1. 七草粥はいつ食べるの?
七草粥は七草を使ったお粥であり、日本では1月7日に食べる風習がある。
新年から数えて7日目は人を大切にする日(人日の節句)といわれており、桃の節句などの五節句の仲間になる。また、7日目はお正月気分から日常になる一区切りと考えられている。七草粥には1年間健康で過ごせるようにといった無病息災の願いが込められている。
新年から数えて7日目は人を大切にする日(人日の節句)といわれており、桃の節句などの五節句の仲間になる。また、7日目はお正月気分から日常になる一区切りと考えられている。七草粥には1年間健康で過ごせるようにといった無病息災の願いが込められている。
お粥に七草を入れる理由は、七草は早春に芽吹くようになることから邪気払いを行うといわれていたため、七草粥が選ばれていたようだ。
昔はまな板の上で七草をトントンと叩いて刻む回数も決められていたという言い伝えもある。七草は日本のハーブのようなものと考えられており、消化のよいお粥と一緒に食べることで正月疲れに胃腸をいたわることができるだろう。
2. 七草粥の種類
せり
シロネグサとも呼ばれる植物で日本原産の野菜だ。香りがよく、食感がよいので食欲が高まりそうだ。見た目は三つ葉に似ているが、三つ葉に比べ葉っぱの数が多いのが特徴だ。
なずな
ペンペン草とも呼ばれ、江戸時代にはお浸しなどにして食されていたようだ。乾燥させて漢方薬にも使用されている。
ごぎょう
別称は母子草でキク科の植物だ。平安時代には3月3日の桃の節句に食べる草餅の原料にされていた。しかし、江戸時代からは草餅の原料はごぎょうからヨモギになったといわれている。
はこべら
正式名称はハコベ。ナデシコ科の植物だ。いまでは世界中に広まっており約120種ある。茎葉の部分は生薬として使用されている。
ほとけのざ
別称はコオニタビラコでキク科の植物だ。ピンク色の花を咲かせるシソ科のホトケノザとは違い、春の七草の仏の座はキク科の黄色い花を咲かせる植物だ。
すずな
かぶのことをいう。葉の部分には、カロテンやビタミンCが多く含まれている。在来種が多く、現在では80種あるといわれている。
すずしろ
大根のことをいう。大根の白い部分は葉の近くは甘く、先端に近くなると辛味が強くなる。大根の上部はサラダなどの生食に、中間は煮物、先端は薬味などの辛味がほしい時に、と使い分けるのがおすすめだ。
3. 地域によって七草粥は違う?
七草粥は地域や家庭によって中身も異なっているようだ。七草をすべて入れたり、なずなだけは入れる、またはあり合わせの野菜を使ったり、餅や小豆を入れるなどさまざまである。
たとえば三重県鳥羽市ではフノリ、ホンダワラ、ヒジキなどの海藻を和えたメニューを神棚に供える習わしもある。また、食べ方でも熱くてフーフーすると福が逃げてしまう、田植えに風が吹くのが連想されるので嫌う地域もあるようだ。
たとえば三重県鳥羽市ではフノリ、ホンダワラ、ヒジキなどの海藻を和えたメニューを神棚に供える習わしもある。また、食べ方でも熱くてフーフーすると福が逃げてしまう、田植えに風が吹くのが連想されるので嫌う地域もあるようだ。
昔の七草粥は単に野草を加えて炊くだけではなかった。本来はもっと手の込んだ料理だったといわれる。郷土教育資料によると1月6日に女児が七草を摘み、その晩にまな板の上に箸、すり鉢、すりこぎ、包丁、杓子などをのせて合わせて七草をたたく。翌朝それを餅や粥の中に入れて一緒に食すとされている。七草をたたくときに七草の囃子を唱えて害鳥や害虫などを防ぎ、五穀豊穣などを祈るとの説がある。
また、七草を爪につけられるとケガをしないともいわれ、七草をたたいたつゆを爪につけるまでに爪切りはせずに爪を伸ばしていたとされる。この習わしは、江戸時代に七草の時にナズナを水の入ったお碗に入れてその水に指を浸し、新しい年に爪を切るという「七草爪」という風習からきている。
結論
七草粥は昔から無病息災などを願う人々の心が引き継がれている日本文化だ。地域や家庭によって具材なども異なるが、風習や歴史などを知ることで、新しいことをとり入れたり、いつもとひと味違う七草粥を食べるのもよいかもしれない。
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