1. 牡蠣は食べ過ぎ注意:亜鉛の過剰摂取
牡蠣は、カルシウムや鉄、葉酸など豊富な栄養素を含んでいるがその中でも過剰摂取に注意したい栄養素が亜鉛だ。亜鉛とは、体内の多くの機能を維持するのに必要な成分で体内の酵素反応を活性化したり、ホルモンの分泌を助けたりする働きをもっている。不足してしまうと味覚障害や皮膚炎や食欲不振などを引き起こすといわれている栄養素だ(※1)。その一方で注意したいのが過剰摂取だ。亜鉛を過剰摂取するとどのような症状が現れるのだろうか?
亜鉛過多
牡蠣には100gあたり14.5mgの亜鉛が含まれている。通常の牛乳の亜鉛は0.4mgなのと比べるとその量の多さを感じることができるだろう。亜鉛は、長期にわたって摂取しすぎると亜鉛過多になってしまう。この亜鉛過多になると免疫障害や下痢、貧血などの原因になる場合があるので注意が必要だ(※1)。
2. 牡蠣は食べ過ぎ注意:プリン体と痛風
牡蠣は食べ過ぎてしまうと痛風になるおそれがある。痛風とは、血液の中の尿酸値が増えてしまい関節などに激しい痛みを伴うことだ。この痛風を発症させる原因とされているのがプリン体だ。牡蠣にはプリン体が100gあたり184.5mg含まれている。プリン体が多いといわれるビールの場合は、350ml缶1缶で12~25mgのプリン体が含まれているといわれているので、牡蠣のプリン体の多さがよく分かる(※2)。
3. 牡蠣は食べ過ぎ注意:食品アレルギー
牡蠣アレルギーを知っているだろうか?牡蠣の中に含まれているトロポミオンという成分によってアレルギー反応が起こることがある。このトロポミオンとはカニなどの甲殻類にも含まれている成分で、アレルギー反応を起こすと腹痛や嘔吐、下痢などの食中毒のような症状が起こる。さらに食品アレルギー特有の喉のかゆみや蕁麻疹が発生することもある(※3)。
アナフィラキシーショックに注意
アナフィラキシーショックとは、アレルギーとなる物質が体内に入ることで、命の危険を生じる過剰反応が出ることだ。牡蠣アレルギーの場合も血圧の低下や意識障害、呼吸困難など命の危険を伴う症状を引き起こすことがあるので、注意したい。また、そのような症状が発生した場合は、すぐに医師の診察を受けるようにしよう。
4. 牡蠣は食べ過ぎ注意:食中毒
牡蠣を食べる際に、一番気になるのが食中毒だ。牡蠣はノロウィルスや腸炎ビブリオなどの細菌を含んでいることがあり、とくに加熱処理を行わず牡蠣を食べる場合は食中毒に注意が必要だ。食中毒になるノロウィルスや腸炎ビブリオなどは、加熱処理を行うとほとんど感染のリスクはないといわれている(※4)。しかし食べ過ぎてしまうと食中毒の可能性は高まってしまうので、覚えておくのがいいだろう。さらに生の状態で牡蠣を食べるとより食中毒の可能性は高まるので注意が必要だ。
食中毒と牡蠣アレルギーは症状が似ている
食中毒は主に、嘔吐や下痢、激しい腹痛などを起こすが、この症状は牡蠣アレルギーの症状にもよく似ている。そのため、食中毒なのかアレルギーなのかの判断がつきにくいことがある。しかしアレルギーの場合は、蕁麻疹や呼吸器障害なども同時に発生することがあるので、注意が必要になる。
結論
牡蠣は食べ過ぎるとさまざまな症状を発症することがある。ついつい牡蠣のシーズンになると美味しくて食べ過ぎてしまうが、過剰摂取は健康にもよくないので、1日に摂取する牡蠣の目安として5個ほどに留めておくのがいいだろう。もしもさまざまな症状を感じた場合は、専門の医療機関を受診するようにしよう。
※1出典:健康長寿ネット 亜鉛の働きと1日の摂取量
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/mineral-zn-cu.html
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/mineral-zn-cu.html
※2出典:公益財団法人 痛風・尿酸財団 食品・飲料中のプリン体含有量
https://www.tufu.or.jp/gout/gout4/447#:~:text=%E7%89%B9%E3%81%AB%E3%80%81%E5%9C%B0%E3%83%93%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%80%81%E7%B4%B9%E8%88%88%E9%85%92%E3%81%AB%E3%81%AF,%E3%82%8C%E3%82%8B%E3%81%93%E3%81%A8%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
https://www.tufu.or.jp/gout/gout4/447#:~:text=%E7%89%B9%E3%81%AB%E3%80%81%E5%9C%B0%E3%83%93%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%80%81%E7%B4%B9%E8%88%88%E9%85%92%E3%81%AB%E3%81%AF,%E3%82%8C%E3%82%8B%E3%81%93%E3%81%A8%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
※3出典:ウェザーニュース 新鮮な牡蠣(かき)でも"あたる"のはナゼ?
https://weathernews.jp/s/topics/201811/260155/
https://weathernews.jp/s/topics/201811/260155/
※出典4:ノロウイルスに関するQ&A 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/kanren/yobou/040204-1.html#15
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/kanren/yobou/040204-1.html#15
※出典4:「食品衛生の窓」東京都福祉保健局 腸炎ビブリオ
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/micro/tyouen.html
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/micro/tyouen.html
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