1. くるみ豆腐とはどんな食べ物?
豆腐と名のつく食品や料理は多く、日本人の食卓には欠かすことができない。地域によってさまざまな豆腐が作られており、いろいろな味わいを楽しむこともできる。ここで紹介するくるみ豆腐も個性あふれる豆腐の1つだ。どこで作られ、どのように食べられているのかを含め、くるみ豆腐の魅力を探っていく。
豆腐だが大豆は使っていない
豆腐というと原料に大豆(豆乳)を使うのが一般的だ。しかし、例外として大豆を使っていなくても豆腐という名がついているものもある。それがここで紹介するくるみ豆腐だ。くるみ豆腐のメイン材料となるのはくるみだが、それをくず粉で固めて作られている。大豆を使わずに作られていても、豆腐のような滑らかでプルンとした食感を楽しむことができる。ちなみに、くず粉で固めて作る豆腐はくるみ豆腐以外にもあり、胡麻豆腐が有名である。
岩手県奥州市など東北地方で食べられている
くるみ豆腐は岩手県奥州市江刺など東北地方で食べられていた郷土料理だ。くるみ豆腐という名前から杏仁豆腐のようにスイーツのようなものを想像してしまうが、お盆や法事などで食べられる精進料理の1つで刺身の代わりに食べられてきた。流し缶に流し入れて作り、それを刺身の切り身のように縦長に切り大根のつまなどと一緒に盛り付ける。そのままだと甘いため味噌ダレをかけて食べられていたが、現在は精進料理としてだけでなくお茶請けやスイーツとしても食べられている。
2. 通販できる人気のくるみ豆腐を紹介
くるみの素朴な味わいとプルンとした食感が絶妙なくるみ豆腐だが、残念ながら一般的な食品ではないため全国のスーパーで購入できるわけではない。しかし最近はネットで取り寄せることもできるようになり、以前よりも身近な食品となっている。ここでは通販で購入できるくるみ豆腐を紹介する。
とうふ工房清流庵「くるみ豆腐」
まず紹介するのは山形県寒河江市に店舗を構えるとうふ工房清流庵のくるみ豆腐だ。もともと精進料理として食べられていたくるみ豆腐だが、清流庵のくるみ豆腐は国産の和くるみをたっぷり使用しているため甘みがしっかりとしている。そのため、味噌ダレをかけるよりもスイーツとして食べるのがおすすめだ。
ヤマコン食品「くるみとうふ」
こちらも山形県にあるヤマコン食品のくるみとうふもおすすめだ。くるみをたっぷり使ったくるみとうふはお茶請けやスイーツにもぴったりだが、昔ながらの精進料理としても食べることができる。ヤマコン食品は玉こんにゃくも有名な店で、くるみとうふと玉こんにゃくをセットで購入することもできる。山形の味わいを楽しみたいときはセットで購入してみよう。
豆伸食品「くるみ豆腐」
くるみ豆腐といえば東北地方だが、熊本市にある豆伸食品でもくるみ豆腐を取り扱っている。ただし、くるみ豆腐は期間限定商品で11~12月しか購入することができない。定番のごま豆腐やピーナツ豆腐とセットで購入できるため、寒くなってきたらぜひチェックしてみよう。
3. 自宅でもくるみ豆腐を作ってみよう
くるみ豆腐は通販で取り寄せることができるが、届くまで少し時間がかかるため待ち遠しい。実はくるみ豆腐は家でも作ることができる。くるみ豆腐をすぐに食べたいときは手作りしてみよう。
くるみ豆腐に必要な材料と器具は?
くるみ豆腐作りに必要なのは、くるみとくず粉、砂糖、塩、水の5つだ。くるみはスーパーで売られているむきくるみで十分だ。くず粉は吉野くずを使うのがおすすめだ。砂糖や塩は家にあるもので構わない。くるみ豆腐の材料自体は簡単に手に入れられるが、欠かせない道具がすり鉢だ。くるみ豆腐の滑らかな食感を出すためにはくるみをすり潰す必要がある。
くるみ豆腐作りは根気が必要
くるみ豆腐は少し手間がかかる。そのため時間に余裕があるときに作ろう。まず、すり鉢でくるみをすり潰す。粒が見えなくなるまでしっかりとするのがポイントだ。そこにくず粉と砂糖、水を加えてよく混ぜる。くず粉が溶けたら裏ごしをし、鍋に入れる。弱火~中火で加熱しながらヘラを使って焦げ付かないように混ぜ続ける。ツヤが出て固まり始めたら火を弱めて20分ほど練る。最後に塩を加えて混ぜたら、水で濡らした流し缶に流し入れ、そのまま常温で冷やし固める。くるみ豆腐の量にもよるが、2~5時間くらいで固まる。固まったら取り出し、適当な大きさに切る。これでくるみ豆腐は完成だ。
結論
東北地方で精進料理として食べられていたくるみ豆腐は、くるみの素朴な味わいと豆腐のプルンとした食感が絶妙に合わさった料理だ。現在では素朴な甘さからスイーツとしても親しまれている。通販を使えば簡単に取り寄せることもできるが、すり鉢があれば家でも作ることができる。ただし、20分も練り続けなければいけないなど根気のいる工程があるので、時間にも余裕があるときに取り組んでほしい。
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