1. トビウオの刺身とは

島根県はもともとトビウオの漁獲量が多いことから、トビウオの刺身が郷土料理として親しまれてきた。島根県の地元の人にはアゴと呼ばれている。最近ではトビウオの出汁であるアゴ出汁が有名である。トビウオといっても国内には約30種類がおり、島根県ではそのうちの2種であるホソトビウオとツクシトビウオが漁獲されているという。そんなトビウオは10m以上空中を滑空することもあるため、身が筋肉質で脂肪が少なく、味わいは淡泊であるのが特徴だ。
トビウオの漁獲方法
空中を飛ぶトビウオは、アゴすくいといわれる漁法が使われる。夜、船から明るい照明を照らすとその明かりを目掛けてトビウオが飛んでくるので、それを船上から大きな網でキャッチするという漁法だ。この漁法によって一晩で900尾近いトビウオが漁獲されることもあるという、島根県のトビウオ漁には欠かせない方法なのだ。
2. トビウオの刺身のカロリーと栄養

トビウオの刺身のカロリーは90kcalほどだ。トビウオの刺身は高たんぱく質で低脂肪なのが特徴で、抗酸化作用をもつビタミンEが豊富に含まれている。ビタミンEは脂肪の酸化を防いで血管をしなやかに保つ効果が期待できるのだ。ほかにもビタミンB群が多く含まれており、栄養に富んだおすすめの食材なのだ。
3. トビウオの刺身が食べられる時季

島根県では毎年初夏になると沿岸にトビウオが産卵のために来遊してくる。そのため、初夏には多くのトビウオが島根県近郊で漁獲されるのだ。とくに産卵シーズンのトビウオは体内に栄養を豊富に蓄えているので美味しいといわれている。トビウオは刺身に限らず、島根県ではよく食べられる魚で焼き魚にしたりすることもある。さらにトビウオをつみれにしたり、すり身をちくわ状に焼きあげたりと島根県では日常的に食されている魚なのだ。
4. トビウオの刺身を作ってみよう

トビウオの刺身を食べるには、まずトビウオをさばく必要がある。まずトビウオの腹の下にあるヒレを取り除き、うろこを引く。トビウオの尻の部分から包丁を入れて腹を開き、わたを取り出してよく洗い、血合いもきれいに取りのぞく。胸ビレの横から包丁を入れ、頭をおとす。骨に沿って包丁を入れ、3枚におろす。皮をはがし、身の中央にある骨に沿って包丁を入れ、骨を取り除く。あとは食べやすい大きさに切ればトビウオの刺身の完成だ。食べる際は大葉などの薬味と一緒に味わうのがおすすめだ。
5. トビウオの刺身の美味しい食べ方

トビウオのカルパッチョ
トビウオの刺身はワサビしょう油で食べても美味しいが、カルパッチョにするのもおすすめだ。トビウオの刺身を皿に並べて、カイワレ大根やミニトマトをトッピングし、塩こしょうとオリーブオイル、レモンを絞って完成だ。トビウオは味が上品で淡泊なのでカルパッチョにも適しており、よりおしゃれにトビウオの刺身を味わえる食べ方だ。
トビウオのなめろう
トビウオの刺身をなめろうにしてみるのもいいだろう。刺身にしたトビウオにねぎと大葉のみじん切りを加えて、しょう油、味噌を加えて包丁でたたいてなめろうにしていく。弾力のあるトビウオの食感はなめろうにしても美味しいのでおすすめだ。
結論
トビウオの刺身はトビウオが豊富に漁獲される島根県ならではの味わい方だ。トビウオは空中を飛ぶことから、筋肉質で淡泊な味わいが特徴だ。カロリーも低く栄養価も高いので、カロリーが気になる人にもおすすめの食材なのだ。そんなトビウオの刺身はカルパッチョにしたり、なめろうにしたりといろいろな食べ方ができるので味わってみてほしい。
(写真出展)
農林水産省 うちの郷土料理 トビウオの刺身
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/tobiuonosashimi_shimane.html
農林水産省 うちの郷土料理 トビウオの刺身
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