1. 雑穀は日本古来の健康の秘訣
縄文時代には、すでに「あわ」「ひえ」「大麦」などの雑穀が日本で栽培されていたといわれ、稲作の前には雑穀栽培がされていたと推定されている。
その後米も作られてはいたが、今のように完全に白米が主食となったのは昭和20年頃。それまでは十分に食べられるほどの米の生産量はなく、米に混ぜたり、雑穀のみであったりと、日本人の主食を支えていたのが雑穀だった。江戸時代などは、米は年貢として納めるものであり高級品。農民は雑穀を食べるというのが普通だったという。
米が食べられないため、しかたなしに食べていた雑穀だが、栄養価の面では白米をはるかに凌ぐほど。今ほど食材が豊富でなかった時代、日本人の健康を支えてきたのが雑穀ともいえる。
その後米も作られてはいたが、今のように完全に白米が主食となったのは昭和20年頃。それまでは十分に食べられるほどの米の生産量はなく、米に混ぜたり、雑穀のみであったりと、日本人の主食を支えていたのが雑穀だった。江戸時代などは、米は年貢として納めるものであり高級品。農民は雑穀を食べるというのが普通だったという。
米が食べられないため、しかたなしに食べていた雑穀だが、栄養価の面では白米をはるかに凌ぐほど。今ほど食材が豊富でなかった時代、日本人の健康を支えてきたのが雑穀ともいえる。
2. 代表的な雑穀の栄養素
健康ブームが広がり、再び食卓に戻ってきた雑穀。代表的な雑穀とその栄養価を見ていこう。
大麦
イネ科の越年草。食物繊維が豊富で、白米の約19倍含まれている。他、カルシウムは約3倍、カリウムは約2倍含まれる。食物繊維は、便通を整えて便秘を防ぐうえで欠かせないものであり、カルシムは人体に最も多く含まれるミネラルで、骨や歯を形成する栄養成分だ。
きび
イネ科の一年草で乾燥に強い。白米と比較して食物繊維が約3倍、マグネシウムが約4倍、鉄分が約3倍含まれる。きびのたんぱく質には、善玉コレステロールであるHDLコレステロールの値を高める効果があるといわれている。
あわ
エコノグザを先祖とするイネ科の食物。食物繊維は白米の約7倍、カルシウムが約3倍、マグネシウムが約5倍、鉄分が約6倍含まれる。きびと同じく、HDLコレステロールの値を高めるはたらきがある他、脂質代謝を改善する効果も期待できる。
ひえ
イヌエビを先祖とするイネ科の食物。食物繊維は白米の約8倍、マグネシウムが約5倍、カリウムが約3倍含まれる。きびと同じく、HDLコレステロールの値を高めるはたらきがある他、脂質代謝を改善する効果も期待できる。
アマランサス
ヒユ科の一年草。アンデス山脈を原産とする。たんぱく質としてリジンを多く含む他、食物繊維は白米の約15倍、カルシウムが約32倍、マグネシウムが約12倍、鉄分が約12倍など、雑穀の中でもとくに栄養価が高い。
黒米
稲の原種である野生稲の特長を受け継いだ古代米の一種。薬膳料理にも使われることから「薬米」とも呼ばれる。食物繊維は白米の約7倍、カルシウムが約4倍、ビタミンB1が約4倍含まれる。黒米の色素であるアントシアニンには、抗酸化作用があるといわれている。
赤米
米のルーツともいわれる古代米の一種。食物繊維が白米の約8倍、マグネシウムが約4倍、ビタミンB1が約5倍含まれる。赤米の色素であるタンニンには、血中コレステロールの低下や血圧上昇の抑制などの作用があるといわれる。
3. 雑穀米の炊き方
とても豊富な栄養素が含まれることがわかった雑穀。今は数種類の雑穀が入った雑穀米ミックスも売られているので、ふだんの食事に取り入れたい。気軽にできる雑穀米の炊き方を覚えておこう。
① お米を研ぐ
いつもの分量を測って、お米を手早く研ぐ。
② 炊飯器にお米を移す
研ぎ終わったお米を炊飯器の内釜に移し、炊く分量の目盛りまで水を加える。
③ 雑穀米を入れる
雑穀米を入れて軽くかき混ぜる。分量はパッケージに記載されている量を目安に。
④ 炊飯器にセットして炊く
炊飯器にセットしてスイッチを入れる。いつものモードでOK。
⑤ 炊けたらほぐす
炊き上がったらしゃもじで切るようにほぐし、釜の中でこんもりと盛ってから保温する。こうすると余分な熱が入るのを防ぎ風味を保つことができる。
雑穀米を研いだ米に混ぜて炊くだけ。今日からさっそく取り入れることができそうだ。
雑穀米を研いだ米に混ぜて炊くだけ。今日からさっそく取り入れることができそうだ。
4. 白米に混ぜて炊く以外の食べ方
お米に混ぜて炊く食べ方が一般的だが、その他にも雑穀を美味しく食べる方法がある。
スープの具に
プチプチとした食感はスープの具にもぴったり。いつものスープに加えるだけだ。
サラダに
熱湯で茹でた雑穀をお好みの野菜とともに盛り付けてサラダに。これ一品でいろいろな栄養が摂れる。
パンケーキに
ホットケーキミックスを使った普通のタネに茹でた雑穀を混ぜて、いつものように焼くだけ。栄養満点のおやつに。
結論
古くから日本の人々の栄養を支えてきた雑穀。いつもの食事に簡単に取り入れることができるので、ぜひ試してほしい。忙しくておかずを数種類作ることができない、という人こそ助かる食材かもしれない。
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