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昔懐かしい【とち餅】は作るのが大変?材料や栄養を紹介!

昔懐かしい【とち餅】は作るのが大変?材料や栄養を紹介!

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 藤江美輪子(ふじえみわこ)

鉛筆アイコン 2020年7月14日

雑穀は日本に昔からあるが、身体によいことから最近再び注目を集めている。雑穀を使った料理はいろいろあるのだが、ここでは雑穀のひとつである「とちの実」を使って作られる「とち餅」を紹介する。気になるとち餅の栄養価や作り方などとち餅の魅力をたっぷりと伝えていく。

  

1. とち餅とは?

餅といえばもち米を使って作るのが一般的だが、雑穀を混ぜ込んで作る餅もある。そのひとつがとち餅で、とちの実を入れて作られる。現代ではとちの実を食べる機会は大きく減ってしまったが、米の生産量が安定しない時代にはとちの実を中心とした雑穀を主食代わりに食べていた。土地の改良や米の品種改良によって米の生産量が安定すると、雑穀が食べられることはなくなり、生産量も減少した。とちの実は広い地域で栽培されていたため、とち餅も広い地域で郷土料理として親しまれている。とちの実の生産量が減ったこと、またとちの実の下処理が面倒であることから作られる機会は大きく減ったものの、いまでも地元の和菓子屋で売られていることがある。もち米だけで作った餅と比べるともっちり感が少ないが、とちの実由来のほのかな苦みもあり素朴な味わいを楽しめる。

2. とち餅の材料と栄養

とち餅を作るうえで、とちの実ともち米が必要だが、とちの実は手に入りにくい。とちの実の生産自体が減っているためスーパーなどで購入することは難しい。ネット販売で購入できる場合もあるため、探してみよう。

雑穀は、昔は米の代わりに食べられていたが、最近では健康食品として注目を浴びている。では、とちの実が本当に栄養価の高い食品であるか詳しく見ていこう。とちの実の栄養価は文部科学省から発行されている食品成分表で調べることができる。カリウムやマンガンなどのミネラル類は多く含まれているもののビタミン類はほとんど含まれておらず、バランスよく栄養素が含まれているわけではない。しかし血糖値の上昇を抑える働きをすると考えられているポリフェノールが多く含まれている。ポリフェノールには脂質の吸収を抑える働きもあるとされている。

3. とち餅を食べる機会

とちの実が収穫できるのは9~10月頃であったため、とち餅もそのころに食べられることが多かった。とちの実はほかの雑穀と比べるとアクが非常に強く、そのままでは食べることができない。そのため必ずアク抜きをしなくてはならないのだが、その工程が非常に長い。とちの実を1日天日干ししたら、茹でて皮をむ剥く。ここからがアク抜きの重要なポイントで川に1週間ほど漬けておくのだ。1週間たったら今度は灰を混ぜたお湯にとちの実を入れ保温状態で1日以上置く。とちの実のアク抜きをするだけでも10日近くかかるのだ。この工程を家庭で行うのは難しいため、とち餅が家庭で作られることはほとんどない。とち餅を食べたい場合は和菓子屋に行って購入するのが無難だ。

4. とち餅の作り方

とち餅を手作りしたい場合は、必ずとちの実のアク抜きを行わなければならない。残念ながらとちの実の簡単なアク抜き方法はないため、昔ながらのやり方をするしかない。ちなみにアク抜きせずに食べるのは絶対にやめよう。とちの実に含まれるアクは非常に強く、そのまま食べると舌に痺れが出るほどだ。

当然ながら、アク抜きしたとちの実は、そのままでは硬い。そのため、とち餅に使うもち米と一緒に蒸して使う。もち米ととちの実の両方が蒸せたら、餅をついていく。昔ながらの杵と臼でついてもよいが、餅つき機を使うと簡単に餅つきができる。餅つきをする途中でもち米ととちの実がしっかりと混ざり合っているかを確認しておこう。全体が均一に混ざり合ってほどよい硬さになったら適当な大きさに分けて成形する。これでとち餅の完成だ。

5. とち餅の食べ方

とち餅はとちの実由来の苦みがあるため、そのままで食べることはあまりない。おすすめはあんこと一緒に食べることだ。あんこの甘さによってとち餅のほろ苦さが気にならなくなる。手作りする場合は、あんこを中に入れて成形してもよい。また甘いのが苦手な人であれば砂糖醤油をつけて食べるとよい。砂糖醤油の甘じょっぱさによってほろ苦さが軽減される。きなこや黒蜜をかけて食べてもよいし、ぜんざいのようにとち餅を煮て食べてもよい。とち餅の食べ方に決まりはないため、普通の餅と同じようにいろいろな食べ方を試してみよう。

結論

とちの実ともち米を使って作られるとち餅は広い地域で愛されている郷土料理だ。しかし、とちの実の生産量の減少とアク抜きの大変さから家庭で作られる機会は大きく減っている。とはいっても地元の和菓子屋や土産屋などでとち餅が売られていることもある。見かけたときはぜひ購入してみてほしい。ホッとする素朴な味わいが楽しめるはずだ。
(写真出展)
農林水産省 うちの郷土料理 きび餅・あわ餅・とち餅
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/kibimochi_kyoto.html
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  • 更新日:

    2020年7月14日

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