1. 納豆餅の特徴・歴史や由来

まず、納豆餅の特徴・歴史や由来について紹介しよう。納豆発祥の地は諸説あるが、京都もその中のひとつだ。京都市右京区の京北地区にある常照皇寺で修行していた光巌法皇が、村人が献上した藁苞(わらづと)に包まれた煮豆を食べたところ、日が経つごとに糸を引き、それが美味しかったことが始まりだという。常照皇寺に所蔵されている絵巻には、住職が藁苞納豆をふるまう様子が描かれている。
その後、珍味として京都御所に納められ、納豆(豆を納める)と呼ぶようになったという。当時は正月のようなハレの日に食べる貴重な食材であるという意識が庶民の間に根付いていた。また京北地区は戊辰戦争を戦った山国隊の発祥の地で、農兵が出兵のときに納豆を持参した逸話もあり、現在この地区の名産品でもある山国納豆の名はこのことからきている。とくに食料が満足にない時代に、貴重なタンパク源である納豆を腹持ちのよい餅で包んで食べる納豆餅は農兵らに好まれたようだ。ちなみにその時代の納豆餅は人間の顔と同じくらいの大きさで、正月の三が日かけて食べていたといわれている。
2. 納豆餅の主な使用食材・栄養

次に納豆餅の主な使用食材・栄養について紹介しよう。納豆餅作りに欠かせない食材のひとつが、納豆だ。納豆に含まれる主な栄養素は、タンパク質・ビタミンB2・ビタミンB6・ビタミンE・カリウム・マグネシウム・鉄・食物繊維・カルシウムである。
それぞれの栄養素の特徴をピックアップして紹介すると、タンパク質は筋肉や臓器を作り身体のエネルギーになる。ビタミンB6は免疫機能を健全に保ち、カリウムは血圧を下げて筋肉や心筋の活動を正常に保つ。マグネシウムはエネルギーの代謝を助け動脈硬化を防ぎ、鉄は鉄欠乏による立ちくらみやめまいから守るといわれている。
納豆餅に使用する食材のひとつである餅には、運動中に主なエネルギー源になる炭水化物が豊富に含まれている。ごはんと餅で100gあたりに含まれる炭水化物の量を比べると、ごはんは37.1gだが、餅は35%も多い50.8 gも含まれている。とくにトライアスロンやマラソンのような持久力が必要な競技では、炭水化物の摂り方が勝敗のカギを握っているといっても過言ではない。持久力が必要な運動をするときは餅を活用するといいだろう。
3. 納豆餅の食習の機会や時季

次に納豆餅の食習の機会や時季を紹介しよう。先述したように納豆餅は正月のような祝いの席で食べることが多い。とくに京北地域では正月になると納豆餅と味噌汁を一緒に食べる風習が残っている。かつては年の瀬になると家長が家族の人数分を作り大切に食べていたようだ。
関西ではあまり納豆を食べないようだが、京北地区では現在も生活の中に根付いており、正月に納豆餅を食べる習慣が継承されている。ちなみに京北地域や南丹市日吉町では自治会と農家組合が協力し、地元産の大豆やもち米を使用した納豆餅の啓蒙に励んでいる。
4. 納豆餅の作り方

次に納豆餅の作り方を紹介しよう。納豆餅作りに使用するのは、丸餅・納豆・塩・黒砂糖・きなこでOK。まず餅をホットプレートやトースターで焼く。きなこをまぶしながら焦げ目を包み込むよう、円形に薄くのばす。納豆に塩を入れ混ぜる。餅の半分に納豆をのせ、好みで黒砂糖をふりかけ折りたたみ、形を整えたら納豆餅の完成だ。砂糖に納豆と聞くと相性がいいのか?と疑いたくなるかもしれないが、意外にも合うのでぜひ試しに作ってもらいたい。
5. 納豆餅の食べ方

次に納豆餅の食べ方を紹介しよう。納豆餅の食べ方としては大きく分けて2種類あり、納豆と餅を一緒につき餅の中に納豆を練り込み、こんがりと焼く方法と、納豆を餅で包んで好みできなこなどをまぶして食べる方法だ。また、かたくなった納豆餅を焼き、香ばしくのばして食べても美味しい。
結論
京都の郷土料理のひとつである納豆餅について紹介した。塩を入れて混ぜた納豆に、さらに砂糖を加えて味わう納豆餅。香ばしいきなこの香りが、より食欲をそそるだろう。これまで知らなかったという人も、ぜひ納豆餅を手作りして味わってみてはいかがだろうか。
(写真出展)
農林水産省 うちの郷土料理 納豆餅
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/nattomochi_kyoto.html
農林水産省 うちの郷土料理 納豆餅
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