにりんごを入れると、まろやかな風味になるだけでなく食感も良くなるのだ。 - バナナ
バナナをすりおろしてカレーに加える。バナナには成熟する過程ででんぷん質がたくわえられる。そのため、バナナをカレーに入れるととろみが出て、食感が良くなるのだ。また、対比効果といって、バナナの甘みがカレーの辛さを引き立てる効果も得られるのだ。 - レーズン
ドライカレーにも使われるレーズン。濃厚な甘みが対比効果でカレーの辛さを引き立てる。ラム酒に漬けて戻したものを丸ごと入れて食感を楽しんだり、さらにカレーのソースになじませる場合は、みじん切りにして入れてもよい。
2. 爽やかな酸味やコクを加えて楽しむカレーの隠し味

カレーに甘みを加えたり、辛さを増す隠し味もあるが、酸味やコクを加えて味に奥行きを出すこともできる。
●爽やかな香りがふんわり広がる「レモン」
カレーにはコリアンダーといって、爽やかな香りのするスパイスが使われる。また、タイ風カレーにはレモングラスというレモンの香りがするハーブを入れる。カレーの複雑な風味は、辛味だけで成り立つものではなく、爽やかな香気も欠かせない。身近にあるものでおすすめなのがレモンだ。特に、豚やラムなど臭みのある肉を使う時や、魚のカレーにおすすめだ。煮込む時にレモン果汁を入れたり、仕上げにかけたり、皿に盛り付けてからみじん切りにしたものをパラっとかけてもよい。
●コクを加えるなら「梅干し」
カレーにはタマリンドという果物の果肉を入れることがよくある。実は、酸味のあるフルーツ、タマリンドは梅干しにそっくりの風味。種を取り除いて、カレーを煮る時に入れると酸味やコクが加えられる。タマリンドが手に入らなくても梅干しで代用できるのだ。
●さらに辛くするには「豆板醤」か「一味唐辛子」
カレーの風味は、甘口が好きな人もいたら辛口が好きな人もいて、好みはさまざま。辛くしてしまったカレーを甘くすることはできないが、香辛料を足すことで辛さを強くすることができる。カレーの辛さは、レッドペッパーの量を加減して調整するが、レッドペッパーは赤唐辛子を粉末状にしたもの。豆板醤や日本の一味唐辛子など、唐辛子の加工食品でも代用できる。
3. カレーの隠し味を入れる時に注意したいこと

トマトやレモン、梅干しなどカレーに入れるといいと言われる隠し味はたくさんある。ただ、好きだからといって一気に大量に入れたり、はっきりと味わいが分かるほど入れてしまうと失敗の元になる。あくまでも"隠し味"なので、少しずつ様子を見ながら入れるのがおすすめだ。
蜂蜜を隠し味に加えて甘みを足すこともあるが、蜂蜜を加える時は注意が必要だ。カレーのとろみは小麦粉のでんぷんによってつけられている。しかし、蜂蜜は、でんぶんを糖に分解するアミラーゼを含んでいるため、カレーのとろみがなくなり、サラサラになってしまうのだ。蜂蜜を隠し味に加えたい時は、ルウを加える20分以上に鍋に入れて煮込む。加熱することで、アミラーゼの働きが弱まり、でんぷんが分解されないのだ。醤油や味噌、唾液にも、このアミラーゼは含まれる。味見をしたお玉を鍋の中に入れないように注意したい。
万が一、蜂蜜を入れて、思うようにとろみがつかない時は、加熱してアミラーゼの働きを弱めるのがおすすめだ。それでもとろみが足りない時は、小麦粉を水で溶いて加える。カレー10皿に対して、小麦粉と水を各大さじ2使用する。
蜂蜜を隠し味に加えて甘みを足すこともあるが、蜂蜜を加える時は注意が必要だ。カレーのとろみは小麦粉のでんぷんによってつけられている。しかし、蜂蜜は、でんぶんを糖に分解するアミラーゼを含んでいるため、カレーのとろみがなくなり、サラサラになってしまうのだ。蜂蜜を隠し味に加えたい時は、ルウを加える20分以上に鍋に入れて煮込む。加熱することで、アミラーゼの働きが弱まり、でんぷんが分解されないのだ。醤油や味噌、唾液にも、このアミラーゼは含まれる。味見をしたお玉を鍋の中に入れないように注意したい。
万が一、蜂蜜を入れて、思うようにとろみがつかない時は、加熱してアミラーゼの働きを弱めるのがおすすめだ。それでもとろみが足りない時は、小麦粉を水で溶いて加える。カレー10皿に対して、小麦粉と水を各大さじ2使用する。
結論
ほどよく隠し味を入れて、辛味や酸味、甘みを足すことで、好みの味わいのカレーができる。いろいろな隠し味にチャレンジして、絶品オリジナルカレーを作ってみよう。