1. 豚こまの特徴と選び方
豚こまは、豚小間切れ肉の略称である。特売品として販売されていることも多く、家計の味方であることはよく知られているところ。切り落としと混同されることが多いが、それもそのはず、両者に明確な違いは存在しない。
豚こまと切り落としの違い
切り落としは、ロースやバラなど部位の名前がついていることがあるのに対し、豚こま肉に部位の名前がついていることは、ほとんどない。切り落とし肉は、あるひとつの部位を成形する際に出る端肉である。豚こま肉は、肉を成形する際に出る端肉を集めたもので、1部位に限らず、数種類の部位が入っていることが多い。そのため、脂身多めのものあれば、赤み多めものもあり、個体差が大きい。
豚こまの上手な選び方
豚こま肉は、さまざまな部位がミックスされているもの。一見、料理が作りづらいようにも思えるが、さまざまな味わいが楽しめると捉えれば、大きな利点とも言える。個体差が大きいので、料理に合わせて選ぶとよい。例えば、炒め物にするなら脂身が多めのものをチョイスする。体型が気になり始めたという人であれば、赤み多めのものをチョイスするとよいだろう。
2. 豚こま×野菜で夏料理
豚肉は、ビタミンB1が多いことでも知られており、夏バテ防止食材としても優秀だ。旬の野菜を合わせることで、さらに栄養満点の一品にアレンジしていこう。
豚こま×ニラ炒め
ニラも豚こま同様、疲れているときにおすすめの食材である。さらにビタミン類も多く含まれるだけでなく、アリシンと呼ばれる、ネギ類に多く含まれ、強い殺菌効果を持つ栄養素も含まれている。これは、体内の代謝をよくするとも考えられている。豚肉と合わせると旨みも2倍。オイスターソースや鶏ガラスープを使うと、どうしてもマンネリになってしまうので、あえて酒と醤油、胡椒だけでシンプルに調理すること。豚肉に酒と醤油をもみ込み、片栗粉をまぶす。多めの油で豚肉を揚げ焼き風にしたら、最後にニラを投入。ざっと炒め合わせたところで、鍋肌から醤油をまわしかけ、仕上げに黒胡椒をたっぷりと挽けば完成だ。
豚こま×きゅうり炒め
生食のイメージが強いきゅうりも、炒め物にすると新鮮味が生まれる。ポイントは、生姜をたっぷりと入れること。きゅうりは適当な大きさに切る。水っぽくなるのが気になる人は、タネを取り除いてもよい。あとは上記のレシピ同様、下味をつけた豚肉から炒めていくだけ。千切りの生姜をたっぷりと加え、塩胡椒でシンプルに調味すると、キレのある味わいに仕上がる。
3. 豚こま×酢で夏料理
豚こまで黒酢酢豚
豚こま肉は下味をつけ、丸めて、片栗粉をまぶして揚げると、豚の唐揚げに早変わり。塊肉で作るよりもふわふわと柔らかで、かみ切りやすく、子どもがいる家庭にもおすすめである。中国黒酢を使った黒酢風酢豚なら、見た目のインパクトもバツグンなので、人を招いたときにもぴったり。あえてほかの野菜を入れず、肉だけでシンプルに仕上げるのがおすすめだ。中国黒酢・醤油・酒・砂糖・水溶き片栗粉を混ぜ合わせたタレを煮詰め、豚こま唐揚げに纒わせれば完成だ。
豚こまで変わり南蛮漬け
酢にも疲労回復効果、抗菌効果が期待できるので、豚こまと合わせることで相乗効果が得られる。南蛮漬けも、いつもとは違う変化球タイプを選ぶと、マンネリ防止に一役買ってくれる。漬けダレに入れるのは、ナンプラーとレモン汁、砂糖、酢。生玉ねぎのスライスを入れても旨い。豚こまは、酢豚同様唐揚げにして、そのほかなすやかぼちゃ、いんげんなどの夏野菜も素揚げにして投入すれば完成だ。
結論
豚こま肉は、加工の際にできるさまざまな部位の端肉を集めたもの。形や味は不揃いだが、その不揃い感が美味しさにもなる。梅雨疲れや夏バテなど、体調を崩しやすいこれからの季節。安くて栄養満点な豚こま肉を野菜や酢と合わせて、さらにパワーフードに進化させよう!
この記事もcheck!